ボルゲーゼ公園の並木道を抜けたところに、イタリアでも超一級の美術品を集めたボルゲーゼ美術館があります。
規模は小さいながらも、ボルゲーゼ卿が手段を選ばずに収集した展示品は、
ローマに来たら絶対に見逃す手はありません。
美術館の外観です。残念ながら内部の写真撮影はNGなので、写真はここまで。
見学は完全予約制で、日本からはインターネットで予約ができます。でもすごく面倒です。
当日は、予約の取れた時間の30分前までに建物の地階で受付で手続きをしなければなりません。
また、原則として手荷物はクロークに預ける必要があります。
建物の入り口脇には小さな泉があり、受付がひと通りすんだら、
時間が来るまで、冷たい水に手をひたしながら、ちょっとひと休みです。
地階にはバールもあるのですが、天気がよい日は外で陽の光を浴びながら過ごすのも気持ちいいですよ。
予約時間近くになると、建物の入り口付近に人が群がってきます。
展示品の中でも一番の見どころは、やはりベルニーニの彫刻でしょう。
おそらく誰でも名前は聞いたことがあるだろう、
というのが下の2作品「プロセルピナの略奪」と「アポロンとダフネ」(写真はどっちも借り物です)です。
プロセルピナの太ももに食い込むプルートの指、月桂樹の葉に変わっていくダフネの髪の毛、
どちらも一個の大きな大理石から彫りだされたとはとても信じられないような質感です。
ベルニーニという人は、人物の一瞬の動きや表情をとらえることに関しては、
ミケランジェロよりはるかに上なように思います。
そしてもうひとつ、
ここに来るまでは名前も知らなかったのに、
印象に残ったのが、
この「時によってあらわにされる真実」です。
修復をしていないのでしょうか、
他の彫刻とは少し色が違っています。
テクニック的には、特にすごさは感じないのですが、
あらわになってしまった「真実」を象徴している女性が
なんとも言えずずばりタイトルそのものの
表情をしているのです。
2時間の制限時間をたっぷり使って、
一階は何周もしてしまいました。
このほかにも、
静的なミケランジェロの作品とは対照的な
「ダヴィデ」など、
ベルニーニの魅力でおなかいっぱいです。
見学が終わって、建物を出たあとは、裏の庭園へ回ってみましょう。
幾何学模様の植え込みで飾られた庭園は、非イタリア的でちょっと新鮮です。
庭園の中央には「ヴィーナスの噴水」があります。
子どもが落としてしまったのでしょうか、黄色いゴムボールが浮いていました。
というわけで、これでボルゲーゼ美術館の見学はおしまいです。
予約のわずらわしさと、予約自体がなかなか取れないこともあって、個人の旅行ではちょっと行きにくいのですが、
ローマに行ってココを見ないと、きっと後悔しますから、ぜひ訪れてみてください。
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