まほろばの泉

亜細亜人、孫景文の交遊録にある酔譚、清談、独語、粋話など、人の吐息が感じられる無名でかつ有力な残像集です

トランプ的経国は如何   露呈した地方の腐敗に創生はない

2018-02-02 21:17:17 | Weblog

多くの既得権者の神輿には乗らない、かつ遅いものに合わせる艦隊行動でもないが、龍馬も「世の中をセンタクする」と言っていたが、当時の志士は無頼で反動的人物と世間では映っていた。どこか時節感はある人物だ。

17  2月の再掲載


以下は、全ての対象についてではないだろうが、国民の多くはその様に感じているのではないだろうか・・・・

一昨年、警視庁捜査二課の立件はゼロだった。元総監鎌倉氏は「警視庁はサンズイ(汚職)は取れなくなった」と嘆いたが、翌年は国交省の羽田空港がらみで年度初めから忙しいようだ。加えて数多の自治体議会では政務活動費(調査費等)の私的流用で返金騒ぎが続いているが、舛添的議員の多発現象と国会議員の政務活動費や献金にまつわる返金や「法には触れてない」の合唱は国民の善悪分別に多くの影響を与え、ボディブローのように様々な部分に悪影響を及ぼしている。

つまり関わる運用官、そして統御する為政者の「信」が微かになってきたのだ

これではどんな良い政策でも末端には届かない。行政導管の詰まり現象であり,公位にある人間そのものの劣化でもあろう。

 

腐敗ではあるが無闇に目くじらを立てるものではない。

もともと住民は弛緩(ゆるみ)から怠惰に陥った地方政治や行政について「これが議会制民主主義というものか・・」と諦めをもって見ていたところの腐敗の露呈には、それほどの驚きや混乱もない。

律令時代の十七条制定のころから公位にある者たち(官吏)の天皇の輔弼としての役割を恣意的な専権や既得権として任務を汚す弊害として、民からの収奪や法の恣意的(思いのまま)運用となり、天皇の大御心(権威)を屏風として国権を毀損することへの憂慮があった。

十七条は簡易な職務規定のような記述だが、それでも守られることはなかった。

 

以後、権力者は武士や大臣と名を変えても、鵺(ぬえ)のような存在は日本人の性癖のように纏わりついた。或る時は低頭して武士や軍人に迎合し、近代を冠とした文明や文化にくくられた社会においてもバチルスや権力パラサイトと揶揄され、税制度が確立された現在はタックスイーターとして、より狡猾強固となり「公権力」を担保に増々増殖している。

 

地方政治は、゛主だった者゛が疑似権力となり議会や誤用委員として、政策遂行者である官吏に纏わり、しがみ付き、おこぼれを頂戴している。落ちればタダの人といわれる議員も官吏の手のひらで踊っている。

 

               

               青森県鶴田

 

 慎みがなく狡猾になった政治の末路

 政治の末路と書いたが、曲がりなりにも国家なるものを構成する組織体である、立法府、内閣が司る行政府、善悪の判断をして裁く司法にたずさわる人物の変容とする方が解りやすい。つまり、公共機関に関わる人たちの言論や行為の基となる座標がオボロゲニなったように思えるのだ。

 

これは、見方や切り口でもあるが、敢えて部分にこだわりアカデミックな論を労せずとも、社会の雰囲気、人の動向などに、覆うような暗雲のように筆者は推観する。

世俗を眺めたお節介のとりこし苦労と一抹の認識不足もきらいもあるが、ともあれ標題の表象が認識として、いままでにない感覚で覆うのだ。

 

その具体例は毎日のように、しかも途切れることなくマスコミに載る公務に位置するものの不祥事として慣らされてきた国民の意識の薄れでもある。「またか・・」、まさにやりきれない津々浦々の現状だが、そもそもその解決と世俗の整理や問題解決を委ねられた人間による金や男女間の不祥事ゆえに、置き所のない怨嗟としてアキラメにもなっている。

発生源は教員、議員、官吏などさまざまだが、民間の利得が加わると関係者は途方もなく増大する。

 

教員は田中角栄氏が特別な優遇を与えたころから緩んできた。賃上げや待遇改善を要求する教組も優遇教員の加入率は落ちたが、獲得した既得権は担当授業の短縮や研究日と称した週休二日とあいまって、団塊のころから比べて就労時間は半減している。

理由はさまざまだが、「智は大偽を生ず」「利は智を昏からしむ」のたとえ通り、言い訳や仲間内の舐めあいで世間を煙に巻いている。優遇は誰のためのものなのか、そこのところは理解が昏いようだ。

 

議員は中央地方問わず、政権のポチとなり、見返りにお手盛り金(遊興費)はエサのごとくおとなしくなっている。世のため人のためと這いつくばっても、所詮、失業対策選挙と国民は理解している。政治家は人をだまして雄弁家という、まさに古今東西その頸木から抜けられない。それは主義主張では飯は食えないと諦観を持っている大衆の写し絵のようでもある。デモクラシー変じてデモ・クレージー、まさに言い当てて妙だが、碩学の言だ。

 

                               

                

                  

                  悠仁親王殿下 おしるし「槇」

 

官吏は公務員変じて公無もしくは狡務員と揶揄される。世の親は「公務員になりなさい」が受験にいそしむ我が子への激励だが、これでは社会主義社会もしくは縁故公務員の増殖によって国家が傾いたギリシャのようだ。隣国では男性器を切り取ってまで宦官となり宮中に入ることを熱望する。「一官九族に繁える」、家族が高官になれば「昇官発財」財を発生し、「九族」親類総てが繁栄する。不思議と教員の子は教員、警察官の子は警官、多くの公務員の子弟は公務員になっている。まさに水は甘いのだ。

政治権力を受任した宰相の取り組むべき課題は「行政改革」ではなく、緩み切った綱紀粛正であり待遇や制度をいたずらするだけでは是正が不可能な状態に陥っていることを気が付かなくてはならない。俊英な官吏は十分承知している

テレビで人気者だった教授が、隠し財布の特別会計は別として、本会計の国債関連を除く税収と公務員の給与の比較を持ち出したら、即刻テレビには出られなくなった。この電波管轄は総務省だ。

 確証のない話だったが、財布を計算すると意味は分かる。45万の収入で、30万以上の小遣い(給与)を払って残りが15万。これからローンの利息(国債)と元本返済、家を修繕したり(事業)、交際費(外交)などは賄えない。それゆえ足りない分は毎年、親(国民)から借金をしてどうにか必要な80万を家計費とするが、親からの借金は、あなたたちが使ったものなので、いつか返してと親に言うのと同じだということだ。なんで実質収入(税収)から小遣いが(公務員給与)が30万以上なのか、必要経費だとしても、その部分の節約、節制なくして家計はバンクするのは当然だ。全予算ではなく徴収金の大部分は給与ということをこの教授は指摘したが、以後、マスコミでも口をつぐんでいる。まして隠し財布など口に出したら、江戸の仇は長崎で討つ、の倣い通りにどこかでしっぺ返しがあると、みな判っているようだ。

 

※  H24   国地方合計人件費 26兆9000万 

他の項目に潜り込ませている金額を合わせると約35兆とも言われている。

※  H28   国、地方の税収   89兆 消費税14兆

※  2015年度、国の一般会計総額96.3兆円 歳入2015年度税収54.5兆円 差は41,8兆円

※  社会保障費31.5兆円 公共事業費5.9兆円 国債費23.4兆円 地方交付税15.5兆円 その他19.8兆円  新規国債発行額36.8兆円 税外収入4.9兆円

「生きている人間のこと、いろいろある」と彼らも当たり前のように言い募るが、邪な既得権者は知恵のないセリフを逃げ口上にする。「どこでもそうだ」と続くと、「こんな社会には居たくはない」と考える国民も多くなる。

 

社会が弛緩(ゆるむ)してきたといわれて久しいが、いくら法治国家でも如何ともしがたい。

国税の恣意的徴収や警備から民生に移行した警察も道路からの様々な収益増加とともに士気が衰えたと、各々のキャリアOBが嘆いている。

金と法律のみで国家が運用されると思っているのか、それとも数値教育の課題に慣らされた思考習慣では問題意識の喚起も起こらないものなのか。

 

《下は上に倣い、上下こもごも利をとれば国、危(あや)うし》

《外の敵、破るは易し。内の賊、破るは難し》

 

それほど内政は難しいものだが、かといって外の危機を煽り落ち着きのない外交をしていると、より官民ともども緩み、己の既得権や欲望を喚起するようになる。

どこへ行っても地方の商店街はシャッター通りと化し、活性化だ、安全安心の暮らし、と大声で謳ってもその劣化はより深化している。

官民問わずその組織は上下の調和はなくなり、マニュアルやコンプライアンスで自縛している。いや、戸惑い反目しあう組織となった。

 

                                  

              葵(あうい)の在るところ神は降臨する  上賀茂神社

 

あのトランプ氏も若かりし頃、「もし破産したら明日は何をするか」の問いに、こう述べている。

その時は大統領に立候補するかも・・・・

『喜んで人生を国に捧げたいが気が引ける。鋭い視点を持っている政治家もいるが世間には人気がない。意見は正論でも人気はない。笑顔が魅力的だからといって当選する無能な政治家もいる。ここが政治の悲しい点だ』

実に素直な意見だ。 

そして選挙では

『隠れていた多数派が戻ってきた』と、さすが内なる賊が見えている

コメント
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