’70年代のピアノジャズを愛するわが身に変化が起きた。MethenyとJohnSCOが競演した’94年のアルバムI can see your house from hereが「お気に入り」を果たしたのである。
Metheny Groupは暫く前から聞いてたが、フュージョンこんな難かった?って辺りで停滞があった。一方、JohnSCOの面白さを教えて呉れたのは小説家、故津原泰水さんだ。氏の小説に登場するJohnSCOネタに言及したら、氏はたいへん喜ばれて三枚の推薦盤を挙げて下すった。
そして今、其の二人の競演盤がこうしてターンテーブルを賑わしている、それは常に先細りして見失いそうなわが途をしっかり照らし出してくれる、確かな光だ。(それは三曲目No Matter Whyの二番手で裏声みたいなソロを取るSteve Swallow氏に負うところも大きい)
そうなると後は難しいこともなく、Charlie Hadenとのデュオbeyond the Missouri Sky(1997 Verve)とソロワークのOne Quiet Night(2003 WB)を取得し、朝な夕な聞いている。
JAZZ史の漸く’90、’00年代に踏み込んだ感もある。新時代は勿論ギター主導。それにしたって20年以上前だぜ、てのは措いて、コンテンポラリな風に吹かれよではないか。さっきMessage to My Friend(Hadenとの再演に当たり、Message to a Friendと改題)の途中、窓外でオケラが鳴き始めた、良き春の宵。
ところで津原さん推薦盤のうち一番好きなのはA Go GoからCountry for Old Manに移っていて、なかでも愛聴曲はFaded Love。ようつべにオリジナルを聞くことができたら、より一層、JohnSCOたちの演奏がいとおしくなった。
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