二日目の夕刻にはもう那覇に戻っていて、夕飯は国際通りとビジネスホテルから這い出していたのだが、どこでも都会はやっぱりあかん。さて午後はもうフライトという最終日の目玉は首里城。といってもここに至ってまだ沖縄のイロハなぞひたすらご存じない。とにかくナビに所在地を打ち込んで混雑する道路に分け入って行くと、この道行きが滅法面白い。絞めは本道と外れた住宅街を抜ける道をひたすら登りゆく、あの楽しさはハンドルを握ってないと判らんね。着いた所は映画にでも出てきそうな地下の巨大駐車場。ド田舎から出てきた観光客はピントずれまくりの感想を抱きつつ、巨大迷路(首里城のこと)をあっちこっちと連れまわされたワケだが、やはりこの沖縄にあって戦争の影を見過ごすことは出来なかった。いまも執念の復元が延々続く大遺跡、それはいつまでもこの地の人々とともに愚かな人類の行為を糾弾し続けることでしょう。(折りしもこの日、悪名高い安保法案は衆院を通過した。)さてここまでうまく運んだら少し時間が浮いてしまった、そこで沖縄市の博物館を訪問することにした。地理や文化を辿っていけば、やっぱりここも戦争にぶち当たる。沖縄の民族楽器といえば三線(さんしん)が有名だが、そこに展示されたひと棹はなんとブリキ缶のボディ。ナショナル・ギターの三線版なのだった。そんで付近を通りかかるとセンサーが作動し、あっけらかんと悲しい唄がとつとつとした伴奏に流れ出す。流石にその場を立ち去れなかったことであるよ。 その後はレンタカーを所定の場所に返し、ほぼ隣接の那覇空港から遅めのフライト(近畿方面の発着は台風の影響がだいぶ出ていた)、羽田はぱらついてたがどうということもなく、無事水戸の地を踏むことができた。うちに帰って又行きたいと思ったんだから、今回の旅行はかなり成功の部類に入ると思ってよさそうであった
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