或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

ハービー・ハンコック(4)

2005-02-05 22:54:41 | 200 ジャズ
今日はハンコックのデビュー当時のマイルス・デイビスのアルバムの紹介です。

彼は1961年頃からレコーディングに参加し始めて、1962年に全曲自作の初リーダー・アルバム「Takin' off」を発表します。その後1963年に、ベースのロン・カーターとドラムのトニー・ウィリアムスと一緒に、マイルス・デイビスのバンドのレギュラー・ピアニストに抜擢されました。

これを捉えた最初のアルバムが、「Seven Steps to Heaven 」(1963年)です。この後「Four and More」「My Funny Valentain」「Miles in Belrin」(1964年)等の数々の有名なライブ録音を残しています。テナー・サックス奏者はいろいろと交替しますが、リズム・セクションは1968年の「キリマンジャロの娘」まで固定されていたので、よっぽどマイルスと相性が良かったんだと思います。

マイルスのバンドに参加するまでのハンコックは、正直言ってそんなに好きではありません。勿論その才能は感じられるのですが、どうもフレーズにやや土臭い雰囲気があり、ちょっと鼻につくんです。これがマイルスのバンドに参加してからは、彼の知的な部分と官能的な部分が表に出始めて、私の好きな今のハンコックに進化していきます。

この頃演奏している曲は、いわゆる”歌もの”(スタンダード)が中心なんですが、斬新な解釈がずば抜けてますよね。その音楽性を言葉で言い表すなら、"artistic & sofisticated"でしょうか。

「Seven Steps to Heaven 」の初々しいプレイも捨てがたいのですが、一番のお勧めはやはりニューヨークのフィルハーモニックホールでのライブ盤「My Funny Valentain」です。このアルバムはバラードを中心に構成されていますが、何と言っても”間の取り方”がマイルスバンドならではのもので、ハンコックのソロもアプローチが斬新で、音数が少ない分よけいに印象に残る気がします。

もうすぐバレンタインだし、ちょうど紹介するタイミングが良かったかもしれませんね。(笑)

Seven Steps to HeavenSeven Steps to Heaven

マイ・ファニー・ヴァレンタインマイ・ファニー・ヴァレンタイン

フォア&モアフォア&モア

マイルス・イン・ベルリンマイルス・イン・ベルリン