JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

最大の愚行からの教訓

2010年08月02日 | g-i

♪ 昔 昔の その昔
  椎の木林の すぐそばに
  小さなお山が あったとさ あったとさ
  丸々坊主の はげやまは
  いつでもみんなの 笑いもの
  これこれ杉の子 起きなさい
  お日さまニコニコ 声かけた 声かけた
         (中略)
  さあさ 負けるな 杉の木に
  勇士の遺児なら なお強い
  身体を鍛え 頑張って 頑張って
  今に 立派な 兵隊さん
  忠孝孝行 ひとすじに
  お日様出る国 神の国
  この日本を 守りましょう 守りましょう ♪

どうしても見たいと思っていた『ハイビジョン特集「日本のいちばん長い夏」』を昨夜録画し、先ほど晩酌をしながらゆっくりと見ました。
戦後18年、昭和38年に文藝春秋の誌上で、終戦当時、政治や軍部の中心にいた人や庶民も含め行われた座談会の再現ドラマです。

昭和20年7月26日(日本時間27日)に発表されたポツダム宣言、受諾するか否かを巡ってのそれぞれの立場や考え方、広島、長崎の原爆、ソ連参戦・・・・・
それらを語るそれぞれの立場にいた人たちの言葉は、短くともまさに史実であり、敗戦間際の日本がいかに迷走をしていたのかがよく分かりました。そして、それもまた「国が負ける」という過去に経験のない現実をどう受け止めたらよいのかとの迷いであり、あってしかるべき不安だったのだと。

いずれにしても、波紋が一度大きな波になってしまうと、「国の考え、方向」というものは、それが間違えであったと気付こうとも、抑えるにはとてつもない力が必要なんだと、戦争の恐ろしさもさることながら、人心の恐ろしさも感じる思いでした。

考えてみれば、戦争とは、一部軍部の先導によるマインドコントロールの産物のように思うのは間違いで、結果、一部の、例えば戦犯と呼ばれる人たちに「他人のせい」を押しつける民衆心理にこそ、その根源があるのかもしれません。

何が戦争を招き、何が悲劇を生むのか、それは独りの思想、信念ではなく、じつに他人本意の無責任な民衆が起こすものなのではないか・・・・・・私のような・・・・・
そう考えると
「現代じゃそんなことはあり得ない」
そんなことは無いんですよねぇ、大衆が支持すればそれが正義になり、正義なら何事も許される、
下水道に閉じ込められた一匹の子犬が、3日もかけた大騒動の上に助けられると、感動して「良かった良かった」と喜ぶ人が、とある地で人命が落とされようとも、それが正義であれば納得する・・・・・・

「最大の愚行から、最大の教訓を学び取ること」
回天特攻隊員だった上山春平氏のこの言葉が身に染みますねぇ、どうにも平和ボケして愚行を愚行とも感じなくなっている気運があるように思います。
まさにこのドラマの結論ではありませんが、その愚行からの教訓を次世代につなげる役目を我々戦争を知らない世代が背負っているのかもしれません。

ともかく、期待どおり面白かったというと語弊がありますけど、とても興味深い番組でした。

あれ?なんだか今日はバブらしからぬお話しでありましたでしょうか?
まっ、感化されやすいもんでね・・・・・
「いき過ぎた感化はイカンですぞ!」
「はいはい」

とまぁ、それはさておき、今日は日曜日ですので『料理当番、本日の一品』です。
暑いんでねぇ、あんまし作りたくないんですけど・・・・

汗を垂らしながら、煮物を作りました。でももうこれが精一杯、あとは手間をかけずに

冷や奴です。
母の田舎から届いた『ふきのとうの佃煮』を添えてみました。

さて、今日の一枚は、ロイ・ヘインズです。
「WE THREE」「JUST US」「CRACKLIN'」そして今日のアルバムと、彼はNEW JAZZに幾つかのリーダー盤を残しています。
リーダーねぇ・・・やはり名バイプレーヤーのイメージが私にはつきまといます。

それでも、ロイ・ヘインズの存在はじつに貴重で、どんなプレーも引き立てるし、なかなか新しいものにも挑戦するし、だからこそ長い間スタイルを越えた活躍をしたんでしょうけどね。

ここでは、「CRACKLIN'」のリズム隊はそのままに、ブッカー・アービンをフランク・ストロージャにすげ替えたかたちの布陣です。そういえばアービンとストロージャは「EXULTATION 」でも共演していましたよね。

ストロージャというと、私のイメージは「いやらしいサックス」でしょうか(前にも言ったかな?)
そのギリギリのいやらしさが癖になるタイプのプレーヤーが、ここではちょっくらイイ子チャンになっているようにも思えます。
それはリーダー、ヘインズの力なのか? 私には分かりません。(笑)

CYMBALISM / ROY HAYNES
1963年9月10日録音
ROY HAYNES(ds) FRANK STROZIER(as,fl) RONNIE MATHEWS(p) LARRY RIDLEY(b)

1.MODETTE
2.I'M GETTING SENTIMENTAL OVER YOU
3.GO 'N' GIT IT!
4.LA PALOMEINDING
5.MEDLEY (Hag ~Cymbalism~Oleo)