或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

バイバイ、ブラックバード

2015-02-21 09:07:03 | 010 書籍
およそ1年半振りの読書ネタ。これはいけませんね、本を読まないというのは。なんだか最近自分が完全にネット人間になっているような気がして。というか完全になっているけど。どうも日常生活に忙殺されて、読書する雰囲気に自分を持っていくことができないでいる。たまたま今回は、ゴルフのせいか風邪ぎみになり、家で夜の早い時間から横になり、暇ができたから。

実は上の文章は、2013年6月の自分のブログの記事の出だしの部分。それからおよそ1年半振り。ということは3年間でたった2冊しか小説を読んでいないということ。なんか情けない。今回のたまたまは、市役所に戸籍抄本を取りに行ったついでに、建物の中にある図書館に立ち寄った時、書棚で見つけて借りたもの。旅の途中に読めるかなと思って。

読みは当たっていて、JRのローカル線を使った尾道への往復3時間でなんとか読みきったのが、伊坂幸太郎の「バイバイ・ブラックバード」(2010年)。双葉社の企画として書いたもので、最終章だけが書き下ろしになっている。30歳過ぎの男が、5人の女に別れを告げ、<あのバス>へ乗るというストーリー。<あのバス>が何なのかは最後まで分からないのだけど。

感想としては、伊坂節が満載でまずまず楽しめた。だけど構成が単調過ぎてだれたかな。自分のツボにハマった箇所がいくつかあって。主人公の結婚相手である繭美が、別れを告げる相手に、「まあ、この男が、女の前で喋っていることの九割は嘘だからな。」と語る部分。それと彼女が主人公に向かって、「おまえは自分には大した価値はないと感じている。だからな、たぶん、二股かけたところで、女はそれほどショックは受けない、と心のどこかで思っているいるんじゃねえか?相手にとって、自分は重要な人間じゃねえと思ってるからだ」。なんかシチュエーションが似ているからか、自分のことのような気がして。

本を借りるきっかけは題名がジャズのスタンダード曲のタイトルと同じだったから。定番中の定番であるマイルス・デイビスの「Round About Midnight」(1955年)を聴いてみた。これも相当久しぶり。いや、懐かしい。だけどバンドをやっていた頃にはコード進行にひねりがない分、あまり好んで演奏しなかったような。そうそう、久しぶりと言えば、今週の水曜日は大学で同期だった悪友達と名古屋で飲んだ。3軒目で「jazz inn LOVELY」へ行ったらライブがもう終わっていて、ちょっと残念だったなあ。

バイバイ、ブラックバードバイバイ、ブラックバード Round About MidnightRound About Midnight

魚信旅館

2015-02-18 06:22:09 | 600 グルメ
久しぶりの尾道プチ観光で悩んだのが昼食。相手に事前に確認すると、和食でも洋食でもどちらでもOKとのことで、さらに悩んでしまったかも。最初は尾道港近郊の洒落たイタリアンか何かと調べたのだけど、そんなに格調も高そうじゃないし、最初の食事の場所としてはいかがなものかなと。高齢者同士だし、そこそこの店にしないといけないなとプレッシャーを感じたりして。

そんな時に、ひょっとしてここだったらと見つけたのが料亭旅館「魚信(うおのぶ)」。ミシュランガイド広島2013特別版にお薦めの店として掲載されたというのも気にかかって。料金が高めだったので外すことはないだろうと。心配だったのが食事をする部屋。食べログとかの写真を見ると、大広間もあれば旅館の部屋のようなものもあるし、どんな場所なのかがよく分からない。

そんな不安が払拭されないまま当日を迎え、尾道駅から商店街から海岸通り沿いを歩くこと20分弱。少々くたびれたような、ひっそりとした塀と門を発見。提灯に屋号が書いてあり、その横に「ご予約のお客様のみ・・・・・」という看板が。予約していないと入れない店と分かったのがその時。ひっそりとした佇まいの中を玄関まで歩くと仲居さんが笑顔で明るく出迎えてくれて。

案内されたのが廊下の突き当たりにあるこじんまりした部屋。8畳の広間の奥にソファーが2脚置いてあった。食事の用意をしてもらう間、そこに腰掛けて外を眺めると、すぐ下がもう海。日差しが直接入り込んでいて、とても暖かかった。改めて部屋の中を見廻すと、水道があったり押入れがあったりして、ほとんど旅館の一室。料亭旅館というネーミングの意味が理解できた。

予約しておいたのが“オコゼのミニ会席”。最初に運ばれてきたのがお造り。こりこりした食感が美味。仲居さんに聞くと予約分しか魚を仕入れないのだとか。だから新鮮なのかと感心した。その後メバルの煮付けとサワラの焼物が続き、締めがウニご飯”。量的には少なめでちょうど良かった。ビールと冷酒をお供に会話も弾み、店のチョイスとしては最高だったかな。


尾道

2015-02-17 05:39:28 | 800 観光
先週の土曜日は、とても久しぶりに尾道へ。前回がいつだったか記憶にないくらいだから、10年以上前かもしれない。目的はお見合い、なんでしょう、たぶん。最近は若い女性とばかり遊んでいて、それはそれで楽しいのだけど、将来を考えると何かしら不安があるもの確か。その意味では年相応のお相手を見つけて、あわよくば再婚できればいいかなと。

ひょんなきっかけで知り合ったのが愛媛県に住んでいる45歳の女性。それで初めて会うことになり、場所を何処にしようかと相談すると、彼女から提案があったのが尾道。最初は松山から船で広島まで来てもらおうかと考えたけど、しまなみ街道を今治から路線バスが通っていて、それを使えば楽に尾道まで来れるとのこと。出会いの場所としては、なんかピッタリかなと。

山陽自動車道を使って車で行こうかとも考えたけど、たまにはJRのローカル線でのんびりしてみようと、調べると1時間半しかかからないことが分かり、これで決まり。当日は今年一番ぐらいの良い天気で、列車に乗り、これまた久しぶりに図書館で借りた小説を読んでいると、あっという間に尾道駅へ到着。なんと彼女が改札口で待ってくれていたのには驚いた。

そこから二人で商店街を歩いたのだけど、これが長くて。おそらく広島市街の本通りより長かったのじゃないかな。確かにシャッターが降りている店もたくさんあったけど、昔ながらの商店とお洒落なカフェや土産物店が混在していて、これがまた尾道らしかった。端から端まで20分以上かけて歩き、昼食を済ませた後にロープウェイで有名な千光寺へ。懐かしかったなあ。


三回忌

2015-02-15 08:04:22 | 900 その他
先週の日曜日は一昨年に他界したカミさんの三回忌。命日から2ヶ月以上も前なのだけど、娘のリクエストでこの日に。というのも出産のため名古屋にあるカミさんの妹の家に昨年12月から居候をしていて、1月に子供が生まれたので、広島に帰ってくる時にできればと。あまり長居をしても迷惑だろうしと、出産の1ヶ月後ぐらいが良いのではと考えてこの日に。

実は1月に名古屋へ行き、初孫には既に会っていた。出産前から男の子というのも知らされていたけど、やはり初対面は少し緊張したかな。自分の子供の時もそうだったけど、願うのは五体満足で健康なこと。幸い何ら問題もなく、すくすくと育っているらしく、産後の娘も元気そうだったので一安心。カミさんが生きていたらどんなに喜んだろうと想像したかな。

当日は降ったり晴れたりのやや荒れた天気。昼前にカミさんの妹と娘夫婦が家に到着。ゆっくりする暇もなく軽く昼食を済ませてお寺へ。お経を済ませると、同席した親戚達と一緒に墓参りへ。正月に行ったっきりだったので、前日に掃除をしておいた。途中は強く雨が降っていたのだけど、皆が到着した頃にはほとんど止んでいて。娘が孫を紹介していたのが印象的だった。

その後自宅へ戻り着替えた後で、皆で夕食を取りに宮島口にある「他人吉」へ。確か一周忌の時もこの店を使った記憶がある。JRの駅の傍なので帰りが楽だし、料理に広島の地元の食材を多く使っているので、特にカミさんの兄夫婦には喜ばれるだろうという思いもあって。シャンパンや冷酒をお供にコース料理を楽しみながら昔話に花が咲いた。皆も楽しそうだったなあ。

あれからおよそ2年。すっかり独り暮らしに慣れ、炊事、洗濯、掃除に料理をこなしながら、未だに家の整理を少しずつやっている。まだまだカミさんのものが沢山残っていて、この間もひょっこり結婚前の若い頃の写真を見つけた。中学生か高校生の時の写真も混じっていて。すごくモテたという妹の話を初めて聞かされたりして。先立たれるというのはつらいなと。