昨晩はなんだか体が怠くて、首筋から肩にかけて異常なほどはっているし、なんとなく目の奥が重いような頭痛。乱高下する気温がデリケートで繊細な(同じ意味だろが!)我が心身を脅かし、病魔に犯す算段だろうと早々に床に、いやぁ寝ました、いつもは5時間から6時間の睡眠時間が、昨夜は8時間以上の爆睡です。
おかげで今朝は快調、と思いきや・・・・あはははは、今度は寝過ぎで体が怠くなってしまいました。寝不足でも怠い、寝過ぎても怠い、つまりは飲み過ぎと運動不足のたまものということですね。
体の衰えは摂生の無さによるものでしかたないにしても、脳の衰えはまだまだと思っていました。・・・・あまかったですねぇ。
私はこのブログで大嘘をついてしまったわけで、まずは心よりお詫び申し上げます。
昨年、12月21日の「小さな幸せ」というログに、gonさんより「ペティフォードの「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」はどのアルバムに入っているのでしょうか?」とのコメントをいただきました。
ほんと、私も何をトッチラカッタンでありましょう「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」と聞いて「あれ?たしかベース一本の「朝日のようにさわやかに」があったよなぁ・・・・そうそうあれだあれ」と「BASS BY PETTIFORD / BURKE」のジャケットを頭に浮かべてしまったのです。しかも「/ BURKE」をスカッと外した状態で・・・・・つまり、じつに言い訳っぽい話ですが、「朝日のようにさわやかに」→「あのベースのグルグルがいっぱい描いてあるジャケット」→「OSCAR PETTIFORD」みたいな
このアルバム、そもそも10インチLPで発売になった二組二枚のアルバムを合体させて12インチLPにしたという一枚で、A面がオスー・ペティフォード・クインテット、B面がヴィニー・バーク・カルテットによる演奏が納められています。
「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」はそのB面、つまりヴィニー・バーク・カルテットによる演奏でありまして・・・・・・
ほんとうに、いいかげんな事を書いてしまい申し訳ありませんでした。
そもそも、ベース、クラリネット、アコーディオン、ギターという組み合わせで、ペティフォードがやるわけ無いのでありまして、まして、ジョー・シンデレラのギターがチャッチャっとリズムを刻むだけで、ほぼバークのソロで奏でられる「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」をペティフォードと勘違いするなどあり得ないことです。
この対照的な二組の演奏を何故一つのアルバムにしたのか?全く意味は分かりませんが、A面とB面のアンバランスがこのアルバムの魅力でもあるわけで
・・・・ほんとそれを間違えるとは恥ずかしい。
やはり、脳の衰えは確実にきているわけですから、今後はポッと浮かんだ記憶だけでなく、確かめてから書くべきだと深く反省しています。
そうそう、衰えで思い出しましたが、先日図書館から借りてきた『古典落語名作選』で三代目三遊亭金馬の「藪入り」を観ているときです。
「藪入り」とは昔の奉公人が、正月やお盆に主家から休暇をもらって親もとなどに帰ることをいいますが、この噺は奉公に出て3年目、初めての「藪入り」の日を迎えた親子の情を描く、江戸咄に明治の『ネズミ捕り懸賞』を利かせて改作された金馬十八番の噺であります。
三年ぶりの再会に、前の晩から眠ることもできずに息子を待つ父親。
「なぁおっかぁ、野郎、納豆が好きだから、納豆買っといてやんなよ」
蜆の味噌汁に、刺身に天麩羅、汁粉に・・・・・・・・
あれも喰わせたい、これもしてやりたい、あそこへもここへも連れて行ってやりたい、一日の「宿下がり」じゃ全部出来るはずもないのに、子を想う親心。
「こんにちは、ごぶさたをいたしました。めっきりお寒くなりましたが、ご機嫌よろしゅうございます。おとっつぉんにもおっかさんにも別にお変わりもなくなによりでございます。・・・・・」
抱きついて泣きじゃくってくるかと思った息子は、礼儀正しい挨拶を出来るまで成長しました。
「・・・・・おっかぁ、野郎大きくなったろうなぁ」
「なに言ってるんだよ、おまえさんの前にいるからごらんよ。」
涙が出てきて、まともに顔も見られない父親。
藪入りや何にも言わずに泣き笑い
若い頃にこの噺を聞いてもただ笑うだけだったのが、情を先に感じてしまうのは歳を取って自分が父になったせいか、衰えた涙腺のせいなのでしょう。ドッと噺にのめり込んで、まさに「泣き笑い」であります。
まずは風呂へ行ってサッパリしろということで、息子は風呂屋へと出かけます。
その間におかみさんが何気に息子の紙入れ(財布)の中の十五円という小僧にとっては大金を見つけてしまいました。
まさか主人の金をせしめてきたのではないかと、風呂から帰った息子を責めますが、ネズミを捕ってもらった懸賞金だと知り
「へぇ~~、ネズミの懸賞でとったのか、うまくやりゃがったな」
「おまえがご主人様を大事につとめるから、こんなお金がいただけたんだよ」
「うん、そうだ。それもこれも、チュウ(忠)のおかげだ」
父になって始めて分かる情、脳が衰えて始めて知ることも多くあるでしょう(笑)。失敗は失敗と反省しつつ、
「ヘンだ、脳の衰えなんぞに負けずに頑張るぞう!!!!・・・・そうとなりゃ、まずは酒だな」
って、またそれだ。
さて、というわけで今日の一枚は、多いに勘違いと反省をさせられたその「BASS BY PETTIFORD / BURKE」にしました。
このアルバム、もちろんペティフォードは気になるのですが、バーク・カルテットの「YESTERDAYS」なんかけっこう良く聴いてたんですよねぇ、それなのに勘違いするとは・・・・・・
そもそも、モダン・ベースの父とも言われるペティフォードのことも、白人ベーシスト、バークのことも良く知らなかった、聴き込んでいなかったということでしょう。
こうして改めて聴いてみると全く違うのにねぇ、駄目なバブ君(笑)
ともかく、何故だか同じアルバムにいっしょに納められた二人のコントラストを楽しむ一枚なのだと思います。(かぁー、説得力ねぇ)
BASS BY PETTIFORD / BURKE
1954年録音
OSCAR PETTIFORD(b,cello) JULIUS WATKINS(frh) CHARLIE ROUSE(ts) DUKE JORDAN(p) RON JEFFERSON(ds)[1-6]
VINNIE BURKE(b) RONNIE ODRICH(cl) DON BURNS(acc) JOE CINDERELLA(g)[7-14]
1.SEXTETTE
2.GOLDEN TOUCH
3.CABLE CAR
4.TRICTROTISM
5.EDGE OF LOVE
6.OSCAR RIDES AGAIN
7.THE CONTINENTAL
8.FOR ALL WE KNOW
9.YESTERDAYS
10.IMAGINATION
11.TIME OUT
12.SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
13.ON THE ALAMO
14.HONEYSUCKLE ROSE
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