【Special Thanks ! Photo by chako】
1週間が経ってしまったけど、書いておかないとならないレースレポ。
▇ SWIM(3.8km)1:22:20・355位
3年前の悪夢を振り払うべく、誠実に泳ぎと向き合ってきたし、アップも十分にしてスタートを待つ。変な緊張感は実力以上のことを期待するからだ。そのことをスタート前に確認出来て良かった。
今年はスイムでの死亡事故が多発していたせいか、スイムコースはさらに変更。後で考えるとレスキューが監視しやすいように泳路が狭くなっていたようだ。浜から遠浅の海を100m進んだ地点よりスタート。一番左側から出た。
泳ぎ出しのバトルモドキはやっぱり余計だ。今回は始まってすぐに右目にパンチを喰らいゴーグルがずれてしまい、立ち泳ぎをして直す始末。それからはとにかく重なるところを避けるように泳ぐ。蛇行しながらの無駄な泳ぎになるけどこの際仕方ない。3年前と同じスイムリタイアはあってはならない!
沖に向かって900m。大きな黄色のブイを回って岸と平行に150m。さらに右ターンして浜に向かう。割とあっさりと進んでいた。しかし、いつまでも選手同士が重なりなかなか泳ぎに集中できないまま、一度浜に上がり2周目に入る。
ここからスパート!
のつもりがいきなり右手首に鋭い痛み。続いて左上唇、右目上、左の頚すじ、、、。クラゲだよ。
そう言えば水温が高くなる9月の佐渡ではいつもやられていたっけ。
気を取り直してガツガツ泳ぐ。が、密集地帯を避けていると泳路左のサーフボードに乗った係員にもっと中へと促される。ヘッドアップして進路確認すれば右手にすぐにブイもある。泳路が狭いのだ。沖で第1ブイを回ったあたりからはようやく自分の泳ぎに集中できるようになった。泳ぎもたぶん安定している。何もかも楽でこのままならどこまでも、いつまでも泳げそうな雰囲気だ。スイミングハイ?
そうして酔いしれながら泳いでいたら、突然鼻と口のあたりにキックを喰らった。鼻血か?いやセーフ。こんなところでバトルか。ゴールまで一直線で行きたいが、一人で泳ぎたいので少し軌道修正。
浜に上がる。1時間20分を越えてしまっていたけど、ま、これは仕方ないな。もっと前から強気にスタートしてもよかったな、とは後の祭り。
▇ BIKE(190km)7:04:12・294位 BIKE終了時293位
天候が怪しい。また雨のバイクになるのか。気持ちよくスタートした海岸沿いの直線道路、なんかコツンコツンと音がしないか?後輪のマグネットが当たっていた。いったん下りて直して再スタート。今度はメーターが動いていない。この所どうも調子がよろしくない。もう、見捨てた!今日はメーターなしで行くぞ。
そう腹をくくって回す。足の回転は悪くない。
20km過ぎたあたりの緩い上り。後ろから横に並んできた若者は同じP3。思わず目が合って挨拶を交わす。すぐ後ろにも同じバイクの若者がいて3台の同じP3が揃い踏み!
その後は回るに任せて気持ちよく風を切る。30kmの表示付近で突然メーター復活。何とも気まぐれ。
ずっと海沿いを行く前半のコースも本当に心地よい。調子も悪くない。
大佐渡が近づき前半の大登り、通称「Z坂」がやってくる。上り坂では面白いように順位が上がる。調子に乗って一気に駆け上がる。その後に続く雄大な景色をバックに上り順調。
下りは慎重に慎重に。やがて南下が始まる。島の反対側に回って来た。ちょっと頭痛。ちょっと気持ち悪し。すっきりしなくなってきた。ただ食欲はあるから大丈夫だろう。
90km地点通過。ってまだ半分に満たない。100kmも残っているのかとややげんなり。
105km、両津の街ではバスで先回りした妻が応援してくれている。
元気に通過したけど、勢いは確実に落ちて来ている。アベレージが上がらない。平地でゴンゴン抜かれ出す。雨も降ってきた。さらに悪いことに眠気がやって来ている。なんだなんだ、五島長崎の時の再現になってしまうのか。一気に不安が広がる。雨足はどんどん強くなってきて特製シールドに突き刺さるよう。140km辺りでトイレに寄る。気分を変えなければ。
用を足して再びまたがろうとした所へ、トイレに来たのは同じカテゴリーナンバーの選手。ハッ、これはまずい。欲をかかないといいつつ、気にはしている(欲かいてるね)。一気にスピードアップ。だけど、前半に抜いてきていた髭の同じカテゴリーの選手にサーッと先行される。ここでバチッと目が覚めた。
かなり乗り込んでいることはライディングフォームでわかる。せめて視界に入る位置で喰らい付いておこう。
そして、160km過ぎ。いよいよ後半の山場・小木の坂に入る。上り坂は稼ぎ所。二つ目の上りで先ほどの髭の選手(Wさん)に追いつき先行させてもらう。が、またまた追いつかれて抜き返される。関西イントネーションで「60でっかぁ」と。マークされてるんだ、やっぱりね。
その後は後ろ姿をずっと追うことになる。
それでも今回の収穫はすっかりだれてしまった区間があったにも関わらず、ズルズルと落ち込まず、140km以降ゴールまでは非常にいい感触で走り続けられたこと。
平地での巡航速度の維持。課題はここだな。
かろうじて6時間台のタイムでバイクゴール(トランジットタイム含めると7時間をオーバー。設定タイムも大幅オーバー)。せっかく昨年新調してもらったバイクの威力はとうとう見せられず。来シーズンへの持ち越しだ。
▇ RUN(42.2km)3:55:23・67位
髭の選手より少し遅れてバイクゴール。トランジットエリアで一緒になる。あわてずしっかりシューズの紐を結ぶ。さぁ、ここからが大勝負だ。190kmバイクの後のラン、まだとてもじゃないが自信は持てない。でも今の自分の力を出すことだけ。
そういう練習をしていないのに、最近のバイク→ランの移行は実にスムースだ。ここまで来たらたぶん安心なので行くぞ。
60〜70歳台ゼッケンのトランジットエリアにあったバイクはほんの数台。とにかくしっかり前を向いて順位を上げていくのだ。1kmほどで髭の選手をゲット。
60歳を迎えて最初のレース、そして今シーズン一気に4大大会全走破のメインイベントというメモリアル大会。帰ったらすぐに子ども達がプレゼントしてくれたディナークルーズも待っている。へたな結果で終えるわけには行かないのだ。回して貰えたチャンスは確実にゲットしなければ申し訳ない。
スイムスタート前には欲は余計な緊張を呼んでしまう魔物だったけれど、地に足がついている今はもう大丈夫。思いっきり欲をかいて勝負に出る。五島長崎のラン序盤に唱えた時と同じように、今日これからオレは走る、思いっきり走り切る、必ずエイジ1位を獲る!そう、しっかりと口に出しながら走った。
キロ4分半のスタートは速過ぎる。間違いないのだけどスピードを落とすことが出来ない感覚でどんどん体は前へ前へと進む。ようやく4分45秒〜50秒程に落ち着かせてピッチを刻む。一人同じエイジの選手をかわす(その時は気づかなかったけど、昔よく顔を合わせていた知り合いだったよう)。
前から同エイジの選手が淡々と走ってきた。まだかなりの差がある。しかし、自分のペースは超快調。折り返して、まだかまだかと前をひたすらに追う。
そして16〜7km付近。ついに捉え一気に抜き去る(昔からよくお名前は拝見していた強豪選手でした)。恐らくこれでトップに立てたはず。
一つ上のエイジで前にいた選手も抜いたはずなので、PAK(Personal Age King 注:リザルトを上から見ていくと自分より年長者がいない。つまり自分が一番年上だということの造語)もゲットだよ、たぶん。
1周目はエイドも立ち止まらずに走り切った。きちんとタイムをとっていなかったけどフル3時間半を楽に切れるペースで進んでいることだけは確か。
妻達の応援の声で2周目も元気に走り出せた。このまま全部行けるとは思えないが、大きく崩れることもないだろうという根拠のない自信が湧いている。
でもね、問題は気持ちのダレ。折り返しへ向かう選手をチェックしてエイジトップにいることを確信出来てしまうと一気に安心。
相変わらず抜く一方で感覚的には前半と同じなのだけど、時々ガーミンのペースをチェックするとぐんと落ちて来ている。あわてて上げる。また落ちる、また上げる、、、その繰り返し。でもパワーダウンしていることは明らかだ。
ちょっとハンガーノック気味になり慌てて補給。
4分台で走っていた1周目から5分→5分15秒→5分半・・・さらに6分台へ突入。まずいぞ。自分で自分に鞭打つ。タイムも重要なのだ。
最後の折り返し、残り10km。行くぞ。またピッチが戻ってきた。しかし足が痛いぞ、膝が痛いぞ。ちょっと限界に近づいている時のダミー痛だってことはわかるので無視。
いったん止みそうになっていた雨は、またまた強くなってきた。風も吹き、スピードが落ちるとかなり冷えてしまいそうだ。
残り1.5km付近、チームゴーヤを率いる千葉さんの声援を受けた所で一気にラストスパート。ペースが4分台に戻る。最後にこれだけ走れるなら、途中もう少しスピードを維持出来ないものかなぁ。
商店街を抜け、最後の角を曲がる。
妻達が盛大に迎えてくれる。ラストのレッドカーペット(?)に突入。最後の直線30m。妻の手を取り、一緒に今シーズン4度目のゴールに向かう。
目標タイムには及ばなかったものの、現状ベストのレースは出来た。無事に4大大会制覇の「勝手に年間グランドスラム」達成の瞬間だぜ。最後は思いっきり吠えてやった。ぎゃお〜ん!
▇ ゴールタイム 12:21:55・総合138位(60〜64歳 1位)