社会の荒廃 研究室(蜻蛉の眼鏡)

国連の女子差別撤廃条約に基づく男女共同参画を強行する女性独裁権力(フェミニズム)の社会病理に言及、コメント欄も充実。

宮崎家族3人殺害、被害者遺族の死刑回避上申書も無視する司法の圧力

2014-10-22 22:36:11 | 事件、事故

 義母と妻からの精神的暴力に耐えかねた末、2人を殺害し、子供も殺害した宮崎家族3人殺害事件で、一審と二審でそれぞれ死刑判決を受けていた奥本章寛被告の上告審判決が16日に行われ、最高裁は被告の上告を退け、被告の死刑が確定した。この事件では、上告審判決を前に被害者側の遺族の1人が死刑を回避するよう求めた上申書を提出するなど異例の事態となったが、判決ではこの上申書も一蹴する結果となった。この事件の背後にどんな勢力が存在するのか分析する必要がありそうだ。

 この事件については本ブログでも第一審の判決時に取り上げており、その時にも死刑判決は余りに重すぎるという内容の論考を書いているのだが(*1)、今回の最高裁判決を受け、再度その論考へのアクセスが増えた。その数は本ブログの開設以来最高水準と思える約6000件が判決日の16日にヒットした。同時に死刑判決を支持すると思われる勢力から本ブログに対する反論投稿が幾つか寄せられた。

(*1)
・宮崎家族3人殺害、義母から精神的に痛めつけられた夫の悲しい結末
http://blog.goo.ne.jp/grk39587/e/9f2facd3a39dfc61520474e8023c4feb

 ここで一つの疑問が生じる。この事件の上告審判決があった16日は、小渕優子議員や松島みどり議員の政治と金問題が深刻化しつつあった時期、報道もこれらのニュースが中心で、この事件の上告審判決のニュースは大きく取り上げられなかった。にもかかわらず、本ブログの閲覧数が極端に増えたのは何故だろうか。

<本ブログ日別アクセス数、直近1週間の推移>
2014.10.21(火) 1341 PV    424 IP
2014.10.20(月) 1495 PV    517 IP
2014.10.19(日) 1385 PV    533 IP
2014.10.18(土) 1744 PV    752 IP
2014.10.17(金) 7304 PV   4508 IP
2014.10.16(木) 8603 PV   5993 IP
2014.10.15(水) 1228 PV    398 IP

 勿論、こうしたアクセス数というのはどこまで信頼できるかという問題もあるので、数字そのものには大した信頼性はなく、たとえ6000件のアクセスがあったからと言って、6000人が閲覧したということにはならない。しかし毎日同じ条件で算出している以上、極端に増加したというのは素直に受け止めて差し支えないだろう。

 では、その増加理由とは何か。そこで検索エンジンを使い幾つか試してみた。すると、被告の氏名である「奥本章寛」や事件名の略称「宮崎家族3人殺害」で検索すると本ブログの論考が先頭ページに表示されることがわかった。どうやらこれが閲覧数を増やした理由のようだ。だがどうもそれだけではない気がする。

 16、17の両日で寄せられたコメントは5件、うち賛同意見は1件、反対意見は4件だった。勿論反対意見をそのまま紹介するつもりはさらさらないが、その内容を見ると、「3人殺したから死刑に決まっている」、「乳児である我が子を殺めた時点で極刑に値する。・・(略)・・世の中の嫁イビりについて知った方がよい。」、「義母に理不尽に怒られている夫は沢山いる」など、短絡的や的外れな意見が目立つ。殺害人数よりその経緯が重要であるのは言うまでもないし、我が子を殺害した時点で極刑だと言うのなら幼児虐待死の母親などは極刑になって然るべきだ。それなのに執行猶予判決が出たりなど極めて甘い。それについては何も咎めないのか。更に嫁いびりの話を持ち出して話をそらそうとしている。義母に理不尽に怒られている夫は沢山いるのなら、まずはその理不尽を改善しなければいけないはずなのに、何か取り組んでいるという話は聞いたことがない。このように、反対意見には全く論理性や分析力がなく場当たり的なものがほとんどだ。

 恐らく、フェミ系の工作員が動いて、本ブログのような判決に異議を唱える内容の論考に適当に反対意見を書いて回っているのではないだろうか。2chやヤフーコメント欄などでもこの手の工作員は沢山いる。

 そして、更に考察を深めると、それだけ工作員が動かなければならないほど、今回の判決が疑問を持たれるような歪な判決だったということの証左ではないかということだ。後ろ暗いことは必死に火消しを図ろうとする、そういう行動の表れが逆に不信感を強める結果になるのだ。

 つまり、この事件に関しては一審判決の頃からフェミ権力が大きく関わっていて、絶対に死刑にせよという指令が司法関係者に出ていたものと推測できる。裁判官から裁判員への公判に関する説明の際も、権力のことは話さないだろうが、最初から死刑ありきのような説明の仕方をして、それ以外の意見を言いにくくしているのだろう。こう考えると、裁判員裁判など所詮は猿芝居に過ぎないのではないかと思えてくる。

 更に、被害者側の遺族が死刑を回避する上申書を提出している点は判決に大きく影響して然るべきだ。普通なら肉親を殺された遺族は感情的になって被告に対し極刑を求めるはずだ。それを敢えて被告の側に立って考察する姿勢は実に冷静に事件を分析していると言えるだろう。

 この遺族は殺害された妻の弟だと言われているが、この男性も第一審に出席しており、その時には被告に対し極刑を求めていた。しかしその後上告審の判決前に上申書を提出している。その間に彼の心にどんな変化があったのかは判らないが、恐らくこの男性は殺害された自分の母親と姉(被告から見た義母と妻)に対してあまり良い感情を抱いてなかったのではないだろうか。その母と姉が連携して被告を日頃から虐めていたというのなら、被告の心情も理解できるということなのだろう。或いは互いに男性同士ということで、日々の生活の苦悩を被告がこの男性に打ち明けていたとも考えられる。ネット上でも、よほど酷い婆さんだったんだろうといった声が散見された。

 この上申書に関しては、フェミ陣営も想定外だったはずだ。これまでにも似たようなケースはある。DV夫から妻が車で逃げようとするも夫が車の後ろにしがみつき、そのまま妻は車を走らせ振りほどいて逃げて夫が死亡するという事件があった。この時は夫側の親族の意向もあり妻は起訴もされなかった。だが今回の事件のように公判になってから被害者側が減刑を求めて上申書を提出するというのは聞いたことがない。それだけに、フェミ陣営は何とかこの上申書の効力をなくそうと必死に暗躍したと考えられる。その結果が、他の遺族は極刑を望んでいるという判決理由につながったのだろう。判決理由などというのは、言い回し次第で幾らでも作ることが出来るということだ。

 またこの事件では、何故子供まで殺害する必要があるのかという意見も少なくない。だが義母と妻だけを殺害した場合、この子供はどうなるだろうか。母親は殺害され、父親は刑務所行きまたは死罪となり、子供は親戚または孤児院などで育てられることになるだろう。悲しい運命を辿った両親を抱えながら果たしてこの子が健全に育つと言えるだろうか。子供の将来も悲観するあまり、被告が子供を殺害したということも十分考えられるのだ。決して不自然な感情ではないだろう。

 家族で話し合えば良かったのではないか(検事や弁護人の話)、「家裁への調停申し立てなど解決方法を探る手だてがあったはず」(控訴審判決での指摘)など、回避策は幾らでもあったと司法は指摘するが、当時の被告の生活環境は明らかに義母と妻の連合軍に支配され抵抗が出来ない状況で、まともに話し合いなど出来る状況ではなかったはず。また調停申立ての制度も若干22歳の世間知らずの若者が知っていただろうか。それに知っていたとしても実行できたか。仮に実行に移したとしてもフェミニズム主導で事が進められ、結果は男性側だけが悪者にされた形での離婚しかなかっただろう。ましてや、「慰謝料がっつり取ってやる」という義母の脅迫的な言葉が頭にある限り、とても実行に移せるような状況ではなかったことは容易に想像できる。そしてとどめを刺すように、被告の故郷まで冒涜するような義母の言葉。具体的な内容は判らないが聞くに堪えない内容だったに違いない。これら被告が義母と妻から受けてきた精神的虐待に関して司法は全く無視している。司法は常に女性側に肩入れした奇麗事しか言わないのだ。

 最高裁での判決は終わったが、まだ特別抗告や再審請求など手立てがないわけではない。被告に対する支援グループが付くかどうかで成り行きは変ってくると思われるが、一つ心配なのは、この被告に対する死刑執行が早められる可能性があるということだ。かつて飯塚事件のように冤罪が疑われた事件で、支援グループが再審請求を準備していた最中に死刑執行が早めに行われた事例がある。この事件も、早く世論から忘れ去られるように早めに始末してしまえという圧力がかからないか心配である。冤罪ではないのだからより進めやすい。

 2人の身内に虐められ、針のむしろでの生活を余儀なくされていた男性が反旗を翻した結果引き起こされたこの事件、同様な環境で苦しんでいる男性は思いの外多いだろう。男性のあらゆる環境を悪化させ、そして暴発したところを容赦なく断罪し厳罰に処し、世間への見せしめにする。そして更に男性への風当たりを悪くするように反復強化させる。世間を操るフェミ陣営はさぞかし笑いが止まらないことだろう。


・生後5カ月の長男ら殺害、死刑確定へ 2014.10.16 15:25
http://www.sankei.com/affairs/news/141016/afr1410160026-n1.html

 宮崎市で平成22年3月、生後5カ月の長男と妻=当時(24)、義母=同(50)=の家族3人を殺害したとして殺人罪などに問われた無職、奥本章寛被告(26)の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は16日、被告の上告を棄却した。死刑が確定する。裁判員の死刑判断を最高裁が支持したのは2例目。

 同小法廷は「説教や叱責を繰り返す義母との同居生活から逃れたいと思い悩んだ末に家族3人の殺害を決意した」と指摘。「あまりに短絡的で身勝手。相当に計画的な犯行で、結果は誠に重大」とし、死刑とした1、2審判決を支持した。

 上告審では、1審宮崎地裁の裁判員裁判で極刑を求める意見を述べた遺族が「1審に差し戻し、もう一度深く審理してほしい」とする上申書を提出したが、判例上、上告審で新たな証拠採用はできないとされている。


・宮崎の家族3人殺害 死刑確定へ 10月16日 22時00分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141016/k10015462141000.html

4年前、宮崎市で生後5か月の子どもを含む家族3人を殺害した罪などに問われ、1審と2審で死刑が言い渡された26歳の被告について、最高裁判所は「短絡的な動機の残虐な犯行だ」として上告を退け、死刑が確定することになりました。

宮崎市の無職、奥本章寛被告(26)は、平成22年に生後5か月の長男と24歳の妻、それに同居していた50歳の義理の母親の3人を、風呂に沈めたりハンマーで殴ったりして殺害したとして、殺人などの罪に問われました。

1審の裁判員裁判と2審が死刑を言い渡したのに対し、被告側は「遺族の一人が死刑を望まないという書面を提出している。裁判員裁判で審理をやり直すべきだ」などと主張して上告していました。

16日の判決で、最高裁判所第1小法廷の山浦善樹裁判長は「被告は説教を繰り返す義理の母親から逃れたいという思いから殺害を計画した。さらに逮捕を免れるためには妻と長男も殺害するほかないと考えた、短絡的な動機の残虐な犯行だ」と指摘しました。

そのうえで「3人を殺害した結果は重大で、ほかの遺族は厳しい処罰感情を示している」と述べて上告を退けました。

これにより、奥本被告の死刑が確定することになりました。


・宮崎市家族3人殺害事件の被害者遺族「3人の命を奪った人間の命であっても、大切な命に変わりはない」「まだ死刑と決めないで」
http://news.livedoor.com/article/detail/9199703/

 宮崎市で2010年、家族3人を殺害したとして一、二審で死刑とされた奥本章寛被告(26)=上告中=について、被害者の遺族の一人である20代男性が30日までに、「まだ死刑と決めないでほしい」との趣旨の上申書を最高裁に提出した。男性は一審の裁判員裁判では死刑を求める意見陳述をしていた。

 男性は心境を、取材に「死刑かどうか、一審当時から迷い続けてきた。3人の命を奪った人間の命であっても、大切な命に変わりはない」と説明。審理が一審に差し戻されることを望んでいる。

 事件は10年3月、宮崎市の奥本被告の自宅で、被告の生後5カ月の長男と妻、義母の3人が殺害された。


・【宮崎市の家族3人殺害事件】傍聴席から見えなかったもの 「義母から逃れたかった」 被告が明かした犯行動機 3回続きの(上)2012/07/13 15:54
http://www.47news.jp/47topics/e/231913.php
 
 宮崎市で2010年3月に起きた、奥本章寛(おくもと・あきひろ)被告(24)が、生後間もない長男と妻、義母の家族3人を殺害した事件。

 福岡高裁宮崎支部は今年3月、奥本被告に一審宮崎地裁の裁判員裁判に続き、死刑判決を言い渡した。

 一審から傍聴を続けるうちに、被告が自分の思いをうまく言葉に出来ていないように感じた記者が、被告との文通と面会を繰り返し、法廷では見えなかった動機や事件の背景に迫る。(共同通信宮崎支局 岡田圭司)
 
 なぜ3人を殺したのか。宮崎刑務所の面会室。その問いに透明な板の向こうで、 奥本章寛 (おくもと・あきひろ)被告(24)は言った。

 「あのとき義母から逃れる方法は、それしかなかったんです」

 2010年3月に義母池上貴子(いけがみ・たかこ)さん=当時(50)=と妻くみ子さん=同(24)、生後5カ月の長男雄登(ゆうと)ちゃんの3人を殺害した罪などに問われた奥本被告。一審宮崎地裁の裁判員裁判の判決は、犯行前後に出会い系サイトに興じるなどした奥本被告を強く非難、殺害動機を「自由で1人になりたいと考えた」と認定し、死刑を言い渡した。

 それだけで3人も、なぜ―。その疑問に奥本被告は繰り返した。「義母から逃れたかった」と。

 判決の認定によると、奥本被告は09年3月、くみ子さんの妊娠を機に結婚し、宮崎市内で義母と同居。やがて、感情の波が激しかったという義母からの叱責(しっせき)が始まる。

 「雄登の抱き方が悪い」「若いのに寝るな」

 貯金がなく、結納と結婚式を見送った後から義母の怒りが自分に向いたと奥本被告には思えた。

 事件6日前の深夜。義母は、仕事から帰宅した奥本被告の頭を何度も殴った。「あんたの両親は何もしてくれん」。そして、故郷を侮蔑する言葉を言った。「音を立てて、何かが壊れて…。もう限界だった」

 殺害した妻子への感情を一審の被告人質問で問われるたびに「愛していた」と答えた。しかし家庭内では、育児を通じて義母と妻子のグループができ、家での居場所はないと感じていたという。

 「親子3人で暮らしたかった。ただそれだけです」。でも、それはかなわない。ならば―。

 裁判員に説明しようと思った。だが、被告人質問では多くの質問に「分からない」と答えてしまった。「『分からないなら、分からないでいい』と言われていたので、すぐに答えられない質問は全部『分からない』と答えたんです」。判決を読んで、一審をやり直したいと思ったという。

 福岡高裁宮崎支部の控訴審で実施された心理鑑定で、ベテランの臨床心理士は、奥本被告の心をこう描いた。

 「義母の叱責と生活苦、睡眠不足で心身が極度に疲弊し、短絡的になりやすかった。義母と妻子が一体で、奥本被告だけ別世界にいるような孤独を感じていた」

 奥本被告も「ずっと言葉にできなかったことが、ここには書いてある」と感じた鑑定書。22日の控訴審判決は、その内容をほとんど受け入れ、奥本被告の反省も認めた。

 しかし、結論は同じ死刑。動機の認定は変わらず、特にくみ子さんと雄登ちゃんの殺害を「いわば理由なき殺人にも匹敵、強い非難に値する」と断罪した。


・【宮崎市の家族3人殺害事件】傍聴席から見えなかったもの 我慢ばかりで本音言えない コントロール超えた衝動 3回続きの(中)2012/07/21 18:18
http://www.47news.jp/47topics/e/232351.php

 宮崎刑務所の独居房は、隙間風が入り込む、白い壁に囲まれた4畳。ここに来て、気付いたことがある。「昔から我慢ばかりして、僕はいつの間にか本音が言えなくなっていた」

 1988年2月、福岡県で生まれた奥本章寛(おくもと・あきひろ)被告(24)。3人兄弟の長男で、棚田が広がる山の麓で18歳まで過ごした。

 幼いころから、気が弱かったという。「もめ事が嫌いで自分から謝るほうだった。人に好かれたくて、周りに合わせて我慢することが多かった」

 小学校から高校までは剣道一色の生活だった。稽古では、しごかれていつも泣いていた。辞めることばかり考えた時期もある。しかし、剣道の推薦で高校に進学、主将を務めるまでになった。

 奥本被告の実家の家族は「反抗期らしいものはなかった」と振り返るが、それは、イライラを人前で隠していただけだった。小学校高学年のころは我慢できないときに棒で石をたたいた。その後、感情を抑えられなくなったことは記憶にない。

 福岡高裁宮崎支部の控訴審で実施された心理鑑定の報告書は、情緒面をこう分析したという。

 「普段は外からの刺激に節度を持って対応できる。しかし、衝動を抑圧しているため本音を出せない。衝動を小出ししないため、コントロールできなくなったときの耐性は訓練されていない」

 義母池上貴子(いけがみ・たかこ)さん=当時(50)=と妻くみ子さん=同(24)、生後5カ月の長男雄登(ゆうと)ちゃんの3人との同居生活は、奥本被告にとって我慢の連続だった。義母に叱責されても謝り続けた。「お金がなくて、結納や結婚式ができなかった自分が悪いんだ」と。

 働き手は自分一人で、家族のために仕事をするのが役割だと思っていた。でも、義母と妻子の「仲間」に入ることはできず、仕事が終わっても会社の近くに止めた車の中で深夜まで過ごし、出会い系サイトで知り合った女性にメールした。

 そして事件の6日前に義母が言った、故郷を侮蔑する言葉。もうコントロールできなかった。

 話し合えば良かったのではと、検事や弁護人に言われた。控訴審判決も「家裁への調停申し立てなど解決方法を探る手だてがあったはずだ」と指摘した。しかし、当時の奥本被告は気持ちを表現する言葉を持っていなかった。「人と議論したことがなくて。どうしていいか分からなかった」

 妻子と3人で暮らし、公園で雄登ちゃんとキャッチボールをするのが夢だった。「1人で解決できると思って一生懸命やったけど、僕には、そんな力や知識がなかった」(<下>に続く)

 

・【宮崎市の家族3人殺害事件】傍聴席から見えなかったもの 短い審理、息苦しい法廷 「思いが伝え切れず」 3回続きの(下)2012/08/09 07:05
http://www.47news.jp/47topics/e/232352.php

 2010年11月24日、宮崎地裁の204号法廷。奥本章寛(おくもと・あきひろ)被告(24)の裁判員裁判は5日目を迎え、検察側の被告人質問が行われていた。

 「出会い系サイトで知り合った女性とメールするくらいなら、妻に連絡しようと思わなかったんですか」

 「…」

 「分からないなら、分からないでいいですよ」

 「はい分かりません」

 家族3人を殺害した動機や、当時の状況を問われた奥本被告は、何度も「分かりません」と繰り返した。本当に分からない質問もあった。しかし、検察官が時間を気にしていることに気付き、即答できなければ「分かりません」と答えた。

 奥本被告の目の前には、裁判員6人と裁判官3人が並ぶ。背後の傍聴席は満席だった。

 「息苦しくて、証言台では足がガクガク震えた。弁護人も厳しい顔で質問するので、味方は誰もいないような感じで、早く終わってほしかった」

 午前から夕方までの約5時間。検察側と裁判所側からの質問は、計1400を超えた。

 拘置施設に入って以来、人と話す機会も減っていた。「話すのが久々で、頭が回転しなかった部分もあったと思う」と奥本被告。弁護人には、疲れ切っていたように見えた。

 初公判から求刑まで6日間だった一審宮崎地裁の裁判員裁判。奥本被告には「時間も短く、思いを伝えきれなかった」という思いが残っている。

 09年に裁判員制度が導入され、刑事裁判は調書など書面による証拠よりも、法廷での証言や供述を重視するようになった。同時に裁判員の負担を考慮、短時間で集中的に審理するようになった。

 元東京高裁判事の村上光鵄(むらかみ・こうし)弁護士は「裁判員裁判で被告の弁解の時間が十分取れないとすれば、構造的問題。重大事件の被告が未熟で意図を表現できない場合、プロの裁判官より審理に時間をかけ、話しやすい雰囲気をつくるべきでは」と話す。

 福岡高裁宮崎支部の控訴審判決は、奥本被告の「分からない」について、「答えられないのがやむを得ない質問もあり、反省していないと評価するのは相当ではない」としつつ「過大には評価できない」と述べ、一審判決を揺るがす要素とは認めなかった。

 独居房で毎日、事件のことを思い返す。3人の冥福を祈り写経。仏教を学ぶことで、償いになればと考えている。

 最近、文章の書き方に関する本を読み始めた。「気持ちをうまく言葉にできるようになりたくて」。それが願いだ。(了)
(共同通信)


<宮崎・家族3人殺害>「自由なくストレス」/奥本容疑者「義母に反抗できず」(毎日新聞)March 08 [Mon], 2010, 22:46

 宮崎市の家族3人殺害事件で、生後6カ月の長男雄登ちゃんの死体遺棄容疑で逮捕された宮崎市花ケ島町、建設会社員、奥本章寛(あきひろ)容疑者(22)が「自由のない生活でストレスをためた」と話していることが7日、接見した弁護人への取材で分かった。弁護人によると、「義母と妻が数日おきに理由もなく怒りを爆発させ、怒られていたが反抗できなかった」とも説明。一方で謝罪の言葉も口にしているという。

 奥本容疑者は調べでも「家庭内に力関係があり、自分の居場所がなかった」などと供述。宮崎県警は妻くみ子さん(当時24歳)と、義母池上貴子さん(当時50歳)への恨みが背景にあるとみている。

 また、1日夜、第一発見者を装って「2人が死んでいる」と110番したことに関し、奥本容疑者は弁護人に「外部者の犯行に見せかけるため、部屋を自分で荒らした」と話していることも新たに分かった。

 昨年3月に結婚した奥本容疑者は7月に池上さんとも同居し始めたが、弁護人には「2人とも機嫌が悪いと、すぐにカッとなり、びくびくしていた。しかしお母さんに気に入られたかった。だから口答えできなかった。この状態を続けることが苦しかった」と話し、何度か離婚話も出たという。

 また「家計は妻が全部管理し、自由になるこづかいはなかった。給料は手取り18万円程度だが新車のローンがあり、経済的にも苦しかった」と説明している。

 捜査関係者によると、ローンの返済で生活費の多くは居酒屋などの従業員だった池上さんが負担していたとみられ、2人から「稼ぎが少ない」と言われたこともあったという。

 奥本容疑者は、雄登ちゃんの遺体を自宅から約800メートル離れた勤務先の建設会社の資材置き場まで車で運んで埋めたとして、2日に死体遺棄容疑で逮捕された。奥本容疑者方ではくみ子さんと、池上さんが頭を殴られて殺されているのが発見された。奥本容疑者は3人の殺害を認めているという。県警は近く殺人容疑で再逮捕する方針。【小原擁、川上珠実】



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3 コメント

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小樽飲酒轢き逃げ (Unknown)
2014-10-25 07:34:57
札幌地検が海津雅英被告(31)ぉ危険運転致死罪に訴因変更致しました。

これもフェミニストの執念でしょうか?(被害者ゎ③人とも♀性)

もし被害者が♂で加害者が♀ならば反対に減刑嘆願が集まるでしょうね(殺人♀子アナのチノパンも罰金刑で済んだし)
Unknown (ノブ)
2014-10-31 08:23:08
執念より怨念に感じますね。
救いのある社会とは (Life)
2014-11-12 01:00:19
ニュースでこの事件を今更ながら知りました。
事件の全容は余り片寄りの無い報道内容だと思えました。
この報道で一番に思い浮かんだのは、今更ながら司法の人達では思考力が低下もしくは停止する程自尊心を傷付けられる事があるとは理解し難いだろうと。
どんな理由であれ我が子に手かける事は許し難いです。しかし子殺しを行う程精神を追い詰められる日常の異常さがあったのではないかと事件を知る中でかんがえさせられました。
奥本死刑囚の御両親が報道の中で、顔を出しておられ、息子の不始末を詫びその上で見守ると語っていました。自分が親なら同じように出来るか問われれば正直自身がありません。
この御両親の姿勢を見て、より一層奥本死刑囚は至極真っ当なご家族の中で育った人で、新たな家庭環境により変節したのではという認識をせざるおえません。
余談になりますが、私は女性で実際の社会・職場の中で、この姑の様な言動行動と思える場面が多数存在します。勿論クレームがきますが、培ってきた性格生き方に本人は悪いと認識していないので残念ながら変えられません。

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