A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ブッゲ・ヴェッセルトフト "ニュー・コンセプション・オブ・ジャズ"@青山Blue Note東京 2016.10.4 (tue)

2016年10月07日 00時16分49秒 | こんな音楽も聴くんです


BUGGE WESSELTOFT'S
"New Conception of Jazz" 2016 Edition
ブッゲ・ヴェッセルトフト
“ニュー・コンセプション・オブ・ジャズ” 2016 Edition


2016 10.3 mon., 10.4 tue.
[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:20pm Start9:00pm
Music Charge ¥8,500(税込)

MEMBER
Bugge Wesseltoft(key, sounds, visuals) ブッゲ・ヴェッセルトフト(キーボード、サウンズ、ヴィジュアルズ)
Marthe Lea(sax, electronics, voice) マハサ・レア(サックス、エレクトロニクス、ヴォイス)
Oddrun Lilja Jonsdottir(g) オドゥルン・リリア・ヨンストティル(ギター)
Sanskriti Shrestha(tablas) サンシュリィティ・シュレッサ(タブラ)
Siv Øyunn Kjenstad(ds,vo) シヴ・ウン・ジェンスタ(ドラムス、ヴォーカル)
Fridtjof Wesseltoft(VJ) フリチョフ・ヴェッセルトフト(VJ)

ノルウェーが誇る鬼才による伝説のプロジェクト
新世代のミュージシャンたちを迎えて10年ぶりに再始動
ノルウェーが世界に誇る鬼才キーボード奏者、ブッゲ・ヴェッセルトフトが伝説のプロジェクト“ニュー・コンセプションズ・オブ・ジャズ”(NCOJ)を10年ぶりに再始動、その最新ステージを東京で繰り広げる。’80年代からポップス、ロック、ジャズの世界で活動し、’96年NCOJを結成。続いてレーベル“ジャズランド”を創設し、いわゆるフューチャー・ジャズの中心的存在となる一方、ノルウェーの国民的シンガーであるシゼル・アンドレセンとのコラボレーションも継続してきた。現NCOJはブッゲ以外をすべて若手女性ミュージシャンで構成。新旧のレパートリーを織り交ぜながら、映像演出とのリンクでフューチャー・ジャズのさらなる先を目指す。



90年代後半フューチャージャズを熱心に聴いていた。80年代前半フリージャズや前衛音楽にどっぷり浸かった学生時代を過ごした筆者は86年に就職する頃にはインディーズブームの洗礼を受け、決してメジャー路線ではないものの、90年代バンドブームの余波・余熱で世に紹介されたサイケやアングラ風味のロックを愛聴するようになった。同時期に発生した渋谷系やクラブミュージックに興味を持たなかったのは、地下は地下でもファッションの如くトレンドが移り変わる流行音楽のフットワークの尻軽さが体質的に合わなかったということだろう。それ以来クラブシーンと殆どリンクせずに過ごしてきた90年代後半、ファラオ・サンダースやアリス・コルトレーンを好むクラブDJと知り合い、ノルウェーのJazzlandレーベルを知った。いわゆるクラブジャズの嘘くささや過剰なダンスビート強調ではなく、ミニマルなシーケンサーとエレクトリックビートに同調するクールな生楽器の浮遊感は、自己主張が希薄な分、イマジネーションの泉でもあり、フロアでも脳内でも軽い重力と重い思念が歪み合う新感覚のソフトドラッグだった。21世紀を迎える世紀末にフューチャージャズ(未来のジャズ)という安易な名前も眩しく思えた。もし"未来派ジャズ Futuristic Jazz"だったらもっと早く風化しただろう。陳腐な普通名詞だったから狭いジャンルに限定されずに進化できたのは確か。その総帥がブッゲ・ヴェッセルトフトというオニギリ頭のピアニストだった。それから20年経っても相変わらずモテそうには見えないブッゲだが、清竜人25の向こうを張って4人の美女を引き連れて来日するとは、音楽センスと制作意欲のイケメンぶりを見抜く北欧女子は少なくないに違いない。

BUGGE WESSELTOFT'S : BLUE NOTE TOKYO 2016 trailer


日本での最終公演は結構空いていて、開演10分前に入場したのに最前ど真ん中のテーブルに通された。ドラムを真ん中に左にタブラとサックス、右にギターとブッゲのキーボード。まるでビデオ撮影のセンターカメラになった気分。ピアノのリリカルなフレーズが徐々にループしてサックスの反復フレーズとシンクロし、タブラビートのサイエンス&ドローンギター、リズム非キープのドラムが音楽の波に干渉する。それにも拘らず何事もないようにクールに奏でるクリスタリズムは、北欧フューチャージャズの本質が変わっていないことの慎ましやかな自己主張であった。笑顔が素敵なドラマー女子のキュートな歌声に痺れ、終演後にチェキ会があるか公式ツイッターをチェックしそうになるヲタクの性(さが)に苦笑する。それは冗談として、一見楽器初心者かと思わせるあどけなさに騙されるが、それぞれ相当の手練である。ブッゲの「ジャズの新たな概念 New Conception of Jazz」はテクニックを超えたところにあるが、到達するには鍛錬 disciplineが欠かせないことは言うまでもない。20周年を迎えた記念すべき年に、ジャズランドの記念コンピCDがリリースされるという。これは新たなジャズのその先を目指す決意表明に他ならない。

New Conception of Jazz 2016 edition

INTERVIEW:ブッゲ・ヴェッセルトフトの伝説的プロジェクトが再始動&来日! ノルウェーの鬼才とジャズ×エレクトロニックの試みを紐解く

日本にも
フューチャージャズ女子
いないかな?

New Conception Of Jazz KongsbergJazzfestival 2016
コメント
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