或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

スポーツ保険

2012-06-27 05:51:53 | 400 釣り
先週の土曜日は友人達と船釣りへ。母の他界から1ヶ月以上経ったので、49日はまだだけど、そろそろ釣りへ行っても良いかなと思って。ちょうど台風4号と5号が近づいてきていて、こりゃ土曜日はムリかなと思っていたけど、5号が早めに通過したので金曜日の午後からは晴れ間が広がった。日曜日からは再び雨模様ということで、まさに雨の合間を縫った形で天候は上々。

狙いは大アジと五目。既に4月下旬のピークを過ぎており期待はしていなかった。結果はその通りの貧果に。大アジ2匹と超小アジ2匹。まあ家族で食べるには最低限の量の確保ができたので良しとしたけど。今回は大潮で潮の流れが速く、船の錨を降ろして重い100号の錘をつけての”流し釣り”。初めての経験だったけど、とにかく船中で仕掛けが絡みっぱなしで大苦戦。

ということで釣りそのもののネタは閑話休題。自分的に嬉しかったのが、ようやく気になっていた電動リールの修理が完了したこと。愛用しているシーボーグ150Sとレオプリッツ150の両方のボディが破損したのが2ヶ月ぐらい前。しかもほぼ同じ場所で同じような壊れ方。ボンドで接着してなんとか騙し騙し使っていたのだけど、防水に不安があるし正式な修理が必要かなと。

釣具屋経由でメーカーに見積もらせたら、両方共に修理費用が1万円弱で意外に安かった。これはどうしようかと。長年スポーツ保険に加入していて、対象はゴルフのホールインワンや道具等を含めてスポーツ関連なら何でもござれ。ただし免責条件が厳しくなってきていて、釣具で言えば、昔は千円だったのが昨年ぐらいから3千円に引き上げらていた。

いっそ自腹を切るかとも考えたけど、やはりここは保険を使おうと。写真を撮って、用紙に必要事項を記入するぐらいは何でもないのだけど、事故証明のために友人にサインしてもらわなければならないのが少々面倒なぐらい。最近は手続きもスムーズで、先日指定銀行口座へ保険金の支払いが完了したと通知がきていて。まあせっかく加入しているので活用しなきゃと。

墓所

2012-06-25 05:30:37 | 900 その他
母が他界して早ひと月。予想していたとはいえ、銀行や郵便局に残された預金処理の手続きでかなり手間がかかったなと思ったら、今度は墓所。分家なので墓を新たに建てなければならないことは分かっていたけど、親父任せじゃ無理だと分かったのが数年前。あてにできないので、カミさんと一緒に勉強のために近郊で売り出されている墓所を見て周ったりしていた。

今回真っ先に目をつけたのが市営墓地。確か年に2回ぐらい公募をしていたことを思い出して。市役所に行ったついでに管轄している部署へ行き問い合わせると、ちょうどその最中だった。昨年までは年2回だったけど、今年からは年1回に変更になったそうで、その募集期間が5月7日から6月4日まで。これはラッキーだなと。亡き母に感謝の気持ちで一杯になったけど。

募集案内をチェックすると、生前申し込み不可等の条件がいくつもついていた。まさに自分のために用意されていたというか、なんか運命的なものを感じたかな。早速必要書類を揃えて申し込み。今回の募集は30区画。希望者が多い場合は抽選に。昨年までの実績では、募集と応募の数がだいたい同じぐらいとのこと。絶対に当選したいという気持ちが強まってきて。

それで抽選会の当日、朝9時半過ぎに市役所の指定された会議室へ。決められた席に座りながら渡された書類を確認すると、応募者が30名未満ということが判明。これでハズレはなくなり一安心。後はどの区画になるか。ウケたのは抽選方法。なんとガラガラを申し込み順に回し区画を決めるというやり方。しかもその場でどの区画が当たったのかを発表するシステム。

そわそわし始めたのがこの頃。抽選なんて何時以来だろうと思ったりして。自分は26番で最後の方。隣りに座ったオバさんは角地が欲しいとか勝手なことを言っていたけど、自分は無難な場所ならどこでもぐらいの思い。それで自分の順番が来て引き当てたのが、今回の募集のちょうど真ん中に位置する区画。可もなく不可もなしといったところ。なんかホッとしたなあ。面積が2㎡(1.21m×1.66m)で永代使用料66万円、永代管理料12万8千円でトータル約79万円。永代管理なので子供に負担が発生しないのが気に入って。抽選会の終了後に、早速現場へ行って自分の区画を確認したのは言うまでもないけど。

JAZZ STANDARD

2012-06-20 05:50:56 | 870 米国紀行
米国旅行5日目の午後、ボストンでランチを済ませた後アムトラックを利用してニューヨークへ戻ることに。ところがそこでトラブルが発生。駅に着くと旅行者でごった返していて。なんと駅構内の運行状況等の表示が全て消えていた。場内アナウンスが流れないので係員に質問するとよく分からないとのこと。およそ1時間ぐらい待ったかな。それでも動いただけまし。

約4時間半かかってNYへ到着。それからタクシーでミッドタウンにあるホテルへ。「またこの安宿かよ」とぐったりする暇もなく、その夜のお目当てであるジャズクラブ「JAZZ STANDARD」へ。NYではソーホーにある「ZINC BAR」に続いて2軒目。ラッキーだったのは、ここがホテルから至近距離にあったこと。東に1ブロック、南に2ブロックで、歩くこと約3分。やけに近かった。

できるだけ前の方とリクエストしたらステージ中央の2列目に案内してくれて。ちょうど1stステージが終わって2ndまでの休憩時間。周囲を見渡すと、客層がやけにグローバル。自分の傍には、ヨーロッパからと思わしき白人のグループが。おそらく自分と同じ旅行客なんだろうなとは思った。客の入りはそんなに良くなかったけど、まあ最近のジャズの状況を考えるとまずまず。

広すぎず狭すぎず、音楽を楽しむにはちょうど良い店だなと。当日は黒人女性ヴォーカルのカーラ・クック(Caria Cook)のステージ。木曜日から4日間のプログラムで、その日が最終日のラストステージ。その意味では彼女を含めたメンバー全員がリラックスしていた気がする。バンドとしては、ピアノ、ベース、ドラムス、パーカッションというシンプルな構成で全員が黒人。

いざ演奏が始まると、想像通りのブラックテイスト満点のジャズの世界が拡がって。途中でややゴスペルやポップス寄りになったけど、これはご愛嬌。声質的には正統派で、不満はややシャウトし過ぎぐらい。やはりNYで本場のジャズを聴くのだからオール黒人モノを聴かなきゃなと。その意味ではメジャーでもなくマイナーでもなく狙い通りの代表的なジャズクラブだった。



It's All About LoveIt's All About Love   Simply NaturalSimply Natural

Legal Sea Foods

2012-06-18 06:05:24 | 870 米国紀行
米国旅行5日目の午前中に、イザベラ・スチュワート・ガードナー、そしてボストンと午前中に2つの美術館を訪問した後、ダウンタウンでランチを。ボストンと言えばシーフードが有名。ということで事前にネットでいろいろと調べたところ、様々なシーフードレストランがあり迷ってしまった。魚だと瀬戸内海の生きの良いのを常々食べているので、ここはロブスターに狙いを定めて。

店を選ぶ決め手になったのが場所。荷物を預かってもらったレンタカーの営業所と同じビルに「Legal Sea Foods」のチェーン店があることを発見。これで決まり。この店は、日本で言えばファミレス的な存在で、カジュアルで価格もリーズナブル。席に通された後ですかさずメニューをチェック。するとありました、ロブスターが。そこで定番の1匹まるごとボイルを注文。

白ワインを飲みながら、この店のウリであるクラムチャウダーを楽しんでいると、ウェイトレスが茹で上がった真っ赤なロブスターを運んできてくれて。「うーん、これだよ、これ」とうなづいた。それからは、しばし至福の時間。とにかく身が厚くて歯ごたえがある。殻から身離れが良いのは新鮮な証拠。オイルのお味もバッチリ。ついてきたパンとサラダで量的には十分過ぎるくらいだった。

ウケたのがその後。上着を着て銀縁のメガネをかけた自分と同い年ぐらいの中年男性が独りで店に入ってきて自分から少し離れた席に座っていた。どうみても日本人。その彼が注文したのが自分と同じロブスター。やけにカメラで写しているなと思っていたら、今度は料理を運んでくれたウエイトレスに頼んで、食べているところを写してもらっていた。これにはビックリ。

周囲から、そんな彼と同類と思われているのだだろうなと感じて若干嫌な気分になったけど、そこはオヤジ。「まあ、日本人が初めてボストンに来たら、考えることは一緒だよな」と開き直った。とは言え、お目当てのロブスターを十二分に堪能できたという満足感いっぱいで店を出たけど。振り返れば、今回の旅行でニューヨークの寿司と並ぶ贅沢な食事になったかな。


オーディオボード

2012-06-12 06:00:17 | 530 オーディオ
マッキントッシュのプリアンプC46とメインアンプMC252を購入してからというもの、自分の中のオーディオ熱が何十年振りかで復活して、それからはいわゆるオタクそのもの。1年前に購入したCDプレーヤーX-30やスピーカーJBL4429との組み合わせで、極限まで音質を極めようと、ネットで勉強しまくり状態。暇をみては改良策をトライしている今日この頃。これが楽しくて。ざっとこの1ヶ月でやったことのサマリーは以下の通り。これは防備録代わりでもあるけど。

■スピーカー
高い位置の壁に埋め込んだ台の上に乗せているせいか、元来の特性のせいか、低音が過多。いろいろ試したけど、スピーカーの後ろに50mm程度の吸音材を挟んで壁に密着させている。離すと低音の解像度と締りが明らかに悪くなり、位相ずれも大きくなりNG。アッテネータはスーパーハイのみ少し下げた程度。

極めつけは、バスレフダクトへの吸音材の挿入。禁じ手だとは思うけど、背に腹は換えられず実行。2本あるダクトの両方に挿入すると、さすがにダンピングが悪化しNG。だけど1本だけなら低音が抑えられ、ダンピングの悪化もなかった。これが今回の改良策で最も効果があったと思う。

スピーカーの下にはAVインシュレータのハネナイトを3個設置。本当はもっと硬質のものが良いのだろうけど、すべって落下すると大惨事になるため、あえてラバー製を選択。

■アンプ
低音が過多のため、C46のトーンコントロールで70Hzを中心にその前後で数dB下げた。また高域も1KHzを2dB、4KHzを4dB程度下げた。

■ケーブル
X-30とC46の間はモガミ2534、C46とMC252の間はゴッサムGAC-4/1で各々バランス接続。ジャズなら米国メーカーかなと、最初はベルデン8423をトライしたけど、低音の解像度が悪化。最終的には、国産のモガミ2534を単品買いして、自分でハンダ付けを。懐かしかったなあ。

■オーディオボード
X-30とC46の間に御影石のオーディオボードを設置。サイズは450X350X30で重量が約15kg。低音の解像度が改善され締まりも良くなったけど、精神衛生的な効果はそれ以上。サイズ的にもジャストフィット。とてもお得な買い物だったような。

これらの改良策を全てひとつひとつビフォーアフターで比較視聴しながら積み上げていき、ようやく自分が納得できるレベルまでに到達した。まあブックシェルフとしては、まずまずのところまで追い込んだって感じかなあ。

    
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オーディオテクニカ ハネナイト価格:976円(税込、送料別)


Walking Street

2012-06-10 06:29:27 | 800 観光
パタヤと聞けば、どうしても行っておきたかったのが歓楽街。ウォーキングストリートと呼ばれる通り沿いに集結しているタイ名物のゴーゴーバーはどんなものかと。急な出張で時間に余裕がない中で、手短にネットで事前サーチ。検索ワードは、“パタヤ ゴーゴーバー ランキング”。これで数ページをくまなく閲覧すれば、おのずとどの店に行くべきかが分かるというもの。

駐在員とふたりで、「HAPPY」、「SUPER BABY」、「SUPER GIRL」、「BACCARA」、「SHARK」等のランキング上位店をくまなく偵察。偵察というのは、店に入りボーイや女の子の誘いを無視して、踊っている女の子のクォリティをひたすらクールにチェックし、店内をぐるりと周ったらそのまま店の外へ出る、ひたすらこの繰り返し。この地道な作業が極めて大事だということ。

ところが偵察が終わった結論としては、気をそそる店がなかった。なんかねえ、ぐっとくるようなキレイ系の子がいなかった、これが。全体的な特徴として、幼い感じで、しかもローカルな雰囲気で洗練されていない。端的に言えば、田舎の子って感じ。ロリコンなら喜ぶかもしれないけど。延べ200人ぐらいかなあ、ほぼ同一傾向。おいおいとツッコミを入れてしまったけど。

後で調べると、バンコクと比べたのが間違いだったみたい。やはり都会と田舎。飲み物とか、いろんな相場がバンコクと比べても安かったし。そういえば、同じバンコクでも、かなり前に連れて行ってもらった店はゴーゴーバーじゃなくて、日本の高級クラブのようなところだったけど、女優かと見間違うような美人がゴロゴロしていて、指名するのに迷った記憶がある。

ということで、仕方なくその中ではましな1軒でビールを注文し、歩き疲れを癒した後に夜10時過ぎにはホテルへ。翌朝が6時前に出発だっただけに、嬉しいような悲しいような。それでも自分で自分を褒めてやりたいのは、さすがにこの年になると、舞い上がることなく冷静に物事を判断できるようになっている。まあ無駄金を使わなくて良かったと諦めるしかなさそう。

Pattaya Marriott Resort & Spa

2012-06-07 07:30:51 | 800 観光
今週火曜日から出張でタイへ。前回が昨年の5月だから、ちょうど1年ぶり。取引先との打ち合わせの都合でバンコクではなく、タイを代表するリゾートパタヤへ。まあ、広大な砂浜の海岸線と椰子の木があれば、たいがいリゾートに見えてしまうというのもあるのだけど。ここは仕事帰りにちょいと立ち寄った程度だったので、初めての宿泊だけに気分は盛り上がった。

スワンナプーム国際空港からパタヤへはパブリックタクシーを利用。高速道路を通って約1時間半でパタヤ市街へ到着したまでは良かったけど、運転手のタイ人のおっさんが、何やら英語まじりで質問してきて。どうも宿泊先の下の写真のマリオットホテルの場所を知らなかったらしい。とっさにスマホを取り出してホテルの電話番号を教え、直接彼が電話することで一件落着。

ロビーに入ると、そこはもうリゾートの雰囲気がムンムンだった。映画とかでよくお目にかかるニスがよく効いたフローリング、それと木々の鮮やかな緑が見事に調和している。すぐ先にはアクアマリンブルーのプールが。生暖かい風が体を包み込んで心地よい。こりゃ仕事やってる場合じゃないなと。ほのかに流れていた軽めのボサノバがさりげなくイカしていた。

その夜は、取引先と海岸線沿いのレストランで食事。席が最も海側だったので、大型船でクルージングをしているような気分。いや最高だった。心配されたスコールがやってくることもなく、暑さを忘れてタイのシーフード料理を満喫した。特徴的だったのは客層。白人のくたびれた爺さんと若いタイ娘のカップルの多いこと。完全にリタイヤ後の保養地と化しているなあと。

それでしょうもない話だけど、使ったシャツや下着を入れておく袋を忘れてきたことに気づいて。たいていはユニクロのビニール袋を持ってくるのに、身支度を急ぐあまり気づかなかった。サプライズはその後。引き出しにホテルのロゴ入りの布の袋が2枚入っていて、これがとってもお洒落。久しぶりに良いグッズを手に入れたなと。永く愛用すること間違いなしって感じ。


マンハッタンの哀愁

2012-06-04 05:44:53 | 350 映画
東京からの出張帰りに新幹線の中で観たのが映画「マンハッタンの哀愁」(1965年)のDVD。きっかけは女優のアニー・ジラルド。映画「パリのめぐり逢い」(1967年)が細切れながらYouTubeに全編投稿されていて、フランス語がチンプンカンプンながら、若きキャンディス・バーゲンと不倫する夫役のイヴ・モンタンの妻を演じていた彼女が魅力的で、別の作品も観てみたいなと。

それでウィキで調べて驚いたのが、彼女が出演したひとつ前の作品が映画「マンハッタンの哀愁」(1965年)だったこと。おいおい、これって黒人ジャズピアニストのマル・ウォルドロンが音楽監督を務めたやつじゃなかったっけ?と、大昔の記憶が蘇ってきて。この手のマイナーな作品がTSUTAYAに置いてあるはずもなく、アマゾンでDVDが2千円で販売されていたので即購入。なるほどマルのソロピアノによるヒット曲”All alone”が、アニーのフェイバリットソングとして登場していた。

内容は、ニューヨークで出会ったフランス人同志が、お互いの淋しさを紛らわせるために安ホテルで一夜を共にするところから始まり、後はあーだこーだとぐだぐだやり合いながら、最後は互いの愛情を確かめ合い、二人で新しい人生を始めるというラブストーリー。正直なところ、映画の中身そのものは、古臭さが感じられるだけで、とりたてて見所はなかったような気がする。

だけど音楽が素晴らしかった。まるでこの時代のNYのジャズシーンのドキュメント。マルが音楽担当ということで根暗な感じに終始しているかと思いきや、なんのなんの。それなりのスコアによるビックバンドやヴォーカルが最初から最後まで十二分に楽しめた。これは嬉しいサプライズだった気がする。特に上の画像のナイトクラブでのシーンは、なかなか洒落ていたなあ。

映画の中でやけに眼についたのがタバコと酒。とにかく二人とも四六時中バーでタバコを吸ってはウィスキーのストレートをあおっている。やけにそんなシーンが多くて、こりゃ体に悪いだろうなと。そういえばマル・ウォルドロンもかなりのヘビースモーカーだったような。話は変わるけど、120本もの作品に出演した大御所アニー・ジラルドは、昨年2月に79歳で他界していた。

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San Giorgio Maggiore

2012-06-01 06:01:40 | 300 絵画
先週の金曜日の話だけど、とある打ち合わせがなくなったので、出張帰りに時間の余裕ができて。疲れていたし、そのまま広島まで直行しようかとも考えたけど、やはりもったいないなと。それで頭に浮かんだのがブリジストン美術館。東京駅で乗り換える自分にとっては、八重洲口から歩いて5分という立地が嬉しい。帰りの新幹線の切符をあえて購入せず気分は楽だった。

小雨が降る中を目的地へ辿り着くまで、少しばかり迷ったような。振り返ればいつ以来だろう、もう5、6年振りぐらいになるのかなあ。当日は、”あなたに見せたい絵があります。-ブリヂストン美術館開館60周年記念”という企画展が開催されていた。実際に鑑賞して思ったのは、確かに石橋財団コレクションが所蔵している有名な作品が一堂に集められていたということ。3年前にわざわざ出かけた福岡県の久留米市にある石橋美術館からもかなりの数の作品が出品されていて、こりゃお得だなと。

そのせいでもないのだろうけど、平日の昼過ぎにもかかわらず客の数が多かった。とりわけ老いたカップルが。ただし中にはおいおいと思う男が何人か。たいしたこともない知識を相手に見せびらかしたいのか、いちいち絵の前で講釈するし、しかも耳が遠くなっているせいか声が大きい。係員は注意しないし、あまりにうるさいので途中から順路を外れて逆に周ったけど。

サプライズはその後。最後の部屋に展示してあったのが上の画像で、モネの「黄昏、ヴェネツィア」(1908年)。観るのは初めてだったけど、「おいおい、これって何処かで?」と思い出したのが、少し前に紹介した映画「Thomas Crown Affair」の中で登場した下の画像の「San Giorgio Maggiore at Dusk」(1908年)。ちなみに上の画像の英語題が「San Giorgio Maggiore, Twilight」。

サン・ジョルジオ・マッジョーレ教会堂を同じ構図で2枚描いていて、しかもその中の1枚をこの美術館が所蔵していたとは知らなかった。調べるとモネは知人の紹介で妻アリスと共にヴェネツィアを訪れ、街に魅了され30点あまりを製作したのだとか。映画の中の絵を盗むシーンが脳裏をかすめ、その場から持ち去りたい気持ちになったけど。なんか、やけにつながってしまった。