A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

SPACE MANDALA/グンジョーガクレヨン/HIGO SESSION@国立 地球屋 2016.10.8(sat)

2016年10月10日 16時07分55秒 | 素晴らしき変態音楽


JAPAN ROCK「伝説破壊の夜」
★SPACE MANDALA
★グンジョーガクレヨン(園田遊&組原正)
★HIGO SESSION 沖大八g + 宇賀秀樹pet,g + ヒゴヒロシb + シゲオds + 杉達彦mix
-LIGHTING- OVERHED・助川貞義



2007年に刊行されたジュリアン・コープ著『JAPROCKSAMPLER ジャップ・ロック・サンプラー -戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか-』はそれまで語られることの少なかった60/70年代日本のロックの地下文化史をイギリス人の目と耳で発掘する有意義な試みであり、その影響は欧米のみならず日本の音楽マーケットにも刺激をもたらした。しかしながらジュリアン・コープの耳目に触れなかった深みや澱みは多数存在するし、本書の守備範囲外の新たな波(ニューウェーヴ)については未踏査の部分が多い。

JAPAN ROCK伝説破壊の夜と題されたこの日のライヴは、まさにJAPROCKとNEW WAVEの西の果ての交差点でもある多摩地区国立で失われた絆(ミッシングリンク)の一端を詳らかにする機会である。ディープ国立の象徴である地球屋のブッキングマネージャーのエルさんは10代の頃スペース・マンダラと交流があり、国立の共同生活ハウスをしばしば訪れていたという。観客の多くも出演者と同世代の年配者。旧交を温める和やかな雰囲気がこの店によく似合う。

●HIGO SESSION

沖大八g/宇賀秀樹pet,g/ヒゴヒロシb/シゲオds/杉達彦mix

3/3〜ミラーズ〜チャンス・オペレーション〜DJ HI-GO〜渋さ知らズ〜モルガナ実験室etc.のヒゴヒロシが主宰するセッション。メンバーはそれぞれ別のユニットで活動するミュージシャンで、このメンバーでは初セッションだという。ディープなダブでスタートし、ファンクビートのジャズロック、圧巻は宇賀がギターに持ち替えてツイン・ギターのジャム・セッション。サイケデリックなリキッドライトと相俟って、71年フィルモアイーストのオールマン・ブラザーズと言った雰囲気。若い客数人が踊り出す。

●グンジョーガクレヨン

組原正(g)/前田隆(b)/中尾勘二(b-cl)

告知に園田游の名前があったので、数年ぶりの共演に期待したが、姿を見せなかった。ドラムレスのトリオ編成の完全即興演奏は、同年輩の観客から不愉快なヤジや呆れたぼやきが飛ぶほど、ロックどころか既成音楽の定型から完全に離脱している。「ロック」を否定する「パンク」ヘの反動たる「ポストパンク」からも逸脱し、常に「前衛」であり続けるグンジョーの35年間の「試練」や「覚悟」に思いを馳せるが、水玉点描画ライトに溶け込んでクールに非楽音を鳴らす3人に迷いはない。

●SPACE MANDALA

及川禅 Guitar/エナメル・ユージ Guitar/aka(赤間哲彦ex.AKETO)Bass/Sugiryo(杉村良介)Drums/酋長 Syns/Taisouegao DJ

サイケデリック・ギタリスト/プロデューサー及川禅の歩みはアナザー・ストーリー・オブ・Japanese Underground Musicと呼んで間違いない。様々な遍歴を経て今なお斬新な音楽を追究し続ける及川が35年ぶりにSPACE MADALAとして国立へ還って来た。現在の拠点伊勢で活動するミュージシャン二人を含む新生スペース・マンダラは、デジタルビートを含有する轟音プログレサイケロック。彼が唱える「MUSIC - LOVE - PEACE - FREEDOM - HAPPINESS」という教義は楽天的に響くが、そこに嘘はない。
驚愕の日本サイケデリック秘宝発見物語~Be-2(ハーツヴァイス)と及川禅の世界

西の果て
地下水脈の
泉有り

国立つ処、熱狂と異端と享楽の夜は更けて行った。


「SPACE MANDALA HARMONICS CONVERGENCE Vol.2」 Koenji cave 2016.5.28~29
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