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まほろばの泉

亜細亜人、孫景文の交遊録にある酔譚、清談、独語、粋話など、人の吐息が感じられる無名でかつ有力な残像集です

面子と実利の中国   阿諛迎合と四角四面の日本 「再」

2020-08-20 06:39:05 | Weblog

             満州皇帝溥儀   秘書長 工藤 忠


≪22年6月24日の掲載です≫


アジアンセキュリティー?への理解

いい加減と曖昧さへの批評は今どきの合理主義との問題だが、たしかに規格化されて誰にでも納得する事柄は表層の納得になるようだ。

ごく整合性のあるものとはなるが、異民族との関係における普遍性のあるもの、つまり色、食、財の欲望の共通意識においては、表層をなぞるようで何とも的を得ない。

あるときは惨禍や死を共有し、功利性において互いの欲を忖度して交換すら行うこともあるが、ときには相互理解を読み解けない浅薄な人間関係しか構成できず、民族観すらなく国家間において些細な齟齬を起こし、その軋轢が戦争すら誘引してしまうこともある。

よく中国人は面子を重んじ、時として過剰反応を示し、日本人は四角四面で融通がきかない、歴史上柵封された朝鮮民族は好悪が烈しく激情する、など夫々が民族側面の特異について語られるときがある。民族性癖の表裏はときとして特性の優劣を問わず対象との相性によって大まかな歴史として刻み込まれている。

゛どうしてだ゛と問われてもアカデミックな分析評価では納得した答えは導けないものであり、敢えてこじつけても無理を生ずるものである。また、そうそう明確には語ることも憚れているが、漏れ語られるからこそ土壇場には重要な部分にはなるのだろう。






                

満州国総理張景恵は
   「日本人は四角四面でいけない。二三度戦争に負ければ丸くなるだろう」と



満州崩壊の留置場での佐藤慎一郎氏の回顧としてではあるが、毎朝意味もなく朝鮮人を引き出して漢人がいたぶっていた。何故だか解らないが今どきの「虐め」のようなもので、同色民族での異質性や素朴に刷り込まれた看守の民族慣性の行為だったのだろう。

普通は侵略者、支配者、偽満州官吏といわれた日本人がそうされると思うのだが、逆に引き上げ家族に「子供を置いていけ・・」と多くの日本人家族が促されている。混乱期の引き上げで多くの子供が中国人によって命が助けられ、自身の子供より大切に育てられた事実は肉親の情を超えた理屈のない、ある種の良質なバーバリズムにある素朴で純情な選択とも思えてくる。

趣は異なる余談として在日朝鮮の古老の呟きだが、いっとき我が国の好色男子に流行ったキーセンパーティで妓女を世話する俗称 ゛やりて女将゛は「日本人の種をもらえ」と、現地の男子より優先して日本人に世話をしていた。古老もあきれた口調だったが恐ろしきは巣を宿す女性の感覚である。







                 




「この子は日本人だ」と自慢すらされた。これも語るに憚れる話だが在日の中国人の多くに聞くと嫌いな民族は「大鼻」と呼ぶロシア人、次に朝鮮、『日本人ではないのか・・』との問に「いゃ、日本人は中国人に合うし嫌いではない」と応える。面前にした応答だけだとは思えなかった。今とは違い、日本人はおとなしいとも思えるが、当時は従順で異なるものとの調和心があり勤勉だった。何よりも維新とロシア戦勝、真珠湾とアジア有色の先覚の歴史があったことも影響している。それは優しさと厳しさと怖さでもあろう。


一口に中国といっても多くは言葉の通じない人々だ。吉林と上海では通じない。共通語は北京語だ。一昔前は薩摩と津軽ではチンプンカンプン、共通言葉は謡曲にある「各々方(おのおのがた)」、やはり難儀した。

もちろん好き嫌いもあれば反目もあるが、参勤交代、伊勢参り、公家落ち、国替えなどが機能してどうにか調和を構成していた。東アジアでも国家を構成しているなかで些細な齟齬が大なり小なりある。とくに古代より出たり入ったりしていると刷り込まれたように滞留している民族感情がある。

ことさら近代史のなかでの国家間の問題を問うまでもなく、偶然にも、あるいは必然的事情によって棲み別けられた人々の情緒から読み解かれる部分について興味ある応答を紹介したい。




                 





テクノクラートに聴いてみた。
『アジアも植民地であったが、在日米軍があるのはおかしいと思わんか』

「いや、日米安保も沖縄米軍も有ったほうがいい。無くなったらまた日本が軍事国家になる心配がある」

『中国の軍事力は増大しているが・・・』

「中国は幾ら強くても真珠湾はやらない。義には見習うべきものもあるが実利がないものはやらないし、中国人には出来ない。政府は常に軍を背景にして成り立っている。革命当時もそうだが外国に対するものではなく、国内の談笑している仲間にするものだ。おかしな話だが軍の力は武力と金を産む組織だ。それぞれの軍区は貿易会社もあれば武器製造もしているしミサイルも夫々飛ばしている。昔は軍閥があり中央政府が出来たころは功名を競い、いまは経済の重要部分まで浸透している強大な軍に政府も配慮している。ここでも面子が重要な意味をもってくる」


『でも、中国と日本が拘りなく仲良くなって協力したらもっと良くなると・・』

「問題があるからこそ彼等(欧米)にはチャンスがある。資金も技術も人も入ってくる」

『手段、方法は違うがうし、財も職も人も普遍的な欲望だとは判るが、国家としては・・』

「その繰り返しだということも分かっている。でも信じられるのは身近な人情と金だけのようだ。中国と一概に言われても何も解らない。それは中国人といわれても何を指しても当てはまるし、当てはまらないことでもある」

『白髪三千丈とはいうが、蛙が空気を吸って身体を膨らまして破裂した俗諺があるが、膨らますエネルギーと、破裂を抑えるエネルギーはイコールゼロになるが・・・』

「商売は生活でもあり、戯れでもあり愉しみだ。財が幾らあっても余計に落ち着かないし、不安だ。大陸とアメリカと日本に三分割して、縁者は欧米の永住権を取らせているものもいる。もともと国家観はない。ばらばらで砂のような民を湿らして手に乗せる潤いは狭い範囲の人情と財だ。それを前提としての信用だ」






                 





『人にも国家にも面子があるあるが・・』

「面子はたて合うものだ。その前に相手の面子を知ることだ。ぶつからず避ければいい。面子を聴こうとしても話すものではない。解かれば同じ物を食べて飲むだけだ。いまは説明しなければ判らない日本人が増えた、いや説明しても判らないようだ」

『欧米人と似て利のサイクルが早い』

「皆、上を見て様子を伺っている。いつでも、どこへでも行ける様にではあるが、商売は人を信じて出来ない。時と場所で実利を追うものだ。理想や空想は嘘のようなもの、悪党でも力のある者は善にもなる。これが力の論理だ。その意味では世界一自由な民族だ」


『実利が優先するのか』

「もちろんだ。偽満州の日本人官吏は賄賂も取らず清廉なことが多かった。たしかに懐かしくもなるが、下っ端には賄賂が流れてこない。これには参った。北京に進駐した日本軍にはみな面従腹背だった。或る将校が北京市内に百箇所の井戸を掘った。それでみんな落ち着いた。日本人を人間としてみた。実利優先のようだが一番人情を理解できるのも中国人だ」


『今の日本は・・』

「民衆が騒いでいないので良いと思っているのか何ともいえないが、真の自由は中国人のほうがある。あの明治維新の頃は日本人も柔軟で目標があり、アジアの憧れだった。義理も人情もうらやましい。もっとも中国の良い文化が残っているのも日本だ。アメリカは強いかもしれないが日本は上手くやっている。中国はいくら軍備を大きくしても不安を抱え続ける民族だ。日本にアメリカ軍が居る内は安心している。可笑しいかもしれないがそれが中国だ。強いアメリカに逆らっても損するだけだ。だが入ってきたら同化する。元も清も溶けて同化した。誰でも色と食べ物と金は欲しい。中国は全部ある。みな誘われる」


『水のように、柳のように・・』

「強ければぶつからず逃げれば良い、弱くなったら戻れば良い。土地まで持っていけまい。皇帝は舟で民衆は水だ。静かにしてれば浮かべるが、水が怒れば転覆する。でも泥水でも一生そこにと留まるし、渓流が小川になり大海になる。きれいな水も泥水も黙って受け入れる。そして国家を超えて天下、天と地の間に生きる。四角四面な歴史はともかく人は滅びない」






              





『国家は滅んでも人は滅びない。支配者の旗が代わるだけか・・・』

「身体でも硬いところから弱くなる。腰や膝も痛くなる。頭の固い人もそうだ(笑い)。でも柔らかい部分は衰えない。口と舌だ。政治も国も人から離れたり、人も自然から離れたら衰亡する。学歴の無い学習だ。学校へ行くと何かがなくなる。それが裁判官や政治家になったら国家も固くなる。衰える。日本人も中国人が好きなところがなくなりかけている。

日本人の善いところを思い出してくれるだけでいい。面子争いは戯れだ。仲良くなったら困る人もいる。その生き方ではあるが善なる規範を説く孔子も孟子もいるが、自然に生きる老子もいる。色々な主義を持ってきたり、入ってきたりしているが方便として慣れることが必要だ」

                     
                  イメージ写真は関連サイトより

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オヤジの戯言(たわごと) 2013 8 あの頃

2020-08-06 07:48:27 | Weblog



ことさら道徳心や公徳心をあげつらうものではない。
ただ、公徳心を喚起する社会なり国家の運動は、一方でデフレやインフレ、まして景気だと何でもアリの状況で、どこか矛盾することが現れているようだ。

それはいっとき騒がれた民営化にともなう規制の弛みが、いたずらな競争意欲をかきたて、かつ国営時代の独占的支配を、単に法的土俵を民と同様な位置におくだけでその施設や資材、土地の占有などに変化はなかったようにみえる。くわえ有効活用と利潤の追求が烈しくなった。

たしかに親方日の丸からの離脱だが、ことは人間の問題だ。参入障害をのこした独占状態は変わらず、企業は利益追求だとあらゆる手立てを使って多角的に進出している。電電公社がNTT、国鉄はJR、タバコはJT、道路公団はNEXCOと分割され、利潤追求に走っている。アベノミクスとやらで新幹線は延長され、国土強靭化を謳い道路は親延長され彼らの基礎的基盤は強化される。しかも管理経常経費は利用者が有無にかかわらず増大し、いずれ再国有化の憂き目にあわないとも限らない。

しかも分割されたとしても電力九分割(国内九電力会社)同様、原価、経常経費に利益を加えて料金を設定しているように、まず余計なことが無い限りつぶれることはない。いくら民営でも経済・生活の機関となる企業は政府が手を差し伸べざるを得ない、それが日本型の資本主義だからだ。だから勝手にアイディアをつくり占用施設で好き放題、政治家も税金食いに勤しみ、その担保として便宜供与という手心と選挙区へのお手盛りに懸命となる。その族がまた冬眠から覚めうごめいているような時世であろう。

繁華街でJTのメーカー事業部なのがある銘柄のタバコのキャのペーンにミニスカート若い女性を使って販促活動をしている。もちろんピースやハイライト、ショートホープにはなじまないのか洋モクが多い。なかにはF1レースのスポンサーにもなっているが、確かなミニスカートとレースはイメージがいいのだろう。いっそのこと和服の中年女性を使ってピースのキャンペーンは無いものかとも考えるが、箱書きに「タバコは健康上,害があります」と書かれているものを販促する企業もおかしなものだ。

JTだが通勤電車でも近ごろでは女性の化粧、菓子パンの朝食、飲料と観光バスのようななってきた。そのうち便利になった横浜帰りにシュウマイの薫が充満するだろうが、早朝の埼京線下り池袋から大宮までの間で肌つやがわるく眉毛のない女性が、絶世の美女に変身する様子には驚きだが、菓子パンをほおばり紙パックの牛乳を呑みながら揺れる社内の化粧の割には絵筆もずれていない。他の中年女性の一団もコンビニおにぎりを頬張っていた。

これは愛きょうだが、あの吉永小百合さんのポスターで大人の休日倶楽部という企画がJR東日本である。四日間新幹線を含む路線の乗り放題1万4千円というプランもあるが、そこをめがけて女性が殺到する。だが資格は60以上だ。試しに乗ってみたが大宮から嫌な雰囲気がした。

乗車して2時間半で新青森だが、その間車内は男二人。あちこちで嬌声、煎餅の噛む音、植木、ペット、孫、嫁の愚痴、ファッション、ときおり顔を寄せたり小声になるのは同行者の陰口か留守番のオヤジへの愚痴だ。これが到着まで延々と続く。
オッチョコチョイの男は小百合さんのポスターにつられて乗ってしまうが、車内の女性は小百合さんより年下だが、見事な元気さというに云われぬ品性が備わっている。

新青森から在来線で弘前まで行くが、まだぞろぞろ付いてくる。在来線は静かな青森県人。そこでも喧騒が始まり、寡黙な県人と大口を開けて笑う都会の一団が弘前まで続く。
断っておくが、善悪のことをいうのではない。あまりにも目立つ可愛い女傑に驚いたまでだ。それ以来、おばさんの休日倶楽部の安さが判ったのでその時期をずらしている。

駅地下、駅デパ、おばさん列車と新企画で楽しましてくれるJRだが、にぎわいと喧騒は人のモノを運ぶ必須の交通機関としての複雑に気分にさせてくれる。たとえオヤジの戯言ではあるが、便利さとともに金を落とす場所をつくることに汲々としている経営者に妙な品性を垣間見るようだ。消費者が求めているものを与える、異論はないが尻を叩いて絞り出した名案が、一方では安易さを求める大衆の遊惰を誘い、人によっては自堕落にもなりうることを逆賭しなくてはならないだろう。

野にして粗にして、貪ならず、とは石田国鉄総裁だ。満鉄総裁の後藤新平も国家や社会への事業接点を乗数効果での利潤追求だけでなく、超数的効果として「人物によって資材と人を活用する」社会に役立つ経営をおこなっている。つまり企業活動を通じて善導したのだ。

新都心の通勤ホームに食べものと飲料の自動販売機、機会と場所を有効活用のつもりだろうが、ついでに化粧車両と食堂車を通勤電車につけたら便利だろう。
女性は悦ぶ、加えて、男はもっと歓ぶ。

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