A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

背徳トリゾイド/silentwave@江古田 Cafe FLYING TEAPOT 2017.6.11(sun) 

2017年06月15日 00時27分33秒 | 素晴らしき変態音楽


昼下がりの即興

6月11日(日daytime)
open 14:30 start 15:00
1500+order

silentwave 
背徳トリゾイド



昨秋『地下音楽への招待』を出版した縁でより多くの地下音楽の担い手たちと知り合う機会が増えた。TwitterやFacebookといったSNSを通して広がるコミュニケーションの連鎖は留まることが無く、何処へ行き着くのか毎日わくわくして楽しんでいる。中でも雑誌『マーキームーン』の山崎尚洋氏のインタビューで語られたLLEとの繋がりは、予想だにしなかった方向に展開している。昨年末、LLEの中心人物高沢悟氏の紹介でLLEの忘年会に参加し、35年前に自主制作のレコードやソノシートで愛聴したバンドのメンバーたちとの交流が始まった。彼らの多くが現在も音楽活動を行っていることを知り感銘を受け、ライヴ現場に顔を出すようになった。35年前メインストリームとも、対抗文化のパンク/ニューウェイヴとも、はたまた第三勢力のマイナー系地下音楽とも異なるスタンスでオルタナティヴな音楽を多数産み出したLLEは、今も同じく他と迎合しない真のオルタナ街道を進んでいる。数年ぶりに訪れるフライング・ティーポッドでLLEメンバーの集まるイベントを観た。
【LLE Label Discography】ネガスフィア/ラクリモーザ/多加美/リビドー/パイディアetc.

●silentwave


Hiss Noise Records代表野口可典による「光と闇」「人間と自然」「意識と無意識」をテーマに活動するユニット。ハーフパンツの普段着姿は昼下がりに一杯やる風体だがラップトップ一台で鳴らす音世界は濃厚極まりない。動きの少ない電子音のドローンがひたすらゆっくり変貌するサウンドスケープは目を閉じて聴いているとあっちの世界に引き摺り込まれそうになる。70年代のクラウス・シュルツェに似た思想性を感じたが、終演後に話しかけたらシュルツェのことは知らないと言う。ドローン/アンビエント界には無意識の新たなシュルツェが産まれているのだろう。

●背徳トリゾイド


ZAZA Fujishiro(背徳者), 坂本里 (Soft Weed Factor)からなるユニット。30数年ぶりのライヴだと言う。L.L.E.のコンピレーションLP『A SLICE OF LIFE』(84)に収録されている二つのバンド、坂本理(key)率いるSoft Weed Factorは管楽器とチェロを含む8人組のレコメン系チェンバー・ロック・バンド、藤代泰之(vo,b)率いる背徳者はダークな歌と変則ビートのロック・トリオ。音楽性は異なるがどちらも当時の地下ロック・シーンのアナザー・サイドを歩んだ個性派である。その二人による背徳トリゾイドは、内省的な詩の世界を陰鬱なベースラインと奇怪な電子音で包み、異形の昼下がりをダークに彩った。

Set List
1.Introduction~未来の日々
2.うたかた(泡沫)
3.わらべうた
4.ぬばたまの
5.挽歌(including "for Demetrio Stratos")
6.不安の連鎖(朗読:腐りきったオルフェウス)



背徳者
背徳的な
背徳歌

地下音楽のその先の豊穣の海を航海する幽霊船の行く手にはどのようなパラノイア宇宙が待ち受けているのだろうか。L.L.Eの深みにどっぷり浸かりたい日曜日の昼下がりのひとときであった。

HAITOKUSHA [背徳者] - Sakashima no Kage [さかしまの影 ] (1985)


コメント
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