ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

中高年の生き方

2005年03月09日 | 感じたこと
 最近、よく話題にするのが、中高年の男性の仕事をリタイアしてからの生き方である。

 元気で多彩な趣味を愉しんでおられる、70代半ばの高齢男性の版画作品展を拝見した。
 会場には、、とってもさわやかで明るいご本人と共に、奥様が一緒におられ、作品を見ながら歓談した。

 昨年の夏、中国内モンゴルへの旅にご一緒させていただいた縁で、今回の版画展のご案内もいただいた方で、モンゴル旅行でも定年退職されてからの、趣味の活動や生き方についてのお話をいろいろと聞いた。

 彼は、テニス、ウクレレ、版画、登山などと、文化、芸術、スポーツと多彩な趣味を持っておられ、それぞれ一生懸命に挑戦的で、今回の版画作品展も、もともとは版画教室の生徒として学ばれたことがきっかけで、自らの作品を創作されるようになって、今回で4回目の作品展ということであった。

 彼がいつも楽しそうに語っておられる世界には、多くのお友達がおられて、お互いの趣味や活動がリンクしており、無理のないお付き合いの中で、いろんな情報や行き来をされている様子が伺えた。

 私の周辺にも職場定年を迎えて、地域で、家庭で、これからの人生をどのように暮らそうかと試行錯誤されている、中高年、熟年男性がたくさんおられるのである。

 ある日の夕方、最寄の駅頭で何度かお話したことのあるHさんに偶然会った。「どちらへ行かれてたんですか?」と世間話として私は彼に問うたところ、「サントリーの工場見学ツアー」に行って来たとのこと。「それは良かったですね」と深い意味もなく私が言葉を返したところ、彼は「ちっともええことないわ。何を見ても、何の話しを聞いても、これからの人生に何も役立たないから」と自嘲気味に言われたのである。

 私は、二の句が継げなかったことを今でもはっきりと覚えている。つまり、彼は仕事人間として会社のため、家族のために長い仕事中心の人生を送ってこられて、いざ定年退職されて暫くの間は仕事から解放され、毎日の通勤時間や仕事の責任からも自由になり、のびのびと時間もあるし、朝もゆっくり寝ていても大丈夫という、会社勤めをしていた時とはうって変わった自由を手に入れた喜びでいきいきしておられたはずである。

 しかし1年経ち、2年経つと,元いた会社の職員や同僚ともなかなか会うこともなくなり、地域の中での知り合いも、そう多くはなく、毎日の時間を、新聞、雑誌、インターネットなどの情報を集めて、出来る限りの興味と関心をもてる、講演や集い、見学の機会などに出向かれるようになったと思われるのである。

 家庭では、お子さん達はもうとっくに成長され、別世帯での生活拠点があり、ご夫婦お二人の生活では、変化は少なく、朝、昼、晩と食事の支度を奥さんにさせるのも、だんだん辛くなって、毎日、今日は何処へ行こうかと思案されるに至っているのではないかと推察されるのである。

 人生はいろいろ、会社もいろいろ、生き方もいろいろであるが、中高年の会社人間が仕事からリタイアしてからの生き方は、千差万別だが、私は、中高年男性の社会的生きがいや地域での活動の場を見つけて、いきいきと毎日を送っている方はあまり多くはおられないのではないかと思うのである。

 ぜひ、定年退職や仕事からのリタイアをされる前から、自分の生活する地域社会での生き方、生きがいを見つめて、ソフトランディングとでも言えるような、人間関係や目的意識を共有できる趣味や活動に、積極的に関わって、お互いが個人の経験、個性、人間性を生かした存在感ある生き様を、元気に続けられるようにシュミレーションすることをお奨めしたいと思うのである。

 どんな生き方も、その人の価値観と、人生を如何に楽しく、明るく、元気に過ごすかとのイメージと夢、希望、情熱にかかっているのではないだろうか。

 「いい人生だった」と自らが思い返せるような、中高年、熟年の生き方を、自らが演出したいものである。

 
コメント
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