対当でゐよう春暮の鴉とは 大木あまり
鴉には、およそ親しき感情というものを持ったことがなかっただけに、
「対当でゐよう」などという、フレンドリーな呼びかけに、まず驚いた。
しかし、かつてこれに似た感情を一瞬でも持ったことがなかったか?
というと、そうでもない。何気ない心の動きが確かにあったはずだ。
それに気づき、言葉を与えることができるかどうかは疑問。
「星の木」所属。「俳句」3月号〈新作5句〉より抄出。(Midori)
鴉には、およそ親しき感情というものを持ったことがなかっただけに、
「対当でゐよう」などという、フレンドリーな呼びかけに、まず驚いた。
しかし、かつてこれに似た感情を一瞬でも持ったことがなかったか?
というと、そうでもない。何気ない心の動きが確かにあったはずだ。
それに気づき、言葉を与えることができるかどうかは疑問。
「星の木」所属。「俳句」3月号〈新作5句〉より抄出。(Midori)