ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

地球交響曲

2005年03月22日 | 世界の問題
 やっとガイアシンフォニー、「地球交響曲」第5番を観ることができた。

 2005年春になって第五番を観たのだから、最初の地球交響曲との出会いから15年の年月が過ぎていて、映画「地球交響曲」制作がライフワークのようになっている監督龍村仁さんにとっても、世界の政治、経済、環境問題も、この間大きな変化をした15年ではなかったか。

 私が「人間いきいき地球人の会」という個人主宰の活動ネットワークを始めたのが1989年であり、ほぼ「地球交響曲」の最初の制作、上映と時期を同じくしているので、この15年の年月の経過には、感慨深いものがあるのである。

 日本はいわゆるバブル経済と言われる、戦後の高度成長経済の右肩上がりの最頂点が崩れて、日本人も漸く「経済優先」だけの経済、産業活動を見直して、地球環境や自然と人類の共存を少しは意識できるようになってきた時代に突入したのではと思うし、アメリカではベトナム戦争後、再び湾岸戦争から、9.11事件を経て、アフガンやイラク戦争の泥沼に突入している時期になっている。

 こんな愚かな地球上の人類の生き様に、大いなる警鐘を鳴らしながら、次代への賢者のアッピールを含んだ、映画「地球交響曲」は多くの示唆に富んだ、独立プロダクションの意欲的秀作であり、全国の自主上映などで、180万人が鑑賞しているのである。

 監督龍村仁は、京都の老舗「龍村織物」の御曹司ではあったが、あの天下のNHKで、矢沢永吉を中心とするロックバンド「キャロル」のドキュメンタリー作品を撮った後、NHKを退社して、フリープロデューサーとして活躍する道を選んだ人である。

 今回の第五番の大きなテーマは「生命の摂理」、つまり「誕生と死」であり、自然分娩による赤ちゃんの誕生を、ある女性産婦人科医と共に克明に追うと共に、これまでの地球交響曲に出演した著名人、ジャック・マイヨール、野澤重雄、星野道夫の3人が既にこの世を去っているので、彼らに追悼の意も込めて七夕の灯篭に3人の名を銘記して川へと流す日本的習慣も描いていた。

 今回初めて出演したのは、アーヴィン・ラズローと石垣昭子さんで、石垣さんは沖縄県、西表島で自然の食物から布を織り、染める過程を順次、お弟子さんとご主人と共に見せてくださっていた。

 アーヴィン・ラズロー氏を初め、数人の今で地球交響曲に出演した、ダライ・ラマ、佐藤初女さんらが再登場する映画の中で、母なる地球が産みの苦しみを経て、40億年前に生命を誕生させて以来の生命史を、子である人類の誕生に至る、十月十日の短いうちに経験した上、胎内から出てくる「赤ちゃん」の誕生を描いているのである。

 現代の地球は、この「地球交響曲」が訴え、主張しつづけているベクトルとは逆方向に進んでいるいる様に感じるのだが、私たちの小さな「気づき」と「努力」によって、まだ「間に合うかも」しれない「地球の再生」を目指して、人類のひとりひとりが人生の生き方、歩み方を見直す機会になればいいと思う。

 著名な、この映画の登場人物の残された、一言、ひとことに各々が感銘を受けたり、感動を覚えて、与えられた「生命」を感謝しながら、人と自然との「ナチュラル」な関係性の中で、「生かされる」人生を模索し、いきいきと「地球人」いや「地星人」として生きて行ければ幸いだと思うのである。

 「全ての存在は繋がっている」地球誕生から生命の誕生、そして「私」の誕生は、時空を超えて繋がっているのである。
コメント (1)
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