まほろばの泉

亜細亜人、孫景文の交遊録にある酔譚、清談、独語、粋話など、人の吐息が感じられる無名でかつ有力な残像集です

まん延防止策と緊急事態の違いは?

2022-01-24 10:18:24 | Weblog

東京から郷里の土佐へ戻った伴さん(共同通信)が、はりまや橋商店街で夜学会をおこなっている。まさに郷里の学(郷学)によって人作り、郷起こしを期待した彼らしい行動です。

伴さんが会長をしている財団法人国際平和協会の創立者 賀川豊彦氏


まん延防止策と緊急事態の違いは? 夜学会 195
2021-04-09

政府は4月5日から仙台市や大阪市、神戸市など6市に対してまん延防止等重点措置を適用、次いで東京都、京都府、沖縄県なども対象とする考え。

突然出てきた「まん延防止策」って緊急事態とどう違うのか戸惑いが小さくない。飲食店の営業時間の短縮要請や都府県をまた移動の自粛要請など内容はほとんど変わらない。「まん延防止」という柔らかな表現で国民への刺激を和らげるのが目的としか思えない。

「まん延防止」は新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正した際に盛り込まれた条項にすぎない。法律改正要綱には次のように書かれてある。

「現下の新型コロナウイルス感染症に係る対策の推進を図るため、「まん延防止等重点措置」を創設し、営業時間の変更の要請、要請に応じない場合の命令等を規定し、併せて事業者及び地方公共団体等に対する支援を規定するとともに、新型コロナウイルス感染症を感染症法において新型インフルエンザ等感染症と位置付け、所要の措置を講ずることができることとし、併せて宿泊療養及び自宅療養の要請について法律上の根拠を設ける。」

改めて、霞が関官僚の言葉遊びにあきれてものが言えない。一方で、ワクチン接種の動きは緩慢なまま。日本は新型コロナウイルスの発症以降、1年以上がたつのにPCR検査は不徹底のまま、多くの民間病院への感染者受け入れも進んでいない。これでは国民に危機感が伝わるはずもない。

 

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「おもいは見えないが、思いやりは見える」とはいうが・・

2022-01-20 16:35:35 | Weblog


          23年3月28日 増上寺の桜


昔、古老が呟いていたことを覚えている
電車の座席で年寄りがむきたらどうするか、ということだ。
古老も八十を当に過ぎている。黄門さんのような杖もついている。
「高校生が座っていた。青白い顔をしてこちらを見ていた。゛悪いね、気を遣ってもらって゛と目礼したら、苦しげにはにかんでいた。向かいの学生は、白髪だかオレよりずいぶん年下の中年に席を譲っていた。その中年はさも当然と礼も言わずにデカイ尻をねじ込んだ。両隣は漫画を読んでいる女子と手鏡を覘いている会社員だった。」

複雑な光景だった。

「いゃ、青い顔をしていた高校生は譲ろうと思っていたが、具合が悪かった。こちらを向いて、゛わるいね゛と目礼した。気が合った、つまり仏教の教えの成立だ。一方、立ち上がって無礼な中年に席を譲ったのは、儒教のようだ。たとえ形式でも二人とも譲ることは判っている。だが一方は具合がわるかった。一方は長幼を配慮して立ち上がった。無礼な中年には苦い気持ちがしただろうが、譲ることは成立した」

目で見えることと、察することの違いだが・・・

「在日一世と息子の話だが、親爺の前ではタバコも吹かさない、酒も両手でグラスをもって隠すように身体を正面から外して飲んでいる。ドライブに行っても休憩所では一目散に喫煙所に駆け込んでいた。いつもタバコは野蛮人が吸うものだと親爺はいう。」

ところが・・・

「その親爺がオレと一杯することになった。女のいるスナックだ。暗がりの中で蛍のように赤くなっている手元は親爺だった。煙草をうまそうに吸っている。マイクを向ければ、゛山茶花の宿゛不倫の歌だ。孫が爺さんの誕生日にカラオケを持ち込んだとき苦虫を噛み潰したような顔をしたことを聞いている。」

『儒教の国は大変だね・・』
「今度は苦虫ではなく杯を挙げた」

「ところが親爺の前では縮こまっている六十代の息子は親爺のことを、゛あの人゛とよんでいる。儒教は形を重視するが、やはり心が真実でなければ形骸化する。人と人の関係は社会の表層を飾るだけで真の信頼はない。イザというときには国家も霧散する。その点、四角四面といわれる日本の政府官吏の内面も怪しい限りだ」

見えないものを理解する・・・

「ただ、目に見えないだけだ。高校生の顔色をみれば具合が悪いことはわかる。目を見れば譲りたいが立てないことも判る。それでいい。だか、イイと思わない人間もいる。本当はそのほうが問題なんだ。あの元気な中年もそうだろう。電車は目的地まで運んでもらうもんだ。狭いところに尻をねじ込むより、立っていたほうがいいこともある。それより、屁理屈だが運賃先取りするのもおかしいと思わんか。乗ったところが判るなら降りたところで運賃払うほうが・・・」

たしかにETCもそうなっている。そのうち間違いのない内蔵チェックができればそうなるかもしれない。屁理屈とは言うが、古老の理由は必然のようだ。

「民族の情緒は口に出さないが、信頼という阿吽が理解できることだ」

行動は義烈を旨として智慧も突破力も抜群な行動がある古老だが、ときに淡々と語る将来の必然の観察は時空を超えて騒然とした世界に甦ってくる。

古老の名は岡本義雄という。

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