或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

Islay Airport

2010-06-25 06:00:17 | 860 英国紀行
アイラ島での2日目の朝、この島唯一のゴルフコースを訪問したのは前回の記事で紹介したけど、そのすぐ傍にあったのが写真のアイラ空港(Islay Airport)。空港はこの小さな島にひとつだけ。やけにちっぽけだった。今回は利用しなかったけど、当初はグラスゴー空港から空路でここに到着するプランを立てていた。だけど最終的には陸路に変更。今日はその検討過程の紹介。

空路の旅費は確か往復5千円から1万円。フライトの時間帯によってかなり大きな差があったような記憶がする。空路の場合の問題は島に着いてからの交通手段。島にはレンタカーがあるけど、どうも業者が少なくしかも古いクルマが多そう。それじゃ他はというと、バスがあるけど本数が極端に少ないし。となるとタクシーしか残らないのだけど、これもそんなには走っていないらしくて。つまり島の交通手段に頼ると何かしら不安がつきまとうということ。これはなんかまずいなと感じて。

それで次に検討したのが陸路。グラスゴー空港でレンタカーを借りてアイラ島の対岸にあるケナクレイグまでドライブする。そこでフェリーに乗ってアイラ島へ。それなら何時でも何処へでも自分のペースで思うままに移動できる。ネットを調べると、このルートは人気のドライビングルートでもあることが分かって。それを知ってからは陸路を本命に検討を進めたけど。

陸路のネックは費用。飛行機と比較してフェリーが意外に料金が高い。往復で1万3千円もしたから。レンタカーは逆に想定より安く1日5千円の4日間で約2万円。まあこれはコーポレートレートという裏ワザを使ったからか。ガソリン代がトータル1万2千円。つまり空路と比べて約4万円は高い。ただし空路では島での交通費は入っていない。これをどう見るか。

島でタクシーに乗りまくれば差はなくなる。でも旅行を終えてみてそんなことはどうでも良くて、やはり陸路を利用して良かったなと。スコットランドのドライブは最高だったし、アイラ島しかり。自分ってこんなに車の運転が好きだったっけと驚いたくらい。運転していて眠気なんて一度も襲ってこなかった。とにかく自由に行動できるのがいい。アイラ島へは絶対に陸路がオススメかな。

Machrie Hotel & Golf Links

2010-06-21 05:55:07 | 860 英国紀行
アイラ島での2日目の朝、有名な観光スポットであるキルダルトン・クロスを見学したことで島の南部がらみのイベントが全て終了したので、来た道を引き返し、ひたすら北上して次なる蒸留所を目指したと言いたいところだけど、途中ちょいと立ち寄ったのが、この島唯一のゴルフコースである「Machrie Hotel & Golf Links」。

最近5年間は止めていたとは言え、ゴルフ歴は20年以上と長く興味は持ち続けていて。TVでプロの試合の中継があれば、男子であれ女子であれ何気に見入ったりもしている。中でも興味深いのは世界のメジャートーナメント。特に英国オープンは、その伝統的なコースで一度はプレーしてみたいし、それが叶わないとしても、せめて見ておきたいと常々思っていた。

今年英国オープンの開催を予定されているのがゴルフ発祥の地として有名なセント・アンドリュース。いわゆる”リンクス(Links)”と呼ばれるシーサイドコースで、自然のままのラフと深いバンカーが印象的。セント・アンドリュースがグレートブリテン島の東側にあるのに対し、アイラ島は西側。緯度的には両者はほぼ同じ。そんなコースで”リンクス”の雰囲気を味わっておきたいなと。

側道に入り、羊が放牧されている平原を過ぎると白いクラブハウスが見えてきた。車を降りてまずビックリ。風が強い。歩いてクラブハウスの横を通り抜けると、そこには18番のグリーンが。感動したのはピンの旗の揺れ方。まさにTV中継でよく見る感じ。1番ティーに移ると、そこからはコース越しに海が一望できた。この雄大さはどうだ。なんかそのスケールに背筋がゾクゾクしたような。でも冷静になってみると、実際にプレーしたらボールを5、6個は簡単にロストするだろうなと思ったりもして。

話は変わるけど、石川遼くんが活躍していますね。カリフォルニアのぺブル・ビーチで開催されている全米オープン、雰囲気こそ違うけど、ここも典型的なシーサイドコース。ついアイラ島を思い出してしまって。それにしても遼くんはスゴイ。PGAのトーナメントの上位進出者として米国のTV放映で彼を見ることができるとは。次は全英オープンで彼の勇姿を見てみたいなあ。


Kildalton Cross

2010-06-17 05:47:11 | 860 英国紀行
アイラ島での2日目で最終日は快晴。前日は雨が降ったり止んだりで時折強い風が吹く、いわゆる典型的なスコットランドの気候で苦労した。そのため天気が良いうちにと出かけたのが、おそらくこの島の観光名所では最大の目玉であるケルトクロス。

実は昨晩方針変更をしていて、予定としては残り5つの蒸留所巡りだったけど、製造工程を見学するツアーに参加するとなると、どう考えても時間的に無理。既に本命の御三家は終了したし、それならシングルモルトフリークならば邪道だけど、ツアーには参加せず表敬訪問にとどめ、空いた時間をアイラ島観光に費やそうと。なんか軟弱さが改めて露呈した格好。

8時に朝食を済ませ島の南南東の端へ。もともとアイラ島はかつてケルト人の島。ローマ帝国ができる前にヨーロッパ大陸に住んでいた先住民。侵略によって英国北部とアイルランド、それとスペイン北部のガリシア地方などの西方に追われたけど、今でもケルト文化圏の名残がある。その象徴のひとつが彼らの十字架で、それがケルトクロス。数あるクロスの中でも有名なのが、アイラ島に残っているキルダルトン・クロス(Kildalton Cross)。9世紀ぐらいに建てられたとされている。

前日に訪問したアードベッグの蒸留所を過ぎると、もう人家がほとんどない狭い山道が続く。分け入っても分け入っても森の中って感じで少々怖くなったのは確か。行き過ぎかなと疑心暗鬼になった頃、道端に標識が。右手の丘の上に何やら建物が見える。側道に入って少し登ると、石造りの教会跡の周辺にある墓標の中で、ひときわ目立っていたのがケルトクロス。

石にこびりついた苔が長い歳月の経過を感じさせる。想像していたより大きい。しばしそこで佇んでいたかな。なんかこの島の原点に触れたような気がして気持ちが昂ぶったけど。その後も車で島を周っていると、何箇所かでスタンディングストーンと呼ばれる高い石の塔に出会った。これらは紀元前4世紀ぐらいの新石器時代に造られたらしい。帰りのフェリーの中でケルトクロスのキーホルダーを売っていたので記念にと購入。結局アイラ島の歴史に関わるお土産は、これひとつだったような。


Harbour Inn

2010-06-14 05:51:09 | 860 英国紀行
アイラ島での初日、3つの蒸留所ツアーを済ませた後は、泊まっているボウモアのロッホサイドホテルのすぐ傍にあるハーバー・イン(The Harbour Inn)で夕食を。空は雨模様だったけど、小走りで2、3分だったので傘をささなくてよかった。ここはロッホサイドホテルと同様に、B&Bだけどレストランもやっているという、この島のホテルでよくあるパターン。違うのは星の数。

玄関から入ると受付に人影がない。すぐ隣の豪華な部屋で待っていると若い男性の従業員が海に面した広い部屋に案内してくれた。他にはドイツから来たらしいグループ客が1組。内装といい調度品といい品がある。想像通りでこの島ではおそらくトップランク。メニューを見て前菜とメインを注文。前菜はワンパターンの牡蠣。それも生とグリルで3個ずつ。

アイラ島といえども牡蠣を生で食べさせてくれるレストランはそう多くないらしい。シャンパンのハーフボトルを飲みながら食べたのだけど、鮮度がイマイチなのか、来る途中に「Loch Fyne Oyster Bar」で食べたのよりサイズは大きかったものの味は落ちたかな。ちょっと贅沢を言いすぎか。クリームソースをかけて焼いたのは香ばしくてすこぶる美味しかったけど。

前菜を食べ終わった頃、隣りの部屋に移ってくれとのこと。おいおい、別に満席でもないのにどうしてと思いながらついていくと、そこがメインのダイニングルームだった。つまり今までいた部屋はウェイティングバーだったということ。その前にいたのがウェイティングルーム。驚いたのはその後。メインが貧相なシーバスだった。注文したのは豪華なロブスターのはずなのに。

そう言えば、少し前に従業員が何か謝りに来たのだけど訛りがひどくて聞き取れなかった。最初に注文していないスープが出てきたのが詫びの印だったのか。だけど代わりのシーバスの味は絶品。釣りをしているので魚の鮮度はすぐに分かる。窓辺の席だったので雰囲気も良かった。周りに客が数組いたけど、なにやらハイソな雰囲気。さすが4つ星。会計をすると70ポンドで約1万円。レシートを見ると食事はそうでもないのにワインが高価だった。ハーフなのに4千円近く。ちょっとチェックが甘かったなあ。


Laphroaig

2010-06-12 08:48:30 | 860 英国紀行
アイラ島での初日に訪問した最後の蒸留所がラフロイグ(Laphroaig)。知り合った日本人の新婚カップルとアードベッグのレストランで一緒に食事をしていたら、ツアーが2時の開始だということをすっかり忘れてしまっていた。慌てて店を飛び出したけど着いた時にはもう2時半を過ぎていた。受付にいた若い女の子に捜してもらい運よくキャッチアップはできたけど。

そこはピートを燃やす釜がある場所。見たかったフロアモルティングは既に終了していた。「うーん、なんてこった」と頭を抱えたけど後の祭り。気を取り直してついて回ったけど、ラフロイグを愛飲しているチャールズ皇太子が蒸留所を訪問した時の写真があったりして十分に楽しめた。ついでに倉庫では人目を盗み黙って樽の真新しい栓を1つ記念に拝借したりして。

この蒸留所を訪問するにあたっては他にはないお楽しみが3つ。それはWEBで登録した会員のみが授かれる特典。1つ目は蒸留所の見学証明書の発行。この時とばかりコピーしておいた会員データをマネージャーに見せると、彼は傍においてあるPCへ。そこで登録内容を確認して所定の用紙にサインしてくれた。たかが証明書、されど証明書。こういうのってたまらない。

2つ目が蒸留所の敷地にある土地の分譲。土地といっても数センチ四方ぐらいで、そこにミニチュアの国旗を建てるらしい。だけどそれらしきことをやっている雰囲気はなかった。何せ外は雨風がビュービュー状態。現実にはやろうとしても無理だったと思うけど。結局日本の国旗だけもらって帰った。ともあれラフロイグというのはマニア冥利につきる企画をしてくれるなあと。

そうそう3つ目を忘れていた。10年モノのカスクストレングスのミニチュアボトルの贈呈。これはいつも愛飲しているので、友人へのお土産にしたけど。そうそう、お土産といえばここで購入したのがぐい飲みグラスと18年モノのフルボトル。後者を見るのは初めてでレアものかと期待したけど、帰国して調べると昨年からオフィシャルに発売していた。ちょっと残念だったか。


シロギス

2010-06-09 06:15:51 | 400 釣り
この日曜日に、珍しくひとりで船釣りへ。ターゲットは今が旬のシロギス。先月から友人に一緒に行こうとモーションをかけてみたものの、この時期に他のイベントが集中しているみたいで誘いがない。瀬戸内海のキス釣りは5月ぐらいから本格化し6月がピーク。7月以降はだんだんとサイズ、数共に落ちていく。その意味ではベストの6月初旬を逃したくない。

土日は天気が良さそうと分かってからは、急にそわそわし始めて。結局知り合いがやっている遊魚船を数日前に予約。その時に本命がシロギスではなく真鯛であることを知って。しかも”鯛ラバ”と呼ばれる最近流行りの疑似餌釣り。本格的にやったことはないけど仕掛けは持っているのでまあいいかと。おそらくシロギスなら余りの時間でそこそこ釣れるはずだから。

それで前日の夜のこと、家族で夕食をとるために近所のレストランへ。いつものことで娘が運転手。カミさんと二人でスパークリングワインのボトルを空けて上機嫌で店を出たのだけど、すぐ傍には釣具屋があり立ち寄ってみた。売場をうろうろした後で鯛のコーナーへ。するとそこで見慣れない仕掛けを発見。”ひとつテンヤ”という大型の海老をつける小型のテンヤ。

酔っていたので気が大きくなっていたせいか、店員を呼びつけて「これ、何?」と聞いてみると、「昨年から流行し始めてますよ」と餌のつけ方等をいろいろと教えてくれて。結局テンヤを数個と冷凍エビを購入。驚いたのは翌日船に乗船してから。なんと他の客二人も”ひとつテンヤ”で釣るとのこと。いや、前夜に釣具屋に立ち寄っておいて良かったなと。

11時頃まで真鯛釣りをやり、他の客のひとりが真鯛1枚と大型のコブ鯛1枚をゲット。だけど自分を含めた二人はカサゴを数匹釣っただけ。でもまあ楽しかった。自分にとっては初めての体験だったから。その後シロギス釣りに移ったのだけど、釣果は20cm前後が約30匹。家族で食べるには十分な数。いつもながらに刺身、塩焼き、天ぷらと、存分に旬の魚の味を楽しんだかな。


Ardbeg

2010-06-05 12:03:55 | 860 英国紀行
アイラ島での初日に訪問した2番目の蒸留所はアードベッグ(Ardbeg)。ここを2番目にした理由は、ラガブーリンのすぐ近くだったということと、中にレストランがあり時間的に昼食を取るのに都合が良かったから。実は数あるシングルモルトの中でどれが一番好きかと聞かれると悩むけと、答えるとすればアードベッグかな。その特徴は、この酒が持つ独特のスモーキーさ。

その要因として原料であるモルト(麦芽)を乾燥させる時に炊くピートの香りの強さがあげられる。このピート香はフェノール値という含有率で定量的にその強さを測ることができるのだけど、ハイランドモルトの雄であるマッカランが1ppm、同じアイラ島にあるラガブーリンとラフロイグが35ppmに対してアードベッグは55ppm。なるほどね。だけど単にピート香が強いだけじゃないのがアードベッグの奥の深いところ。スモーキーな中に甘さも兼ね備えたその独特で複雑なフレーバーがたまらない。

それで蒸留所の見学ツアーだけど、案内してくれたのはアラフォーのオバさん。ラガヴーリンもそうだったな。彼女の話の中にしばしば出てきたのが蒸留所の歴史。これまで閉鎖や買収が幾度もあって、従業員が解雇され、アードベッグの伝統を守るのに苦労してきたとのこと。帰国して調べると、1794年の創業以来、1815年の再建、1959年の倒産、1973年の買収、1983年の生産中止、1989年の生産再開、1997年の買収、2006年の別会社による買収と、確かに波乱万丈そのものだった。

施設を周りながら気づいたのが、建物だけではなく機械等の内部の設備の塗装にまで徹底して使われていた、いわゆるアードベッググリーン。日本だと差し詰め”うぐいす色”か”こけ色”なのだろうけど、これだけこだわりがあると、工場としてではなく会社としての強いメッセージを感じる。それで「この色は創業時から使われているの?」と聞いてみると、「いや途中でオーナーが替わってから」とやや下を向いて答えてくれた。おそらく新しいオーナーのブランド戦略の一環なのだろうなと思ったけど。

12時から始まったツアーが終了してショップに併設されたレストランで遅めの昼食を取り、商品のディスプレイ等がモダンでセンスに溢れているのに感心しながらお土産を探していると、缶入りのピートを売っていたので即購入。なるほどね、アードベッグならではのグッズということか。マニアは喜ぶだろうなあ。ちなみにピートを売っていたのはこの蒸留所だけだった。


転職

2010-06-02 05:37:51 | 000 起業
このブログは、もともと中小企業診断士を始めとした資格受験に焦点を当ててスタートしたのだけど、今では音楽や絵画、釣り、それに加えて最近では旅行といった趣味の領域の記事がほとんど。まあ隠そうとしても隠し切れない”享楽的”な性格が災いしていて、それが自分の本性であるだけにやむなし、それでよしと諦めているし、もっと言えば開き直ってもいる。

だけど自分なりに一応のルールは設定していて、それはサラリーマンとしての本業について一切触れないこと。将来的な経営コンサルとしての独立に向けた話は資格取得の延長として取り上げているけど、これは現時点では本業ではない。触れない理由は単純で、業務上の情報漏洩の可能性があるので面倒だし、それ以上に記事にしても自分自身が楽しくないから。

ここまで前置きした後の今日の本題は転職。ズバリ言えば、これまで勤めていた会社を5月末に辞め、6月からは新しい会社へ移ることに。転職はこれで2度目。だけど前回はウン十年前なので記憶の遠い彼方。だから自分にとっては久しぶりに大きな節目だなあと。今思えば、さすがにこの数ヶ月はどうもやけにテンションが高くかつ不安定だったような気がする。

振り返れば、これまで勤めてきた慣れ親しんだ会社で定年を迎え、それまでの間に資格取得を含めて経営コンサルとしての開業準備を進めておくというというのが人生の将来シナリオだった。それを着実に実行してきたという自負もあったし、その意味では精神的に極めて健康だったかな。だから今回の誘いが来た時には少なからず動揺したし、かなり悩んだのは確か。結局、新しい仕事が自分の重要なキャリアになるし、将来経営コンサルをやる上で必ずプラスになるだろうと判断して決断。

それで昨日が入社の初日。案内された席には真新しい机、イス、ロッカー、それに電話とPCが。さらには名刺も用意されていて。こんなの初めて。これまでは職場が変わる度に自分の机やイスを持ち回っていたから。同じ会社の中だから当たり前か。それにしてもビルは新しいし、新たな旅立ちにはピッタリの環境。とても嬉しかったし、なんか晴々とした気持ちになったなあ。