A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二@高円寺ShowBoat 2015.12.30 (wed)

2016年01月04日 00時39分02秒 | 灰野敬二さんのこと


灰野敬二 Keiji Haino ワンマンライブ

open 19:00 / start 19:30  
adv.¥3500/ door.¥4000



毎年恒例の高円寺ShowBoatでの灰野敬二の年末ワンマンライヴは今年で22年目になり、筆者はその内11回に参戦している。知り合いにはそれ以上長く参戦している方もおり、灰野ファンにとっては一年の締めくくりとして欠かせない風物詩と言ってもいいだろう。資料としてShowBoatの前身といえる仙川ゴスペル時代を含む、灰野年末ワンマンライヴ一覧を作成してみた。
(太字は筆者が参戦。ブログ記事へのリンク有り)

仙川GOSPEL
1990年12月30日 灰野敬二ソロ 「天使の祈り Vol.3」共演:White Heaven、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ、倉地久美夫とアジャ・クレヨンズほか
1991年12月30日 灰野敬二ソロ 「Psychedelic Underground」他の出演:マヘル・シャラル・ハシュ・バズ、光束夜、White Heaven、ゆらぎ、マリア観音
高円寺ShowBoat
1993年12月29日 灰野敬二ソロ「The Land of The Before Rising Sun」他の出演:倉地久美夫、C.C.C.C.、光束夜

ワンマンライヴ@高円寺ShowBoat
1994年12月31日 灰野敬二ソロ
1995年12月31日 灰野敬二ソロ
1996年12月31日 灰野敬二ソロ
1997年12月30日 灰野敬二ソロ
1998年12月30日 灰野敬二ソロ
1999年12月30日 灰野敬二ソロ
2000年12月29日 灰野敬二ソロ
2001年12月29日 灰野敬二ソロ オールナイト
2002年12月29日 灰野敬二ソロ オールナイト
2003年12月30日 灰野敬二ソロ オールナイト
2005年1月8日 灰野敬二ソロ オールナイト *2004年12月31日に新宿裏窓に出演したためイレギュラー
2005年12月30日 灰野敬二ソロ オールナイト
一年の締めくくりは灰野さんのオールナイト。
2006年12月30日 灰野敬二ソロ オールナイト
灰野敬二オールナイトに行ったよ
2007年12月30日 灰野敬二ソロ(不失者名義)
徹夜で灰野~不失者[灰野敬二]@高円寺Showboat 2007.12.30(sun)
2008年12月30日 灰野敬二ソロ オールナイト 2008 last performance at Koenji ShowBoat
灰野敬二オールナイト@高円寺ShowBoat 2008.12.30(tue)
2009年12月30日 灰野敬二ソロ オールナイト 「赤く堕ちてくる雪のようなものたち」 
灰野敬二@高円寺ShowBoat 2009.12.30 (wed)オールナイト
2010年12月30日 灰野敬二ソロ オールナイト
灰野敬二オールナイト@高円寺 Showboat 2010.12.30(thu)
2011年12月30日 灰野敬二ソロ オールナイト
灰野敬二オールナイト@高円寺ShowBoat 2011.12.30 (fri)
2012年12月30日 灰野敬二ソロ open 16:00 - start 16:30
灰野敬二@高円寺 ShowBoat 2012.12.30 (sun)
2013年12月30日 灰野敬二/Hardy Soul open 16:00 - start 16:30
灰野敬二/Hardy Soul@高円寺ShowBoat 2013.12.30(mon)
2014年12月30日 灰野敬二 Guest:川口雅巳/山崎怠雅 open 16:00 - start 16:30
灰野敬二@高円寺ShowBoat 2014.12.30(tue)

一人のアーティストが20年以上ほぼ同じ日に同じ場所でワンマンライヴを行うのは世界的に見ても異例のことに違いない。2000年以前は記録がなくて不明だが、2001年~2011年はオールナイト、それ以降も夕方17時~23時過ぎの5~6時間のロングセット。文字通り灰野の世界にどっぷり浸かる年末を過ごす訳だ。ちなみにオールナイト公演を辞めた理由は、ライヴ中寝ている客が多いから、という説がある。


(写真の撮影・掲載は出演者の許可を得ています。以下同)

今回は開演時間が通常と同じだから、ロングセットは望めないかと思ったが、結果的には終電ギリギリまで演奏してのべ3時間半、静寂から爆音まで緩急に富んだ灰野ワールドを堪能した。



まずはサズ(トルコの弦楽器)のエキゾチックな調べに灰野ワードを乗せたアコースティックな弾語りで幕を開け、電子音が数十分かけて微弱音から轟音へ変化させて聴き手の時間感覚を麻痺させる。ありきたりなアンビエントやドローンとは全く異なるヤバいドープ感、ノイズと呼ぶには人間的な感情に富み過ぎた生身の音響。圧倒的な音圧に振動する皮膚から、意識が滲み出す気がする。



ギターを手にして、クリスタルな音色で「ここ」「暗号」「あっち」といった代表曲を歌う。深いリヴァーブの中に拡がるヴォーカルが溢れ出した意識を慈愛のぬくもりで癒す。夢見心地で漂っているうちに音量が上がり、音の洪水に飲み込まれる悪夢に変わるが、それすら許してしまう陶酔感。



エレクトロニクスに戻り、発信音とドラムマシ-ンのパルスで空間を歪め、多彩なヴォーカリゼーションで聴き手の脳を揉み解す。そのまま轟音ギターに場面転換。暴風音響に痛めつけられる聴覚と、真っ赤な照明の中に激しいアクションが滲むヴィジョンに溶ける視覚が、2時間半の幻想体験を記憶する。



20分の休憩を挟んで第2部はハーディガーディでスタート。弦を擦る倍音と不協和音塗れのドローンは、神経を愛撫し逆撫でし、精神軸を混乱させる。アイリッシュハープの爪弾きと鎮魂歌の祈りが素直に耳に入り込み、3時間の混沌を鎮める。



ステージにセットしてあった機材・楽器はエアシンセ以外すべて使用して演奏は終了。終電間近で足早に会場を後にするオーディエンス。もしエアシンセを演奏していたら、帰宅難民続出だったに違いない。2016年は開演時間を早めるかどうかはわからない。

年の瀬に
音楽だけに
浸る夜

<NEW!>

2016年1月9日(土) The Empty Gallery, Hong Kong (香港仔田灣漁豐街3號大洋中心19樓)
Keiji Haino & John Butcher DUO

傍晚7時恭候,8時開演 7pm (doors), 8pm (show)
$150 (網上購票 online), $200 (即場購票 at door)
灰野敬二
ジョン・ブッチャー(sax)

コメント (2)
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