或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

社労士勉強進捗[2月度]

2007-02-28 06:46:22 | 150 社会保険労務士
本格的に勉強を再開して2ヶ月。メルマガをこなしながらテキストを復習する癖がついてきました。いい傾向ですね。この分だと3月には復習の最初のクールが終わりそう。4月に模擬試験を受けてみようかという気持ちになっています。それで最近つくづく思うのは、社労士の勉強は診断士と違って生活に直接役立つということ。

実は昨年から親父夫婦の公的手続きや金銭管理を一手に引き受けています。というのも、もう二人とも相当もうろくしてきていて、このままだと振り込め詐欺とかに引っ掛かるのは時間の問題と感じたから。真っ先にやったのが税金や保険関係。それまでは窓口で毎回納付していたのを全て口座からの引き落としへ変更。けっこうしんどかったけど、この作業で家計を完全に把握。

そして今回やったのが確定申告。最近は国税庁も電子化が進んでいて、ネット上で情報をインプットするだけで、簡単に申告書が作成できる。ファイルも途中保存できるから便利。さすがにICカードリーダーを買わなきゃならない電子申告までは手がでないけど、昔に比べればかなりの進歩。この作業過程でも、社労士の知識が活用できるので、つくづく良かったなあと。

ちょっと話がそれたけど、自分の勉強のことで言えば、記事にした毛利氏庭園のある山口県防府市に遊びにいったもう一つの目的が合格祈願。お参りしたのは、福岡の大宰府ほどは全国的に有名じゃないけど、学業の神様としては近場で最も名の知れた防府天満宮。ここも初めて。上の写真はその時に買ったもの。ちょっと奮発したかなあ。

調べると、ここには学問の神様である菅原道真がお祀りされている、延喜四年(904年)に創建された日本で最初の天満宮なんだとか。よく分からないけど由緒ある神社なんでしょう。まあ気持ちの問題だから。当日は受験生の姿はあまり見かけなかったけど、梅祭りの初日ということで甘酒もふるまわれ、結婚式も催されていて、なかなか華やいだいい雰囲気でした。


東京奇譚集

2007-02-26 06:25:35 | 010 書籍
たまたま図書館でみつけて、久しぶりに読んだ村上春樹の最近の作品、「東京奇譚集」(2005年)。コピーによれば、奇譚というのは不思議な、あやしい、ありそうにない話という意味。はやい話がタモリのTV番組「世にも奇妙な物語」の小説版。まあ遠くない。中には短篇が5編。

全体にシンプルな抽象画のような気品とイマジネーションが漂っている。いいですね。彼も年を取って枯れてきたのかなあ。文章がとても読みやすく、自然に別世界に入っていける。オトナの小説。ある意味で彼の新境地かも。最初の4編はどれも気に入ったけど最後の“品川猿”でガックリ。この本のための書きおろしで期待していたのに。話の構成も文体も別人のよう。

それで面白かったのが登場人物の女性描写。彼は男の視点で特徴を説明してくれる。例えば最初の“偶然の旅人”では、郊外に住んでいる40歳前後で二人の子持ちの妻を、「小柄で・・・、身体のくびれているべき部分にいくらか肉がつきはじめていた。胸が大きく、人好きのする顔立ち・・・」、“どこであれそれが見つかりそうな場所で”では、高層ビルの36階に住んでいる35歳の妻を、「筋の通ったきれいな鼻だった・・・それほど遠くない昔に整形手術を・・・ストッキングに包まれた脚は美しく、黒のハイヒールがよく似合っていた。そのかかとは致死的な凶器のようにとがっている」、なんて感じ。

なんか人妻専門の出会い系サイトでも見ている気分になったような。なんて失礼ですね。でもそれが全体の中でいいアクセントになっている。日常の中で普通にありそうで、でも絶対になさそうな。男の妄想をさりげなく掻き立てる描写が上手い。

たまたま“奇譚”つながり?で、津原泰水の「綺譚集」(2004年)をその前に読んでいたけど、これがかなりのキワもの。最初の”天使解体”からしてグロのてんこ盛り。彼ってなんか特別な幼児体験でもしているのかなあ。だめなんですよ、こういうの。中には”ドービニーの庭”のように面白いのもあるんだけど。その意味では、村上のこの作品は良い口直しになりました。

綺譚集綺譚集    東京奇譚集東京奇譚集

Will Downing

2007-02-24 05:10:34 | 220 POPS
今年も冬のヘビロテになっているお気に入りの男性ヴォーカリストを紹介しておきます。さすがに女性に対して男性ヴォーカルは、持っているアルバムの数が圧倒的に少ない。そんな中でダントツのトップなのがウィル・ダウニング。ジャズ寄りの黒人R&Bシンガー。アーバンコンテンポラリーの代表格といってもいいでしょうね。

彼を初めて聴いたアルバムが「A dream fulfilled」(1991年)。全体としてはR&Bなんだけど、アレンジや間奏のアドリブ、そして彼の魅力的な声と自由自在なテクニックは、まさにジャズのテイスト。冴えないジャケットを十二分にリカバリーしていました。

それ以来ほとんどのアルバムを集めているけど、よく聴くのは「Moods」(1995年)と「Invitation only」(1997年)。両者のかなりの曲のプロデューサー兼アレンジャーがロニー・フォスター(Ronnie Foster)。特にジャズのスタンダードナンバーである前者の"Stella by starlight "は秀逸。彼は今月来ているスティービー・ワンダーの日本ツアーにキーボードで参加していますね。

後者はバックが凄い。マーカス・ミラー、カーク・ウェイラム、ジェラルド・アルブライトといった豪華メンバーが、最高にイカしたサポートをしてくれている。そんな中にも"When sunny gets blue"なんて曲を入れるとは、ウィルはよほどのジャズ好きなんでしょうね。それと目立たないけどキーボードのレックス・ライドアウト(Rex Rideout)。この童顔のオジサンは、ほんと玄人好み。

思うにウィルの音楽って、聴いているとなんか男の本能がうずくというか、まさに勝負用。車の助手席に女の子でも乗せて、冬の夜に郊外のイタリアンレストランへ向かう、なんてシチュエーションにピッタリかも。スムース&セクシーでムード満点だから。

この辺は、チョイ悪ならぬモロ悪オヤジを目指す方へ一番のオススメです。

A Dream FulfilledA Dream Fulfilled

MoodsMoods  Invitation OnlyInvitation Only

毛利氏庭園

2007-02-21 06:04:15 | 800 観光
天気が良い日は、ついにポカポカし始めましたね。まだ今年に入ってまともに雪も降っていないのに。その陽気に誘われて、山口県の防府市までカミさんとドライブに行って来ました。高速を使うのはホント久しぶり。いろいろ周ったけど、お目当ての本命は、山陽道の防府東インターに程近い毛利氏庭園。六本木ヒルズにある毛利庭園じゃないですよ。一応”毛利”つながりではある。

明治維新の後、廃藩置県が行われ、それまでの幕府の藩主たちは東京に集められたけど、その後で元々持っていた領地に戻って住んでいいことになった。それで萩藩(旧長州藩)主邸の建設の責任者になったのが有名な井上馨。彼が明治25年(1892年)に選定したのが、防府市を見渡せる山の麓。日清戦争や日露戦争で工事が遅れ、完成したのが大正5年(1916年)。

広さは、庭園が約8万平米、本邸が約4千平米におよび、明治・大正時代における技術の粋が尽くされていて、当時の日本庭園・日本建築の頂点を極めるものとして高く評価されています。1996年には国が名勝に指定。中国地方では、けっこう有名ですね。

これがそのまま毛利氏庭園に受け継がれ、建物の一部は毛利博物館になっている。まあそういう経緯だから、毛利家が持っていた金目の財産がごっそり保管されていて。国宝や重要文化財を含めて所蔵品も約2万点ぐらいあるらしく、ヘタな美術館よりぜんぜん凄い。その中で美術品として最も有名なのが、雪舟の「四季山水図」。もう一つ、歴史的に有名なのが、毛利元就が三人の子供に宛てた教訓状。有名な”三本の矢”の元ネタ。さすがにスゴイのを持っていた。

博物館がある大きな本邸は、古風な書院造りで、いたるところに大正ロマンがムンムン。渋かったなあ。加えて庭の広いこと。そんな中で目立っていたのが、上の写真の梅の花。まだ5、6分咲きなんだけど、冬の寂寥とした景色の中に、鮮やかな白色と桃色が映えて、なかなか見応えがあった。その風情に近づく春を感じました。


バブルへGO!!

2007-02-19 05:59:07 | 350 映画
この休みに、久しぶりにカミさんと映画館へ。たまにはサービスをしておこうと思って。最初はカミさんのリクエストで、ヒューマン物の「幸せのちから」の予定だったけど、いざチケット売り場に並ぶと、一番前の列しか空いていないことが分かって。結局自分の提案で、急拠「バブルへGO!!タイムマシンはドラム式」を観ることに。カミさんも、仕方がないとしぶしぶ納得。

興味を持ったのは、ホイチョイ・プロダクションの製作だったから。懐かしいなあ。「ミーハーのための見栄講座」(1983年)が本棚にありました。フルー。女性のナンパを目的としたハウツー本のはしりじゃないでしょうか。そう言えばキールやシェリー等、食前酒の種類を覚えたのもこの本から。どんぴしゃなシチュエーションはなかったけど、知識としてはいろいろ役立ったなあ。

バブル崩壊と共に彼らは消え去ったと思っていたけど、どっこい生きていたんですね。調べると、たまに車の中で聞く、毎週土曜日の夕方に放送されている東京FMの「Suntory Saturday Waiting Bar "AVANTI"」は、彼らが1992年からやっている長寿番組らしい。なるほどね、だから面白いんだ。ジェイクというバーテンは、なんとバイショーやりすぎサックスのジェイク・コンセプション本人だったんだ。

映画の内容は、コピーを借りれば”タイムトラベル・ラブコメディ”という、言わばバック・トゥー・ザ・フューチャーの日本版。戻るのはバブル絶頂期の1990年。知識やウンチク、ボケやツッコミも少なく、全く期待ハズレ。収穫は吹石一恵のナイスバディぐらい。はっきり言って、どうでもいい映画。中で恥ずかしかった?のが、当時の女性の太いマユ。そして上の写真のキンクイことディスコ「King & Queen」。

それら以上だったのが、当時流行ったデザイナーブランドのヨーロピアンファッション。肩パッド入りでダボダボのスーツに、ケバい花柄のプリントネクタイ。実はまだ持ってます、かなりの枚数かなりの本数。捨てようかどうしようかフンギリがつかないまま、えらく時間が経ってしまった。でも決心がつきました。全部捨てます。これが今回の最大の収穫だったかも。

バブルへGO!!タイムマシンはドラム式バブルへGO!!タイムマシンはドラム式

小出楢重(5)

2007-02-17 08:05:32 | 300 絵画
画家小出楢重のシリーズ紹介も第5回。前回は短かかった渡欧の話でしたが、今日は帰国した翌年、大正12年(1923年)の話。欧州で本場の刺激を基に、精力的に製作に取り組んでいきます。絵に明確に個性が出始め、自分の画風を確立したのがこの時期。

彼は服装や家の内装とか、それまでの和風の生活様式を洋風へと一変させたらしい。まずは身のまわりからいうことで。いわゆる”大切な雰囲気”。画題も、日本の風景は洋画に合わないということで、この頃の作品のほとんどが人物か静物。

下の写真はこの年の二科展へ出品した「帽子のある静物」。あまり有名じゃないけど、お気に入りの一つ。西宮市の大谷美術館にあって、是非観てみたい一枚。これとほとんど同時期なのが、東京国立近代美術館にある「少年立像(ラッパを持てる少年)」で上の写真。彼の代表作として有名。5才の長男を描いているんだけど、強烈ですよね。画風がより明るく、よりシンプルになっているのが印象的。

長男が着ている服やトランペットは、楢重の欧州のお土産。受けたのが絵のタイトル。だってトランペットじゃなくてラッパ。音楽業界用語だとパツラ。なんて関係ないか。子供とラッパの組み合わせがカワイイ。この作品を見て思い出したのが、ピカソが息子のポールを描いた作品群。両者の絵には、自分の息子が可愛くてしようがないといった愛情が作品から滲み出ている。

欧州の生活が肌に合わず、すぐ帰国した割には、逆に洋風の生活をしていて、なんか矛盾していると思わせるけど、どうもこの時期は、自己の西洋画のスタイルを追求していたみたい。つまり単に本場に迎合するでもなく、かといって昔に立ち戻る訳でもなく、彼なりにバランスを取りつつ方向を見据えていた。そのブレない芯の強さが新しい個性として作品に出ていますね。


ジャン=ポール・エヴァン

2007-02-15 06:18:36 | 600 グルメ
今年も娘がなかなかオシャレなチョコをバレンタインに贈ってくれました。ジャン=ポール・エヴァン(JEAN PAUL HEVIN)の8個入り。これまでのピエール・マルコリーニやデル・レイと比べると、パッケージもチョコの形もやや地味な印象。なんでもTV番組「笑っていいとも」のバレンタイン特集で、チョコの人気ランキング第1位だったとか。ふーん、そうなんだ。

この時期限定で設けているデパートの特別コーナーで買ったのか?と聞いてみると、そうではなくて街中に直営店があるんだとか。大昔からある有名なパン屋の中。最近行ってないからなあ。さすがに行列に並んだそうで、店内には一度に5人しか入場させないという徹底ぶり。どうして?と聞くと、室温を19℃に保っているから待っている間寒いらしい。うーん、こだわってる。

なんでその有名店が広島にあるのか不思議に思ってネットで調べると、ショップは東京の新宿と表参道、九州の福岡と小倉、そして広島の全部で5店舗。なんかおかしい。東京の次は大阪、京都、神戸、横浜あたりだと思うんだけど、こういうパターンもあるんだ。店舗戦略がイマイチ見えない。でもまあ、その辺を飛び越して広島にあるというのは、ちょっと嬉しいかも。

経営者のジャン=ポール・エヴァン氏は有名なんですね。1983年の国際チョコレートコンクールで優勝。1986年には職人の最高位であるM.O.F.を獲得。今パリで最も人気があるショコラティエらしい。フランス北西部の小さな村で生まれ、14歳で菓子職人の道へ。1988年に独立してパリ7区に自分の店を。日本とのかかわりも深く、2002年に開店。歴史としては新しいんだ。

肝心の味なんだけど、情けないけど他のブランドとの違いがよく分かりません。ただ何となくベルギーじゃなくてパリかあ、なんて想いを馳せながら美味しくいただきました。


スシポリス

2007-02-13 06:22:30 | 600 グルメ
あるメルマガによく載っているのが、世界各国の現地レポーターからの投稿記事。今そこに住んでいる人からの情報なので話題がホット。それと日本人が外から見るという視点が新鮮。そんな中で面白かったのがスシポリスの話。

スシポリスというのは、海外における日本の寿司の味をチェックするために日本から派遣する調査員のこと。なんでも米国のコロラド州へ出張した松岡農水相が、立ち寄った日本食レストランのひどさに激怒したのがきっかけとか。それで日本食のレベル確保と食材の輸出拡大と絡めて、海外の日本食レストラン認証事業の構想が浮かんだらしい。その先駆けがスシポリス。

なんかお役所の考えることらしいなあ。でも海外じゃまずくて当たり前。コロラドなんかじゃしょうがない。無理ってもの。思い出したのが、大昔の米国出張。アリゾナ州フェニックスを訪問した時のこと。昼食のもてなし料理の一角を占めていたのが寿司。一口食べたら、その味に仰天。シャリ、お酢、全てが違う。こりゃ食えないわと思ったけど、わざわざ用意してくれていたので申し訳なくて。「こんな所でスシを食べられるなんて嬉しいです」、なんて真逆のコメントをしたなあ。サラリーマンですから。

海外では、NYやLAといった大都市あるいは日本企業が現地に多数進出している都市を除き、日本食という看板がかかっていても、中華風あるいは日本風の現地料理がほとんど。だから期待していくとホントえらい目に遭います。でも日本人の板前さんがいて、逆パターンのサプライズもたまにあるけど。

時代は変わると思わせたのが、LAにあるドジャーズスタジアムへ野茂が投げる試合を観に行った時。米人の売り子が声を出しながらスタンドを回っていて。実は「スッシー、スッシー」なんだけど、それが「スッチー、スッチー」に聞こえて。おいおい、スッチーの宅配でもするのかよと期待したら、なんと日本人相手の巻き寿司の販売。ここまでポピュラーになっているのかと、ちょっと驚きました。

ケッヘル

2007-02-10 07:38:16 | 010 書籍
読みたいと思いながら、なかなか手がつかなかった小説、中山可穂の「ケッヘル」(2006年)。理由は上下2巻という長編だったから。でも今読み終わってみて後悔することしきり。というのも昨年はモーツァルトの生誕250年。読んでおけば、そのつながりで、もっと有意義に彼の音楽を楽しみながら1年を過ごすことができた気がする。うーん、失敗。ちょっと遅かったなあ。

内容は、ヨーロッパの風情や旅情をふんだんに取り入れた火曜サスペンス劇場。冗長な部分が多くてイマイチ完成度が低いけど、それでも格調と気品が醸し出されているのは、やはり作者のモーツァルトへの愛情か。物語全体をそれが通奏低音の如く支えている気がする。本の表紙のデザインもいい。上巻の青と下巻の緑の、色の深さとコントラストが素晴らしい。

作者自身も相当なモーツァルティアンなんでしょうね。モーツァルティアンという言葉は初めて知ったけど、本を引用すると、「すべての作品をケッヘルという作品番号で憶えている・・・、たちどころにその曲の調性を言える・・・、その曲が作られた背景まで知り尽くしている・・・」、なんて人々らしい。これはもう、いわゆるオタク系。でも現実にこういう人達の集まりがあるみたい。

興味を持ったのが、登場人物の一人である栗田宗一郎。官能小説家。彼に絡む曲の中にロンドイ短調K.511、レクイエムニ短調K.626が。なんと昨年の大晦日に聴いて記事にした2曲。そして交響曲第38番“プラハ”K.504も。大のお気に入り。そしてこの曲や好色男のドン・ジョバンニが初演されたのが、栗田の舞台となるプラハ。なんか自分とのつながりを感じたなあ。

それで今回読むにあたって困ったのが、小説の中に出てくるモーツァルトの膨大な曲の数々。やはりイメージしながら読みたいから。TSUTAYAで探して借りたのが2つのオムニパス。全曲は網羅していないけど、なにせCD20枚だから朝から晩までもうエンドレス。たった2日間だけだったけど、なんか自分もプチモーツァルティアンになった気になりました。かなり疲れたけど。

ケッヘル〈上〉ケッヘル〈上〉   ケッヘル〈下〉ケッヘル〈下〉

船を降りたら彼女の島

2007-02-07 06:25:26 | 350 映画
先週の土曜日に友人とメバル釣りへ。今は一年の中で最も寒い。釣れる対象魚がどうしても少なくなる。この時期に瀬戸内海で一番盛んなのがメバル釣り。実はあまり気乗りがしていなかった。というのも正月に一度釣行して風の強さと寒さに参ったから。でも、いざ出船してみると、天気が良くて意外に風もなく海は穏やか。気温もわりと高めでラッキーでした。

それで見慣れない場所に来たなと思っていると、目の前に上の写真の右端のカワイイ島が二つ。周りにいた遊魚船の船体には愛媛県と書いてあって。結局この場所が一番良く釣れました。サイズはイマイチ小さかったけど。釣果としてはまずまず。

それで家に帰って場所を確かめようとググっていると、よく出てきたのが「船を降りたら彼女の島」という見出し。調べると、磯村一路監督が2002年に撮った映画の題名。HPをチェックすると、そのカワイイのは二子島という名前で、主人公の木村佳乃と父親役の大杉漣が二人で釣りにいくシーンのロケに使われていて。なんかピーンと来てTUTAYAで早速ビデオをレンタル。

この映画はねえ、個人的にはとても楽しめました。起承転結の少ない好みの感じ。押尾コータローのギターがしっとりと馴染んでいて。東京で暮らしている主人公が、ある種のマリッジブルーの中で、結婚することを告げに愛媛県野惣那(のぐつな)島へ帰郷するというストーリー。そこで幼い頃の想い出が蘇り、その跡をたどる。箱庭のような瀬戸内海の美しさに癒されました。

だけど思ったのは、さすがにヒットはしないだろうなあと。あまりにも地味だから。もっと言えば、よく脚本が通ったなあと。逆の見方をすれば、こんな映画を作らせてもらえるなんて幸せだろうなあと。それぐらい控えめ。一番の盛り上がりは、主人公が小学校を卒業する時、思いを寄せる相手に、三島水軍の鶴姫ゆかりの鈴を渡すシーン。いいですね、淡い恋ごころ。自分にもあったかなあ。

これからこの辺りに釣りに行く度に、この映画のことを想い出しそうです。


船を降りたら彼女の島船を降りたら彼女の島