或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

萩焼

2016-02-21 08:31:24 | 540 モノ
山口県萩市へのプチ旅行における目的のひとつが萩焼の窯元巡り。連れの友人に、「下関の宿が取れなくて萩にしたよ」と言うと、「それなら萩焼を見にいきたい」と言われて。「そうか」と、自分の心にムラムラと焼物への思いが膨らんで。これって、昨年のGWで九州の唐津と有田を訪問した時以来の感覚。ネットで見つけた窯元MAPの中から、いくつか狙いを定めて。

まず初日は、山口市にある「明善窯」。他はほとんどが萩市の周辺にあるのだけど、この窯だけは山口市に。写真にある焼物の風情が自分好みだったのが選んだ理由。細い山道をくねくねと登っていくと、奥まった所にひっそりと佇む感じの母屋が。なんとも鄙びた雰囲気が素晴らしかった。母屋は事務所兼店舗になっていて、靴を脱いで部屋に入るってところも素敵だった。

じっくり時間をかけて作品を見て周り、特に気に入った茶碗と湯呑を購入。自分で茶碗を買ったのは生まれて初めて。食事を節制したいので小ぶりなものにしたけど、とても気に入っている。後で包みを開くと、”大和佳太”という名刺が入っていた。これはこの窯の主人である大和潔の息子さん。自分が買った作品はおそらく彼の作品。とても清々しい気持ちで店を後にした。

2日目には、2軒程、萩市の窯元へ行ってみたのだけど、留守だったり、場所を間違えたりで、最後に訪れたのが萩市の中央に位置する「波多野指月窯」。美観地区にある店の周囲には旧家が並び、古くからの焼物の店も多く、とても雰囲気があった。そこでひょいと見つけたのが、波多野英生の湯呑。上の写真だけど、まさにひとめぼれ。見た目もだけど、手に馴染み虜になって。高価だったけど、ある理由で衝動買い。英生さんの奥様が丁寧に対応してくださり、抹茶もいただいたりして。

ある理由というのが、米人の女性ジャズヴォーカリストへのプレゼント。今年の1月に彼女からメールが来て、3月の来日公演を知って。この湯呑を見た時に、ふと彼女の顔が脳裏をかすめた。「これだよ、これ」、と自分のひらめきの素晴らしさに嬉しくなってしまって。そのことを伝えると、奥様が窯元と作者紹介文の英語版を下さった。なんか良い記念になりそうだなと。




宵待ちの宿 萩一輪

2016-02-20 16:45:29 | 600 グルメ
先週の土日は、別の友人と山陰へ。その前の週は鳥取でカニ三昧だったけど、先週はフグ三昧。今シーズンは牡蠣もしこたま食べているので、冬の味覚のグランドスラムってところ。フグと言えば下関が有名で、今回も下関近くの宿を予約しようとしたけど、ちょっと遅かったのと、土日だったので、目ぼしい宿が全て満室。ようやく見つけたのが同じ山口県にある萩市。

あいにく土曜日は雨で、山陽自動車道に入る頃は激しく降っていた。どうなることやらと心配していたけど、高速を降りて北上し、山口市に入る頃にはラッキーにも止んでくれて。せっかくだからと、江戸時代に地元大名の大内氏の別邸だった常栄寺にある雪舟庭、有名な瑠璃光寺の五重塔、最後にザビエル記念聖堂と、駆け足だったけど、山口観光を楽しんだ。

それから30分程度北上し目的地である萩市へ入り、その日の宿の「萩一輪」へ。ここも2年前の同じシーズンに泊まったことがあって。前回は平均的な部屋だったけど、今回たまたま空いていたのが最上級の”はぎ”の間。部屋は10畳だけど、貸切露天風呂がある広縁、シャワールーム、洗面台等、全てが広々とした造り。なんかとてもリッチな気分になれたなあ。

連れがアロマエステをしている間に自分は岩盤浴。すっかり温まった後は、お楽しみの”とらふぐ懐石”。刺身、唐揚げ、ちり鍋といったふぐ料理の定番メニューに、地元牛肉のステーキ等、地酒の飲み比べなんかもあって大満足。サプライズは、連れが2日早いバースデーケーキを最後に準備してくれていたこと。酔っ払っていてよく憶えていないのが冴えないけど。

翌朝は萩観光へ。まずは吉田松陰ゆかりの松陰神社へ。小さくて素朴な造りの松下村塾から明治維新の中心人物が多数輩出されたと思うと、なんか歴史のロマンを感じたなあ。その後は連れの強い要望で秋芳洞と秋吉台へ。小学校の頃の遠足以来じゃないかというぐらい久しぶり。土産物通りがやけに寂れていて驚いたけど。ということで盛り沢山の1泊2日だった。








海色 湯の宿 松月

2016-02-07 15:22:50 | 600 グルメ
この金土は、友人と2人で山陰へ。「カニを食べたい」をいうリクエストがあり、それならこの時期ならではの、山陰の松葉ガニを食べるべきだと思い立って。実は昨年末も別の友人と松江にある宍道湖温泉の宿で”カニづくし”を食べたのだけど、正直なところ期待に反してガッカリきていた。あまりにも素材が悪すぎて。それで今シーズン中にはリベンジしたいと思っていた。

今回の目的地は、鳥取県の皆生温泉。経路としては、中国自動車道を北上し、三次ICを過ぎた所で松江道へ入り北上するというルートなのだけど、この時期に心配なのが雪。幸いこのところ積もってはいなかったけど、天気予報では週末にかけて山間部で雪が降るということで、ちょっと心配になっていた。ということでスタッドレスを履かせた愛車ロードスターでいざ出発。

幸い良い天気に恵まれて、スムーズに松江に到着。島根県立美術館へ立ち寄った後、中海の北岸沿いに車を走らせ、夕方5時前に、その日の宿である「松月」へ到着。ここには懐かしい想い出があって。約15年前、ちょうどこの時期に泊まったことがあって。貸切露天風呂は、いまでは当たり前だけど、当時はまだまだ珍しくて。その意味では草分け的な存在だった。

チェックインを済ませた後は、とりあえず最上階にある大浴場の露天風呂へ。その後がお待ちかねの夕食。事前に頼んでおいたのが”かにづくしプラン”。かなりお高かったけど、リベンジということで奮発して。料理は期待どおり最高。すっかり満足した後は1Fの貸切露天の樽風呂でゆったり。翌朝は部屋付露天風呂で日本海を眺めながらのんびり。まさに贅沢三昧。

その後、山陰独特のめまぐるしく変わる天気の中、友人のリクエストで水木しげるロードへ。妖怪神社、水木しげる記念館と周った後は、いつも立ち寄る千代むすび酒造の直営店で純米酒を購入し、最後に境港水産物直売センターで、のどぐろの干物を買い込んで。連れの友人もとても喜んでくれた。この時期の山陰は最高。なんかねえ、これはもう冬の恒例行事になりそう。