ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

かぐや姫は何処に?

2006年10月17日 | 地域の話題
わが町は「一休さん」でお馴染みの一休禅師が晩年を過ごしたお寺、酬恩庵、通称一休寺があり、観光や商工会のキャラクターとしても「一休さん」が使われている。

 しかしもうひとつの物語の主人公である「かぐや姫伝説」がにわかに南部の地域を中心に脚光を浴びようとしているのである。

 全国各地にかぐや姫の伝説や物語の発祥の地と主張する市町村があるが、京都山城地方のど真ん中の京田辺市の三山木山本地区が「かぐや姫の翁」の住んでいた里ではないかと、地元の郷土史研究家が提唱したのが始まりで、同志社大学のキャンパスが20年前に一部移転して、その説が浮上した感もある。

 ここ十年近く、地元の三山木地区のJR線と近鉄京都線の高架化と橋上駅化工事を中心とする「三山木特定土地区画整理事業」が進められていて、現在は両線の三山木駅間の駅前広場の工事にかかっている。

 この駅周辺の山本集落が、伝説の「かぐや姫の里」としての史実に近い条件を併せ持つことから、地元の商店街の有志による「三山木ファイトクラブ」と学生、市民の協働パートナーシップに基づくNPO法人「きゅうたなべ倶楽部」が共催で「かぐや姫フェスタ」というイベントを三年前から、秋に開催しているのである。

 「かぐや姫コンテスト」をしたり、かぐや姫の竹にちなんで、同志社大学工学部の研究室で竹素材を研究、実用化を試みている教授、学生達の商品開発なども併せて発表したり、子ども達も共に遊び興じられる竹素材のおもちゃ遊びを試みたり、また竹灯篭の試作、コンテストをしたりと毎回工夫がなされている。

 一昨日の日曜日の朝から午後にかけて、焼きそば、かやくご飯などの模擬店と共に、簡単なステージではハーモニカグループ、地元中学校の吹奏楽部、同志社大学音楽サークルの演奏等と、「みんなで竹馬物語」と題する「竹馬トライアル」が展開された。

 その中で地元の障害者の作業所は、とっても工夫された「かぐや姫パン」を作って販売していたので、私もいくつか買ってお昼の虫やしないに愉しんだのである。

 ヨモギをベースにした餡が中に入ったパンなのだが、竹の中に輝いていた「かぐや姫」を連想できる様なデザインで、おくる身の中央に黄色く茹でた栗の実が入っていて、とってもかわいい仕上がりで美味しく、かぐや姫そのものだった。

 今は昔の、むかしむかしの物語なのだが、現代に言い伝えられて、今も何処かにいないだろうかと時には思ってしまうほどの「かぐや姫」の存在なのだが、こんな殺伐とした世の中にあってこそ、いじめや虐待などで死んでしまう不条理を忘れて、「かぐや姫」を探してみたいものである。

 ただ単なる「ミスコンテスト」などてはなく、みんなが工夫とデザインを持ち寄って、現代に生きる「かぐや姫」のイメージに近い存在感のある女性、いや男性でも差し支えはないのではないだろうか。

 こんな世の中だからこそ、大切にしたいロマンや物語である。
コメント (1)
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