釣り糸を垂らせば夏のものがたり
今朝は二時頃トイレに起きると、かなり激しい雨でしたので、これは早朝歩行が出来ないだろうと決めつけて、ゆっくり布団に入る。気がつくと午前五時を回っていた。窓を開けると、こらはしまった、すっかり雨が上がり朝の涼しい風が吹く心地よい朝となっていた。こんな遅くなった日は、歩く頻度を変えようとコースを変え、珍しく車を走らせ、市民公園へ行く。公園内の針湖池の冷たい池風が頬を打った。何時もは、街中のコンクリートの上を歩くのですが、写真のように、手入れの行き整った絨毯を敷しめたような土草の上を歩くのは、少し左足が不自由の私には歩きにくいと思いましたが、そのうちに慣れ、足に土の感触が伝わり快適な歩行運動となる。
六時少し回っていましたか、池の片隅に釣り糸垂らせている釣人を目にする。そこでコースから少し離れ池の端により、「おはよううございます」と挨拶を交わす、「何釣っているんですか」と訪ねると、釣人は「ブルーギル」ですよと言う。釣った数十匹の魚が水槽に泳いでいたので、釣の経験のない私は、初めて目にする魚だった。多分外来魚だと思い「外来種ですよね」リリースしないんですかと訪ねると、外来種は増えると鯉や鮒の在来魚の成長に影響があるのでリリースしてはいけないんですよ、家へ持ち帰って畑の肥やしでもと思いますと言う。知らないとはそんなもんだ、そこで私はすかさず、ここでヘラを釣っている人を良く見かけますが、ほとんどの方は「リリース」しておいでですよと質問風に聞くと、釣り人は、今、この池をヘラの名所したいらしく、今年この地区の漁業組合が十数万円掛けてヘラの稚魚を放流したんですよと言う。同じ外来魚でも、反対行動ですねと、話題を広げると、釣人はこの池は大きな鯉が沢山いて逆にヘラが負けてしまうらしいですよと笑っておられた。
せいっかく教えていただいた魚の名前「ブルーギル」を忘れてはならいと思い、早速、車に戻りメモ用紙と書く物を捜しましたが、何時もは車に俳句手帳とペンを入れておくのですが、今日に限って無かった。このごろ、記憶力が薄れている私ですので、何回となく「ブルーギル」「ブルーギル」と叫び頭に入れ、これで忘れたら仕方無いと諦めた。今朝は毎日歩く距離の半分にも満た無かったですが、時間でしたので帰宅に途についた。早速外来魚の名前を検索しようとPCの前に座ると「ブルーギル」を覚えていた、嬉しかった。こんな小さなことに「一喜一憂」や「喜怒哀楽」することが、このごろの私である。
ネットで検索すると次のようにあった。「ブルーギル」は北アメリカ原産の淡水魚だが、日本でも分布を広げた外来種である。食味は淡泊でしまりはないが軟らかく美味しい。原産地の北米では大型のものが釣れ、体が丸くフライパンにすっぽりと収まり、バター焼きなどに適することから食べられている。日本料理の板前は「ブルーギルの味はタイそっくりの上品な味」と表現していた。しかしながら日本ではあまり食用とはされていない。理由として早期に捕獲するため大型にならず身が薄い一方、骨が多く調理や食べる際に手間がかかる点、また腸の内容物の量が多く、悪臭の強い内容物が身に付着してしまうと風味を損ねるため、小さい個体は食材としては調理しにくいといった点が挙げられる。しばらく養殖して大きく成長させると食材としての価値は高まると考えられる。滋賀県では琵琶湖のブルーギルをビワコブナという名称で鮒寿の材料であるニゴロブナの代用魚として利用したり、揚げ物などの材料としたものが作られており、県のサイトでも調理方法を公開している。また大型の個体を食用に供する釣客もいる。事実、滋賀県農政水産部水産課が発行している「遊漁の手帖」では「大型のものは造りや塩焼きにして食べる」と、生食も含めた食用利用にも適していることが明記されている。
「ブルーギル」の写真はネットより