或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

梅乃寿司

2015-08-24 05:25:22 | 600 グルメ
風と寒さに耐えながら、なんとか函館の夜景を楽しんだ後は、お待ちかねのグルメ。旅行前の美味しいもの好きの友人との話題は、どこを観光するかではなく、どこで何を食べるか。それで函館と言えば海の幸で間違いないのだけど、迷ったのはどの店にするか。それでいろいろとサーチした結果で選んだのが、市街地から少し離れた場所にある「梅乃寿司」。

ミシュランガイドにも掲載された有名店で、自分的にはネットで写真をチェックした時に、シャリが小さめなところが気に入った。最初は18時半に予約をしていたのだけど、夜景のベストタイムが19時だということを知って20時からに変更してもらって。ラストオーダーが21時半と釘をさされていたのでちょっと不安だったけど、なんとか予定通りに滑り込んだって感じ。

面白かったのが、函館山のロープウェイ乗場から利用したタクシーの運転手。話好きで、なんだかんだと函館の最新情報を提供してくれて。「梅乃寿司へ行ってくれ」と頼むと、「お客さん、広島から来たんだよね、何で知ってるの?地元じゃ有名だけど」という返事が。それからは聞いてもいないのに、函館にある寿司屋の話をいろいろしてくれて。そうこうするうちに店へ到着。

店内へ入ると予約していたカウンター席へ。先客は自分達と同じようなカップルが3組。元気の良い板前さんのお勧めに従い、とりあえず旬の食材を使って刺身を造ってもらうことに。出てくるもの全てが新鮮で美味しい。圧巻はスルメイカ。弾力があって、その歯ごたえは絶品だった。その後で旬のネタを使った”おまかせ握り”を。酔いもまわり十二分に堪能して店を出たかな。

ラッキーだったのがその後。来る時に利用したタクシーの運転手が、「電話をしてくれたら迎えに来るよ」と降り際に名刺をくれていて。「できたら金森倉庫とか、夜景スポットを周ってくれない?」と頼んだら、喜んで引き受けてくれた。それからは、プチ観光タクシーに早変わり。親切に各スポットで解説をしてくれて。ほんのつかの間だったけど、函館の夜を楽しめた。


函館

2015-08-23 05:21:39 | 800 観光
今年の夏休みは、花火大会を挟んで日本の北と南へ。まさに旅行三昧。前半は北海道へ。予約したのがGWだから旅行の3ヶ月以上も前。友人と話をしていたら、たまたま北海道の話になって、夏にでも行こうかということに。まだまだ先だからと思いつつも、ネットで広島空港発のフライトの空席状況を確認したら、けっこう埋まっていたので少し慌てたかな。

それでとりあえず往復のチケットを仮予約。それから2週間ぐらい経って決済を。本当に行けるかのかどうか不安だったけど、まあいいかと。だけどそれからというもの、とても楽しみにしながら放ったらかしで、友人が旅行ガイドを出発の前に2冊買ってきてからようやくテンションが上がり始めたかな。台風の影響が心配されたけど、なんとか無事に8月8日に広島を出発。

北海道は久しぶり。仕事で旭川へ出張したのが最後だから10年振り以上。特に夏は初めて。TVのニュース等で北海道も暑いとの情報があったので、とりたてて重ね着等の準備もしなかった。JAL3403便で昼過ぎに新千歳空港へ到着。とりあえず腹ごしらえをと、事前にサーチしていた空港内のラーメン道場へ。そこで函館に本店がある「あじさい」定番の塩ラーメンを満喫。

昼食後にレンタカーのオフィスへ移動したのだけど、曇っていたせいか想定していた程は暑くなくて。というか道央高速のPAでは少し寒かったりもして。3時間以上かけて最初の目的地である函館へ到着。ホテルのチェックインを早々と済ませた後で、すぐさま函館山ロープウェイ乗場へ直行。お目当ては、有名な函館の夜景。これだけは絶対に外さないよう決めていた。

夕方6時前いうのに観光客の多いこと。特にアジア系の外国人が多かった。展望台に着くと、さらに風が強く寒くて、ホント参った。連れの彼女と二人とも長袖だったのでまだ救われたけど。そんな落ち込んだ気分も、7時を過ぎて夜景タイムになると徐々に回復してきて。思い焦がれた函館の夜景が眼前に広がって。群青色の空と灯りのコントラストが素晴らしかったなあ。

鞆の浦

2015-08-17 05:15:19 | 890 広島
先々週の日曜日に友人と二人で広島県福山市にある鞆の浦へ。ここは昔からの観光名所。なのに、これまで一度も行ったことがなくて。日帰りだけど、海辺で温泉に入りたいという友人のリクエストがあった時、真っ先にここが脳裏に浮かび、すかさず予約。というのも世の子供達が夏休みなので、宿が混雑し、予約がなかなか思うように取れないというのが8月だから。

今回利用したのが鞆の浦温泉「ホテル鴎風亭」。部屋食をゆっくり楽しめ、館内の温泉も利用できるから。その日の朝10時過ぎに広島を出発。それからおよそ1時間、スマホのナビでは福山西ICで下車という指示だったけど、話に夢中になっていて通り過ごしてしまった。位置的にはもうひとつ先の方が近いという勘から、そのまま進んで福山東ICで降りたけど、これが大正解。

ICからほぼ直線で南下すると、東から鞆の浦へ入る形で、ラッキーにもホテルがすぐだった。中へ入ると、想像した程は大きくなくて、小ぶりなリゾートホテルという印象。ロビーのすぐ奥のデッキがバーベキュー会場で、これじゃ周囲から丸見えじゃんと、フツーの部屋食にしておいて良かったなと。案内されたのが4Fの海側の1室。広々としており窓からの展望が最高だった。

その時に連れの彼女が撮ったのが上の写真。鳶が飛んでいると喜んでいたけど、まさかここまで素晴らしいとは。古いけど、チック・コリアが率いるリターン・トゥ・フォーエバーのデビューアルバムのジャケットを思い出したっけ。想像以上に美味しかった和洋折衷懐石を堪能した後で、3Fにある温泉へ。瀬戸内海と仙酔島を眺めながらの露天風呂は、まさに”まったり”気分。

湯上り後に、鞆の浦の観光名所を散策。強い日差しの中、古く鄙びた街を二人でゆっくりと歩き、和風カフェに入りカキ氷を食べたりして。正直言って、泊まってまで見物する程のものはなく、観光地として整備されている訳でもないので、尾道と比べると見劣りするけど、日帰りとか旅行の途中で立ち寄るには良いのかなと。自分達二人は、十分に満足したような。



リターン・トゥ・フォーエヴァーリターン・トゥ・フォーエヴァー

八海山

2015-08-16 05:47:23 | 800 観光
南魚沼へのプチ旅行の最後は、山登りの話。ちょっと話は逸れるけど、自分が全く間違っていたと恥ずかしくなったのが地図上の地点についての認識。今回訪問した小千谷、魚沼、南魚沼、六日市、十日市等は、長岡から西にあるとばかり思い込んでいたけど、これが南だった。特に魚沼や南魚沼が、上越新幹線の東側に位置していると分かった時には驚いた。

出張では上越新幹線を利用しているのだけど、冬場は湯沢温泉、浦佐と豪雪地帯を抜けて長岡へ着くというのがいつものパターン。この両駅を結んだ線の、東側が南魚沼で、西側が十日町、もっと言えば、浦佐駅の北側が魚沼で、南側が南魚沼。それで今回の山登りのターゲットは南魚沼にある八海山。自分にとっては新潟で最も有名な日本酒の銘柄って感じだけど。

のどかな南魚沼の稲作地帯の外れで、けっこう勾配のある道を進むとロープウェイ乗場があった。平日の夕方だったので客もまばら。ロープウェイに乗り込むと若い女性のガイドさんがいたので、暇つぶしにいろいろ質問を。これが良かった。八海山の名前の由来について丁寧に説明してくれて。帰りは登山の下山客で満員になったので質問どころではなかった。

八海山というのは、8つの岳の総称。 具体的には薬師岳と最高峰である入道岳(1778m)に挟まれた”八ツ峰”と呼ばれる岩峰群で、北側から ”地蔵岳”, ”不動岳”, ”七曜岳”, ”白河岳”, ”釈迦岳”, ”摩利支岳”,”剣ヶ峰”, ”大日岳”。ロープウェイは薬師岳の4合目まで。展望台があったので行ってみたけど、白いモヤに包まれて周囲がまるで見えなかったのは残念だった。

2009年に放送されたNHK大河ドラマ『天地人』の冒頭では、俳優の妻夫木聡が演じる主人公の直江兼続が、八海山の山頂に立っているシーンが使われたとか。帰りに、これまたガイドさんから八海山酒造が麓にあると聞いて現地へ。時間がなかったので外をぐるりと見て周っただけだけど。なんか新潟を代表する山と酒の聖地を巡礼したという満足感で気分は上々だったかな。


西脇順三郎

2015-08-15 07:01:37 | 010 書籍
南魚沼に向かう途中で立ち寄ったのが小千谷。5年前に仕事で一度訪れたことがあり、その際は時間がなくて何もできなかったけど、いつか機会があればと思っていた。理由は、ここが有名な”へぎそば”発祥の地であり、人気店である「須坂屋」へ行ってみたかったから。なんて言いながら、実は詩人である西脇順三郎の生家があるから。

正直な話が、昔から詩は苦手。日本語を喋ることや書くことについては、仕事で常に向かい合っているし、大事だと考えているけど、それを離れて自分の思いを表現する手段としての日本語は、なんというか、恥ずかしさが先に立つって感じ。音楽や絵画の方が、より直接的に感情を表現できるし、相手にも伝わりやすいような気がして。その意味ではシャイなんでしょうね。

西脇に興味を持ったのは、彼が1894年生まれで、詩の世界において、当時の前衛芸術であるシュルレアリスムの日本における先駆者だったから。彼は欧米の語学に精通し、詩人だけではなく文学者としても名を成し、慶応大学文学部の教授として世の中の表舞台を歩き続けた。1964年には小千谷市の名誉市民に。ノーベル文学賞の候補にも数回ノミネートされたらしい。

まず訪れたのが市内のど真ん中にある西脇家の母屋。父が小千谷銀行の頭主だったらしく、いわゆる金持ちのお坊ちゃま。お城かと思うぐらい広大な敷地に歴史を感じさせる建物が今も残っていた。その次に、彼の詩碑が立っている山本山の山頂へ。眼下に市街を見下ろせる場所で、緑に囲まれ、なんとものどかな雰囲気が漂っていて、とても清々しい気持ちになった。

最後は市内に戻り、「西脇順三郎記念館」へ。市立図書館の中に設置されていて、入ると案内があったので、それを見て3Fへ。するとフロアは真っ暗。しばらくすると2Fから係りの女性が来てくれて照明とエアコンを入れてくれた。記帳する時に分かったけど、およそ月に1組程度だったかな、来訪者の数が。だからなんだ。サプライズは最も広い部屋に展示されていた絵画。彼と元妻であった英国人マージョリ・ビドルの作品がずらりと。マティスの影響を受けた彼女の絵が自分にとってはサプライズ。実に素晴らしかった。彼女とは8年で別れたらしいけど。帰り道で、詩碑の裏面に書かれていた彼の代表作である「旅人かへらず」の最終章を思い出した。「永劫の根に触れ 心の鶉の鳴く ......... 幻影の人は去る 永劫の旅人は帰らず」。



Ambarvalia/旅人かへらずAmbarvalia/旅人かへらず

コシヒカリ

2015-08-04 06:34:33 | 600 グルメ
今週の水曜日に南魚沼を訪れた理由のひとつがコシヒカリ。話はずっと昔に遡るけど、亡くなったカミさんが気に入っていたのが魚沼産コシヒカリ。あまり食材にこだわらない人と思っていたけど、米は別。少し遠いスーパーにわざわざ買いにいっていた。もちろん自分が後でクルマまで運ぶ係。だからかな、いつかコシヒカリの産地を尋ねてみたいという気持ちが芽生えていた。

とは言え、特にどうのこうのではなく、食事で美味しいコシヒカリを食べたい、ただそれだけだった。ところがひょんなことからメモリアルな出来事が。八海山見物を終えて宿へ向かう途中、たまたま路肩に立っている看板が目に入って。“魚沼産コシヒカリ発祥の地”とかなんとか。すぐに看板がある場所へ戻り、矢印の方向へ向かったもののそれらしきものが見つからない。

そんな時に頼りになるのがスマホ。検索するとすぐに関連情報をキャッチ。地図で確かめると線路のすぐ傍にあることが分かって。それから少々試行錯誤しながらも、田んぼのすぐ横にある石碑を発見。こういってはなんだけど、周囲はフツーの田んぼで囲まれていて記念碑といったオーラはみじんも感じさせなかった。だけど自分的にはやけに興奮したような気がする。

石碑の横の副碑に由来が。コシヒカリは,1944年に新潟県の農業試験場で,当時最も普及していた“農林1号”に“農林22号”を交配して作られた。戦後“越南17号”の名称を与えられて、石碑が立っている大巻村で試験栽培が行われ 味の良さが高く評価され,新潟県奨励品に採用された。“越の国の光り輝く米”という意味を込めて「コシヒカリ」の愛称がつけられたと。

なんかねえ、自分がコシヒカリの聖地に立っていることに妙に感動したかな。調べると“魚沼産コシヒカリ”と呼ぶのは、小千谷、長岡、魚沼、南魚沼、十日町、湯沢町、津南町の5市2町で生産されたもの。意外に広い範囲なんだなと。面白かったのが、翌日の夜、長岡の行きつけのジャズカフェで、たまたま南魚沼出身の綺麗系の若い女性に出会って。彼女曰く、“魚沼産コシヒカリ”と呼ぶべきは南魚沼しかも塩沢産だけなんだとか。なんか、よく分からない中にもそうだろうなと納得したりして。


いろりあん

2015-08-01 07:47:02 | 800 観光
今週は火曜日から木曜日まで新潟県長岡市へ出張。いつもは朝から夕方までびっしりスケジュールを入れるのだけど、今回は火曜日と木曜日に大事な打ち合わせが午後からあるだけで、水曜日は午前中に1本だけ。どうせ泊まるなら、たまには温泉にでもつかってゆっくりできないかなと出張する度に思っていて。そんなところにたまたまチャンスが巡ってきたって感じ。

とりあえず“じゃらん”でサーチしてみると、新潟県も東西南北いろいろ温泉があることが分かって。なにせ一人なので立派なホテルとかは気が引け、こじんまりした宿にしたいなと。ターゲットとして定めたのが南魚沼の温泉宿。ここだと、別の記事にする予定の小千谷と同じ方角なので、そこのプチ観光の後の宿としてはちょうど良いかなと。それからさらに宿の絞り込みを。

決めたのが“こころころりん山の温泉宿「いろりあん」”。だけど火曜日にいざ予約しようとすると、前日には予約できないシステムになっていた。しまったと思ったけど後の祭り。仕方なく旅館へ直接TELすると、1泊2食付きで1万1千円とのこと。ネットだと9 千円だったよなと、ちょっと悔しかったような。まあ十分にリーズナブルだけど。この時点では土地勘がまるでなかった。

当日16時過ぎに宿へ到着。玄関に夏休みの子供狙いの看板が立ててあった。カブトムシ等の昆虫採集やホタル見物等、夏山にふさわしいキャンペーンが。部屋はシンプルな12畳の和室で洗面台とトイレ付き。露天風呂を楽しもうとすぐに1Fへ。浴室へ入ると、なんと客は自分だけ。緑に囲まれた野山を眺めながらの温泉は心身共にリラックスできて最高だった。

その後がお待ちかねの夕食。他に客が4、5組いたけど、登山客のグループや若い女性3人組等々。料理は山菜が中心で、お造り、岩魚の塩焼き、しゃぶしゃぶ等が折り込まれて。地ビールの後は、5種類の利き酒を注文。すっかりほろ酔い加減になった後で、再び露天風呂へ。翌日もコシヒカリを釜で炊いたご飯が美味しかった朝食の前後に。いずれも客は自分だけで完全な貸し切り状態。なんか贅沢だったなあ。ということで、ちょっと思考を凝らせば出張をもっと楽しめると実感したかな。