まほろばの泉

亜細亜人、孫景文の交遊録にある酔譚、清談、独語、粋話など、人の吐息が感じられる無名でかつ有力な残像集です

或る日の郷学 Ⅱ

2008-03-24 15:56:23 | Weblog

     或る日の郷学研修会  

下中平凡社相談役  安岡正明氏一人置いて卜部皇太后御用係

前号より

江戸時代までは権力者武士を制御するものはありましたけど、庶民を制御するものは当時の名主さんと庄屋さんとか近所の長屋の爺さんとか、「これが駄目だよ、あれが駄目だよ」と、徴税、裁判などの権限を持ちながら郷を治めていました。

その代わり皆勉強したんです。その頃は、寺とか塾、あるいは農閑期に神社に集まって和算などを学んでいました。この郷学というのは、当時学校なんかありませんから、こういう古典よんで皆勉強したんです。そして農民や店子やそうゆう人たちにいろんな勉強を教えたんです。当時憲法はありません、無くても良かったんです。あの二宮金次郎の銅像がありますが、薪をしょって何を読んでいると思いますか。四書五経にある「大学」です。

ですからこの国の人たちがモトの勤勉、正直、礼儀、忍耐とゆうものを本当に子供の頃からの培ったものがあれば学歴なんか別して憲法も必要ないし、法律ももっと少なくてすむんじゃないか、弁護士に大枚払わなくてすむし裁判所も煩雑にならなくて済むという事です。

いわゆる戦前まで近衛さん、西園寺さん、吉田茂さん、細川さん、安岡正篤さん、尾崎ホツミさん、こうゆう人たちはその意味での日本および日本人の情緒の崩壊を心配したんです。心配した時に何するかと言うと弱いものが強い者を叩く時は武力では敵いません。
同じ武力か、それ以上がものがなければ出せません。弱い人が強い人叩く時は謀略です、騙すしかないのです。あるいはもっと大きな力を使うんです。外国の力もあります。

実はみな謀略って難しいように言うんです。欺いたり、嘘ついたりなんて皆そうですね。よく家族の中でもそうゆう事よくあると思うんです。この『嘘』ってあります、嘘、ハクといって、中国では空気を吸って酸を取り入れ二酸化炭素を出すこの行為が嘘(ハク)これです。嘘は誰でもつくんです自分を守るために。


これを前提に立った上で今まで起きた謀略を眺めるんです。今まで起きたことを、例えば以前中国共産党の毛沢東が一番ですね、その後ナンバー2朱徳さん将軍の甥さんが台湾に住んでいて反共新聞を作っているんです。共産党がいけない、いけないとやっているその人が中国ナンバー2の朱徳さんのお使いで中曽根さん所に来たんです。何しゃべるかを言うという二人だけの関係にしましょう。事実その甥を仲介した人に話を聞いたんですが、これがわからないと謀略なんて分かる訳無いんです。データに出したり、科学的根拠なんかあるわけないんです。

先ほどのゾルゲのビデオを見ていただきましたね。この地図ですが、分かりやすく説明しますと、実はこの時ドイツが戦端をロシヤに東部戦線を開きましたね、もし日本が満州にいるので挟み撃ちになってしまうんですね。どうしても日本がここにいる、満州とソ連の国境に大軍を置いている。日本軍を北進じゃなく南進しようさせる、その謀略が成功して国境にいた精鋭部隊がスタ-リング・グラードに行ったのでドイツは負けたのです。

このために日本を南に向けよう、米英と衝突させようとしたのが大謀略なんです。そのとき何を彼らがやったかと言いますと一つ、田中義一当時の首相の自伝にあるのですが田中上奏文と陛下に上奏した時の文章だと言われているものですが、真っ赤な偽物ですが、これがこう書いてあったのです。

それは「世界を征服するにアジアを征服するにありアジアを征服するにシナを征服するにあり、シナを征服するには満州を征服するにあり」こうゆう文章を陛下に出したとゆうことを世界に打電してしまった訳ですね。
でも陛下には渡っていないんです。

この機密文書にある一章は日本の政友会田中義一の参謀長某陸軍大将の満州征服計画を機関としてやったと、しかしこれが中国の特務工作によって手に入れたものだが極東軍事裁判において共同謀議の動議として法廷で調べられた。実はこの文章を見て米国は、日本は危ない国だと思ったわけで徹底的に日本を敵だと。

これは誰が作ったというとある国際問題研究所という組織の人間、この国際問題研究所とはいうのは、この資料を頂いた方との対談があります。

もう一つ人間というのは向こうの言葉でいえば、「逢場作戯」とゆう言葉がありまして、逢う場所によって作る演技。こっちの人にこう言えばこっちの人にこういい。ある時ありましていやーあーご高名はよく存じておりますがなんて言いながら向こうの裏に行けばところであの人、「誰だっけ?」と平気でやる。

中国の人が悪いとか良いとか言うよりも習い性で、わが身を守ることができないと生きていけない国情だったのですから。当然私達もやるでしょう。ただそれが永年続いている国ですから謀略に関しては本当に上手です。

実はこの問題をゾルゲの映画になりまして篠田正浩監督がゾルゲをやる尾崎ホツミの映画をするとゆうことで、実は問題研究所というものがありまして、ゾルゲは御前会議で決定されたことを早くスターリンに言う、ある意味では情報屋、トップ屋やみたいなものなんです。

そうじゃなくて御前会議にいる人たちがこうゆう判断をするんだと仕込まないといけない組織があった、それが中国国内にあった。だからゾルゲ事件が皆ああいうふうに取り上げられていますが、本当はもっとその奥に、中国国内で例えば「通州事件」などは、日本の若い女性とか子供いっぱい殺せば、日本人はおっちょいで気が短いから、直ぐ入り込んでくるだろう言ったのが「通州事件」だと言うのです。その殺し方は残虐です。歴史文章では表わせないが、当事者の語りです。

あるいは盧溝橋事件もそうですね、抗日運動あった北京のことを、全学連委員長が日本に来てちょっと話しています。その時になるべく元気のいい若者を集めて共産党の訓練所で教育して盧溝橋に連れていって両方に撃ったんです。 日本にも煽り、同調した者もいるが、やりたいものと、やらせれば漁夫の利を得るものがいたわけです。一種の裏談合です。

そうすると両方があいつが撃った、こいつが撃ったで、戦争が始まるわけです。これが事実その通りで、謀略がすべて盧溝橋、西安事件の全てになってきて、何故するかというとどんどん南に日本を引っ張ろうということ、今考えると中国政府としてはいろんな言っていますがやはり引っ張る、引っ張られたことで、「蒋介石がやっつけられ共産党政権が出来た」と、一時は周恩来か小平は日本の御陰こういう国が出来たと言っていたが、今と全然逆のこと言っていた、これも一つの彼らの生き方です。

強い者にはおもね、弱い者は徹底的にはねるという。この国際問題研究所の指導者一番のトップ「王大偵」(王凡生とも)は日本におりまして、日本のいろんな重要な人たちに会っています。この国際問題研究所の大部分は共産党員ですが、みな巧妙に姿を隠して蒋介石に真下の軍事委員会国際問題研究所というのを作った。

例えば北朝鮮の人たちが韓国の大統領の特務機関に全員入ったとこう思えば良いです。だから全て起きることは当たりですし、自分達が起こして自分達が報告するんですから全部当たりますね。これで蒋介石は信用するんです。王は何をしたかというと太平洋戦争真珠湾攻撃、これをアメリカの武官に知らせる。このとき3週間前に真珠湾攻撃を分かっていた。これは指揮官も分かっていた、そしてソ連に満州に参戦の機会を与える。なるべく日本を南へ、南へ行かせて英米とぶつけるんだと、これが国際問題研究所の一番の仕事なんです。その為にいろんな事をするんですね。

ところが今の日本の書籍見たりしても、学者先生なんもそうですが、切り口が悪いのか、謀略でこういうもんだと僕が言うと、調べるのに名前から調べるんですね、名前なんて幾つもありますね。私も一つではない。あのグリーンドアのマスターがこんなの書いているのか言われると妙に増幅や錯誤が起きる、だから名前を変えています。この謀略やる人は中には7つ8つぐらいの名前が有ります。

この人死んだはずだという人の死亡報告が出ていても生きているんです。
よくそういう事有りまして実は中国の宦官が有りますが、宦官の募集は何年何月に終ったと日本学者は言うですが、そんなことはないんです、ちゃんとまだ居るんです、死んだ人の名前でそこに入いるんです。ですから日本の学者はそこまで見えないんですね、したたかに見るんです。別に聞いてみれば、おう上手いじゃないかいい頓知だよ、名前を変えて保険証もらうにみたいな話でね。

ところがやっぱり学者は歴史上検証したものを文字で書かなくちゃいけませんから、まさかそんなことを書けませんからね。
だから我々はそういう世界の中では意外と難しいと、いわれている歴史を、もうちょっと利用したらいい、活用したら良いんです。

それとスパイは与党の中枢に侵入します。池田総理の親友で宏池会の資金、政策を握った信頼する側近もその例です。
◎さんが伝えた。××君はシベリアの抑留でソ連の執拗な勧誘を受けた。大蔵キャリアもあるが、エリートは肉体衝撃と内地帰還の願望が強い。
××君は「実は約束をしてしまった・・」と告白した。そんなことは暗記エリートにとっては日常茶飯事だった。「よかった・・女房子供も心配だろう」◎さんは複雑な気持で応答したといっていた。

これらはラストボロフ事件のときに訪米して聴取した柏村警察庁長官がすべてのリストをつかんでいる。
池田さんの件も、側近の大平さんが徐々に切り離すだけで表立ったことはしていない。面子、体裁もあるがスパイ天国になる土壌は日本にある。

日本の高位高官はそのような者の集まりのようですが、何も学校の勉強で何年何月何にあったなんとかの勉強するのは本当の勉強じゃありませんから、自分の人生、生活の中であの頓知を学んだ方がいい、あの先ほど申し上げた児玉源太郎、秋山真之の日本人の頓知は素晴らしいですね、30何前まではきっとチョンマゲ結って草鞋はいて籠でも担いでいたんじゃないかと思う人たちが、30何年たったら世界最強のバルチック艦隊をやっつけるような能力がある。

どこにそんなのあるかというと、当時江戸時代末で外来は単に蘭学でした。適塾とかいろいろな塾、藩校ありましたけど蘭学ぐらい習ったり、長崎いったくらいでせいぜいたいした勉強じゃないと思うんですね。ところが30年々たってあそこまで行くというのは、我々がどんな良い学校歴持ったって、良い地位もったってあそこまで考えらないですね。

あの北朝鮮がミサイルでいえば、3兆円のお金を出してミサイル防衛構想を買い取ったって、湾岸戦争の時1兆円で済んだのに3兆円平気な顔して出しているんです。或いはワシントン州から座間へトランスフォーメーションで来て岩国へ行ってグアムヘ行くあのお金がまた3兆円ですね。

6兆円平気で出ているんですね、ああ知らねぇや、ワールドカップのほうが良いや、とね。これは歴史を知らないという事と、同時に知らなくても良いような生活を人がしている今のご時世で、大塚さんもおっしゃられた、ああ日本人が変っちゃたねぇって、嘆いてばかりいてもしょうがないので、こういう会を始めた訳で、先ほど申し上げた「偽私放奢」(ぎしほうしゃ)偽り、私、放埓、おごりですね、これは誰でも出ます。嘘もつきます、公ごとより私を優先したりします、放埓いわゆる実直ではありません。

しかし、こういう風になってしまうのが分かる訳です。我々でも、流行や色んな欲望をコントロールがつきません今の時代は・・・、だけど少しでもこれを知っていて抑えていけばまだ蘇る、さもないとこの国はもたない。今のままだと本当にもたないと思います。

ある時にアメリカブルックリン研究所、ワシントンのホワイトハウスに有名代議士や駐米大使来たそうです。研究所で米国側として私の友人が尋ねたそうです。日本は北朝鮮政策をどうするのか聞いたそうです。いやぁ、中国はねぇ・・韓国はねぇ・・と言って全然質問に対する意見に返事がなかったそうです。
あなた方は最高学校歴をもってねぇ、俸給たくさん貰って国家国民の為に努力してるんじゃないのかと腹で思ったそうですよ。

そんな体たらくな高官とか政治家の重要人物だとなると、ブルックリン研究所では日本人は言葉がない、と。あれだけの地位と役わりを持っている人がきても何ら言葉もないし意思もない。
前々回の郷学でのすピーチですが、これは事実だそうです、本当に。このような実態を我々は見ることもないが、はたして地位や名誉や学校歴を追い求めることが果たしてどういうものなのか、また、どんな結果を国に導くのか考えるべきことですね。

こちらに吉田ユウ恵さんという元気のいい夫人が来ておりますが、筑波おろしのあの場所であえて都会に出ず、色んな研鑚をなさって様々な相談事にのったり、活動をなさっていらっしゃいます。このような人が日本いたる所に点在しているんですね、これがやはり深層の国力いうもので、これが日本を支えているのです。ここに来ている方々はそれなりの方々で、それなり特徴をもっている方々だと思います。そして、自分の特徴を早く発見してそれを伸ばそうと努力をしている方だと思います。

人の物まねとか流行を追うとかで人間を亡くすよりかは、早く自分の64億分1の特徴、それを発見してね、それを伸ばし、このような努力を積み重ねていかなければ、こういう騙される国になってしまうし、人の謀略も解らない。こういうことが国や国家だけでなくわが身も滅ぼしてしまう。

今までいろんな話をさせていただきましたがいろんな方々、とくに長老の皆さんに会うと嘆き、悲しんでいる声をよく聞きます。また子供達を見ても心配することが沢山有ります。それで我々中間世代が何かを行おうと、こんな郷学やっているのです。

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