まほろばの泉

亜細亜人、孫景文の交遊録にある酔譚、清談、独語、粋話など、人の吐息が感じられる無名でかつ有力な残像集です

脅されたり、揉み手ですり寄る関係 08 あの頃

2023-05-25 01:54:18 | Weblog

中曽根・胡耀邦による青年3000人交流のために作られたホテル、ホール、体育施設などの複合施設 

中日青年友好中心(センター)



暴力団のミカジメに嫌々つき合わせられる飲食店の女将の関係でもないが、よく似ている。
昔の行きがかりで物騒なものは持たされず、それゆえに従わされ、言うことを聞かなければ敵の敵は味方よろしく、物騒な飛び道具で脅しをかけ、ミカジメ量の増額を図る、どこかアメリカと日本の関係に似た仕組みだが、戦後70年たってもその関係は変わらない。

ドイツは、第一次大戦は皇帝のせいにした。第二次はヒットラーのせいにした。
日本の戦いはそれと違うというが、敗けた後の始末はドイツの方が一枚上手だ。

しかも戦勝国からの要求に一々反駁している。教育、憲法などは勝手にさせないと口出しを拒否。それに比べて日本の当事者は満州事変や日中戦と同様な現状追認で、今ごろ騒いでいる。復興と繁栄への欲求は、金にならない憲法などは見向きもしなかった。

いくら中国が台頭したからと云って、昔の因縁を援助金で大人しくさせたと小人政治家や狡知に長けた官吏らしい発想だが、バックマージンをあからさまにされたら困る瓦版や政治家は押し黙っている。

いや、四角四面に清廉さを繕うものではないが、心中で推し量る力関係や人物器量の大きさや深さが、侮りになることの憂慮だ。
とくに日本人官吏や政治家の海外における軽薄な態度に、慚愧の念さえ覚えるのだ。

北京 中日青年友好中心(センター) 陳松董事長の招請で


私事で恐縮だが、宴席で「日中友好を祈念して・・・」と乾杯になったとき、「今回の訪中は政治家でも経済人でもない立場だ。友好は誘い降し(誘降ユウコウ)と揶揄するものもいる。もとより民族の友好は政府の友好と趣は異なる。どうだろうか、亜細亜万歳でいこうではないか・・・」と乾杯を遮った。

主催者の公的機関の董事長は「それでいきましょう」と即座に応答した。
そして、普段飲んでいる高粱酒とニンニクの皮むきを小鉢に用意して、「さあ、やりましょう」と高級料理を参会者に任せて歓談した。
突然「国内のホールや施設の優先的使用権をいかがですか・・」という。
さらに「以前は北島三郎さんが公演した。こんどは宝塚歌劇団招致できないだろうか」とも。

いゃね、そんな日本人がいるようだが、私は利権屋ではないですよ」と笑ったら、「やはりあなたは日本人だ。そんな人が大勢来ていただければ・・」と云いながら、高度数の高粱酒をニンニクだけの肴で空にした。それからの厚誼は言うまでもない。
金と食い物と、女性を添えれば男がよく観えるということだ。とくに外国に遣わされる外交官や政治家はそれを人選の要となる。

件は、東宝の有力後援者であった岡村吾一さんと外務省の外郭団体、外交協会にその旨を伝えた。たしか外交周年記念で北京公演を行ったと聞いた。今年も10月に訪中する。

敢えて経歴を尋ねることはなかったが、党青年団委員長を経て政治権力には進まず、中日の文化施設の董事長をしていた。趣味は絵画だ。地位に恬淡とした人格者だからこそ、外交儀礼上に失するような筆者の言を許容したのだろう。彼も、民族を超えた普遍な人情と人倫を備えた人物だ。






昔は中国の近代革命(辛亥)に挺身した日本人がいた。 側近山田純三郎と孫文



小者はその結果も考えずに目の前の名利に遠慮がちに手を出すが、クリーンハンドの法則は一度汚れたら、みな仲間なのだ。そして脅かされる。
戦後賠償利権に汚れた貪り政治家や狡吏はそれがあるから笑顔に隠された秘密の脅しで金を出し続ける仕組みだ。

まして相手国の政権が変わろうものなら、秘匿した関係まで暴露される。
悪党は開き直るが、税金を食い物にする子悪党は逃げ回り隠れる。

あの社会保険庁の官吏もそれに倣った。

コメント
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