<harmonia mundi>
HMC 902016 \2450
J.S.バッハ:ソロ・カンタータ集
(1)「神にのみわが心を捧げん」BWV 169
(2)「満ち足れる安らい、うれしき魂の悦びよ」BWV 170
(3)「霊と心は驚き惑う」BWV 35
ベルナルダ・フィンク(メゾ・ソプラノ)
ぺトラ・ミュレヤンス(指)フライブルク・バロック・オーケストラ
ヴォーカルコンソート・ベルリン(合唱)
ヴォルフガング・ツェラー(オルガン)
録音:2008年4月
バロック・アンサンブルの雄、フライブルク・バロック・オーケストラによる、
バッハのカンタータ集の登場。1曲目に収められている169番の第1曲シンフォニ
アは、チェンバロ協奏曲ホ長調(BWV 1053の第1楽章)と同じ音楽。ソロ・パート
はオルガンで演奏され、オルガン・ソロ(ヴォルフガング・ツェラー)の巧さが
際立ちます。3本のオーボエも活躍、フライブルク・バロック・オーケストラの
面々の一人ひとりがパワー全開で演奏した実に密度の濃い演奏。35番も第1曲シ
ンフォニアはオルガン協奏曲。ソロを彩り支えるファゴットの響きも実に豊か、
通奏低音旋律の一音一音がふくよかに歌い上げられています。旋律楽器から通
奏低音まで実に生き生きとしており、各パートが実に濃密。実に贅沢なカンタ
ータ集となっています。これらのカンタータはすべて同時期に作曲された、ア
ルト・ソロのためのもの。当時のライプツィヒには優れたカストラートがいた
と考えられています。ヨーロッパで絶大な人気を誇るベルナルダ・フィンクが
ソロを務めています。
HMC 902001 \2450
「聖母マリアのための夕べの祈り」
ヴィルジーリオ・マッツォッキ(1597-1646):
主は言われた/幸いなる御母/ほめたたえよ、しもべ達よ/主が家を建てられ
るのでなければ/イェルサレムよ、主をたたえよ/マニフィカト
カリッシミ(1605-1674):
わが心よ、起きよ/おお、かくも美しき御名マリアよ/サルヴェ・レジーナ
フレスコバルディ(1583-1643):二つのホルンのカンツォーナ
パレストリーナ(1525-1594):マリア、星よ
コンラート・ユングヘーネル(指)
カントゥス・ケルン、コンチェルト・パラティーノ
録音:2008年2月
16~17世紀に書かれたマリアの賛歌を集めたもの。モンテヴェルディの「聖母マ
リアの夕べの祈り」の原型は、17世紀にマッツォッキが書いたものでした。こ
のディスクには、マッツォッキの作品のほか、同時代を生きたカリッシミ、フ
レスコバルディの作品が収録されています。フレスコバルディの「二つのホル
ンのカンツォーナ」は華やかな管楽器によるアンサンブル、そしてコンチェル
ト・パラティーノの名人芸が冴え渡ります。教会の残響を美しくとらえた録音
はさすがハルモニアムンディ。カントゥス・ケルンの美しい歌声、そしてコン
チェルト・パラティーノの名手たちが奏でる、天上から降ってくるような管楽
器の音色に聴き入ってしまいます。
HMU 907500 \2450
ブラームス:
動かぬなまぬるい空気(op.57-8)/憩え、いとしい恋人(op.33-9)/永遠の愛に
ついて(op.43-1)
ヘンデル:
歌劇「ルクレツィア」より(部分)、歌劇「ジューリオ・チェーザレ」より(部分)
ドビュッシー:ビリティスの3つの歌(パンの笛、髪、ナイアスの墓)
モーツァルト:
寂しい森の中でK.308/ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたときK.520/ラウ
ラに寄せる夕べの思いK.523/ドイツ語の小カンタータ「無限なる宇宙の創り主
を崇敬する汝らがK.619
H.T.バーレイ:深い河
ロバート・T・テルソン:
映画「バグダッド・カフェ」より‘コーリング・ユー’
ロレイン・ハント・リーバーソン(メゾ・ソプラノ)
ピーター・ゼルキン(ピアノ)
ドリュー・ミンター((14)、カウンターテナー)
録音:2004年8月 ラヴィニア音楽祭
2006年3月に惜しまれつつなくなった偉大なメゾ・ソプラノ、ロレイン・ハント
・リーバーソンのリサイタルの記録。得意のヘンデルやモーツァルトのほかに
も、ロマンからフランスものまで、そしてアンコールとして「バグダッド・カ
フェ」の‘コーリング・ユー’も披露するなど、魅力的なプログラムで聴かせ
てくれます。ラヴィニアは、米シカゴの郊外の町で、毎年夏ごろ開催されてい
る、シカゴ響のピクニック・コンサートなどが聴けるラヴィニア音楽祭でも有
名です。
<haenssler>
=SWR MUSIC=
93 234 \2250
「ディアギレフとロシア・バレエ団の音楽Vol.4」
(1)チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」Op.20(ハイライト)
(2)同 / ストラヴィンスキー編:バレエ「眠りの森の美女」Op.66より3つの小品
リラの精のヴァリアシオン / 交響的間奏曲 / 青い鳥のパ・ド・ドゥ
(3)ストラヴィンスキー:交響詩「うぐいすの歌」
(2)クリスチャン・オステルターグ(Vn)
SWR南西ドイツ放送交響楽団
(1)ユーリ・アーロノヴィチ(指) (2)若杉 弘(指)
(3)エルネスト・ブール(指)
録音:(1)1996年6月バーデン=バーデン、クアハウス・ベーナツェト・ザール
(2)1999年2月フライブルク、コンツェルトハウス
(3)1972年1月バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ
名興行師ディアギレフ率いるロシア・バレエ団ゆかりの傑作シリーズ第4弾。そ
のディアギレフを語る上で欠かせない作曲家といえばやはりストラヴィンスキ
ーでしょう。3大バレエを書き上げたのちの1921年、ロシア・バレエ団と合流し
たストラヴィンスキーは、ディアギレフがロンドンのアルハンブラ劇場で「眠
りの森の美女」を再演するという連続興行のプランに同意してアレンジを引き
受けました。ディアギレフがストラヴィンスキーに依頼したのはピアノ譜しか
残されていなかった2曲で、オリジナルでは“オーロラ姫の変奏曲”と呼ばれた
「リラの精のヴァリアシオン」と、長いヴァイオリン独奏つきの「交響的間奏
曲」。さらに、この試行を経てストラヴィンスキーは1928年に、チャイコフス
キーのピアノ曲や歌曲を題材に、心から敬愛していた大作曲家へのオマージュ
として「妖精の口づけ」を書き上げています。なお、同様にピアノ譜で発見さ
れた「青い鳥のパ・ド・ドゥ」はディアギレフとは無関係に、1941年になって
ニューヨーク・バレエ・シアターのためにストラヴィンスキーによって室内オ
ケ用に編曲されたものです。これらは過剰な色づけが施されているように思わ
れがちですが、その実、チャイコフスキー本人の手によるものとしか思えぬほ
ど完璧な仕事。わが国を代表する若杉弘の指揮というのも注目です。さらに、
当オケの首席指揮者(1964-1980)を務めたブールの指揮する交響詩「うぐいすの
歌」は、1914年に完成した自作オペラ「うぐいす」からの改作。内容は3大バレ
エの作曲を通じて音楽語法を確固たるものとしたのちに着手された第2幕、第3
幕の音楽を組み合わせたもので、ストラヴィンスキー自身も、交響詩への構想
をあたためていたましたが、1917年の初めに、バレエでの舞台上演を希望する
ディアギレフの申し出を契機に仕上げています。まず、1919年に演奏会形式で
初演、バレエ形式による舞台初演は1920年2月にパリ・オペラ座で、いずれも
指揮はアンセルメが担当しています。
「ぺトルーシュカ」と同じ1911年にロシア・バレエ団としての初演を行った
「白鳥の湖」を指揮するのは、イスラエル亡命以前にロシアでレニングラード
・フィルやボリショイ劇場管を振った経歴を持つ名匠アーロノヴィチ。ダイナ
ミックな音楽運びで傑作バレエの魅力も全開です。
<ORFEO>
ORFEO 759081 \2450
リスト:超絶技巧練習曲集S139(全12曲)
ミロスラフ・クルティシェフ(P)
1985年ロシアのレニングラードに生まれたミロスラフ・クルティシェフは、
2007年の第13回チャイコフスキー国際コンクールでピアノ部門最高位(第1位な
しの第2位)に輝いた逸材。すでに、ウィーンのムジークフェラインザール、ア
ムステルダムのコンセルトヘボウ、ニューヨークのエイブリー・フィッシャー
・ホールに登場するいっぽうで、巨匠ワレリー・ゲルギエフのお気に入りとし
て数々の音楽祭にも出演しています。
現在はペテルブルク音楽院に在学中のクルティシェフが弾くオルフェオ・デビュ
ー盤は、リストの超絶技巧練習曲集。チャイコフスキー・コンクールの予選で
も弾いて聴衆の度肝を抜いた第4、9、12番をはじめ、恐るべきヴィルトゥオー
ゾぶりに磨きをかけています。
<Musica Rediviva>
MRSACD 019(SACD-Hybrid) \2180
(1)デュカス:「ラ・ペリ」へのファンファーレ
(2)グレインジャー:「モールバラ公爵」のファンファーレ
(3)ブルックナー:ロークス・イステ
(4)ブラームス:コラール前奏曲「私はこの世から去らねばならぬ」op.122-11
(5)ヒンデミット:金管のための「朝の音楽」-プレーン音楽祭のために
(8)シベリウス:ティエラ
(9)マーラー:原光
(10)マーラー:交響曲第5番-アダージェット(6’24”)
(11)山本訓久:「日本の子どもの歌による組曲」
あんたがたどこさ、さくらさくら、ずいずいずっころばし、浜辺の歌
(12)J.ランナー:シュタイヤー舞曲集op.165
(13)J.シュトラウスI世:愛すべきアンネンポルカop.137
(14)ヨハンとヨーゼフ・シュトラウス:ピツィカートポルカ
(15)J.シュトラウスII世:ポルカ「ハンガリー万歳!」op.332
(16)マーラー:交響曲第3番-アダージョ‐愛が私に語ること‐(8’28”)
山本訓久(指、編曲(3)(4)(9)(10)(12)(13)(14)(15)(16))
アンサンブル・ペガサス トウキョウ
現在、日本を代表する大編成ブラス・アンサンブルである「アンサンブル・ペ
ガサス トウキョウ ENSEMBLE PEGASUS, TOKYO」(以下EPTと略す)は2002年に結
成以来、年1度の日本国内での演奏会とともにチェコ、ドイツ、オーストリア、
ノルウェー、スウェーデンなどヨーロッパ各国で数多くの公演を行なって来た。
EPTの音楽的コンセプトは、その15名の基本編成[3trp/picctrp/flghn/2hn/4trb
/bsflghn/euph/2tub]に端的に表れている。金管楽器本来の輝かしい音色を持
つトランペット、トロンボーン、ホルンに加えて、より柔和なサウンドのフ
リュ-ゲルホーン、バス・フリューゲルホーン、ユーフォニアム、2本のテュー
バ(FおよびC管)を取り入れて中低音域の充実を図り、リーダー・山本訓久のス
ペシャル・アレンジによってこれまでのブラス・アンサンブルにない独自のレ
パートリーを創り上げている。またルネサンス、バロックなど歴史的なレパー
トリーを取り上げる際には、古楽のアーティキュレーションを用いて作品本来
の姿を再現すべく配慮している。現代楽器によるブラス・アンサンブルにおい
て、古楽奏法を用いて演奏している例は他にほとんどみられない。EPTによる
この試みは世界に先駆けるものとして注目されている。
<TAHRA>
TAH 664 \2300
(1)ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調Op.92
(2)ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98
カール・シューリヒト(指)北ドイツ放送響
((1)1957年4月15日(2)1958年5月7日)
ベートーヴェン「7番」のティンパニの炸裂や金管の咆哮を聴くと端整なシュー
リヒトのイメージが吹っ飛んでしまいます。フルトヴェングラー&ベルリン・
フィル1943年の劇演もびっくりの迫力にのけぞること必至。シューリヒトは端
整なフォルムだけの人ではなく、その中に秘められた情熱や生命力こそが魅力
的なわけで、今回の新発見の録音はシューリヒトのむき出しの情熱の爆発!と
いうほかない激烈なものです。
<Simax>
PSC 1278(SACD-Hybrid) \2680
ヨン・オイヴィン・ネス(1968-):
(1)ヴァイオリン協奏曲(マッド・キャップ・トゥートリング)(2003)
(2)チェロ協奏曲(ウェット・ブラバー・スープ)(2002)
(3)Gus(突風)(2005)(ダブルベースとヴィオラのための)
(4)ロウ・ジャイヴ(2007)(管弦楽のための)
(1)(2)ペーテル・ヘレスタール(Vn) オイスタイン・ビルケラン(Vc)
(3)ダン・ステュッフェ(ダブルベース) カスリーン・ブロック(Va)
(1)(2)(4)オスロ・フィルハーモニック管弦楽団 ペーテル・シルヴァイ(指)
(1)(2)録音:2008年4月28日-30日 オスロ・コンサートホール
(3)録音:2008年6月25日 ノルウェー音楽大学(NMH)リンデマンホール(オスロ)
[PSC1288]
(4)録音:2008年2月6日-7日 オスロ・コンサートホール(ライヴ)
現在50歳以下の作曲家たちはポピュラー音楽と一緒に育ちながら、なぜアート
ミュージックとポピュラーミュージックの対話を試みる人たちがほとんど見あ
たらないのだろうか。 Byヘンリク・ヘルステニウス
そんな疑問に答えるように独自の活動を続けている作曲家ヨン・オイヴィン・
ネスの作品集。彼は、イギリスとアメリカのポピュラーミュージックとの関わ
りを常に持ちつづけてきました。新しい着想のセル(細胞)が次々と現れ、ひと
つの作品を作り上げていきます。《マッド・キャップ・トゥートリング》はヴァ
イオリン協奏曲。タイトルの"無鉄砲者がペラペラ"が示すのは、メディアを前
にイラクへの侵攻をぶち上げた米国合衆国第43代大統領ジョージ・W・ブッシュ
です。チェロ協奏曲の《ウェット・ブラバー・スープ》。"湿ったブラバー(鯨
の脂肪)スープ" のタイトルは、イギリスのバンド10ccのメンバーだったケヴィ
ン・ゴドリーとロル・クレームが脱退後に結成したポップ・デュオ、ゴドリー
&クリームの歌の題名のもじりです。ダブルベースとヴィオラのデュエット曲
のタイトル《Gust》は自然と文化の交わす対話を示唆します。《ロウ・ジャイ
ヴ》のタイトルは、カルト的人気を誇ったイギリスのパンク、ニュー・ウェイ
ヴのバンド、スージー・アンド・ザ・バンシーズの歌《スローダイブ》の歌詞
の一部。タイトルが示すとおりオーケストラの低域に響きと音色の中心が置か
れています。この曲にかぎらずネスの音楽には常にストラヴィンスキーの影が
つきまとっているようです。
PSC 1279(SACD-Hybrid) 2枚組 \4680
グリーグ:ピアノ三重奏曲 ハ短調
スメタナ:ピアノ三重奏曲 ト短調 作品15
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 作品50
グリーグ三重奏団
【ヴェービョルン・アンヴィーク(P) ソルヴェ・シーゲルラン(Vn)
エレン・マルグレーテ・フレショー(Vc)】
録音:2007年3月13日-16日、19日-20日
オストシーデン教会(フレドリクスター、ノルウェー)
グリーグ三重奏団は1987年の結成以来、変わらないメンバーで着実に評価を重
ねてきました。フレドリクスターのオストシーデン教会で録音の行われた最新
アルバムではロマンティックな3つの作品が演奏されています。グリーグが三重
奏曲の緩徐楽章として作曲しながら、彼の死後出版された《アンダンテ・コン
・モート》、病死した娘の追悼のためにスメタナが書いたト短調の三重奏曲。
チャイコフスキーのイ短調三重奏曲は、ニコライ・ルビンシテインの死をきっ
かけに作曲されたロマンティックな大作。グリーグ三重奏団が1993年・1994年
度ノルウェー批評家賞を受賞することになったコンサートで演奏されたのが、
この作品でした。
PSC 1029 \2280
ブラームス:チェロ作品集
チェロ・ソナタ第1番&第2番、6つのリート Op.3-第1番 愛のまこと、
5つのリート Op.49-第4番 子守歌、5つのリート Op.71-第5番 恋の歌、
6つのリート Op.86-第2番 野の寂しさ、5つのリート Op.94-第4番 サッフォー
風頌歌、5つのリート Op.105 第1&2番
トゥルルス・モルク(Vc) ラーゲルスペッツ(P)
HMC 902016 \2450
J.S.バッハ:ソロ・カンタータ集
(1)「神にのみわが心を捧げん」BWV 169
(2)「満ち足れる安らい、うれしき魂の悦びよ」BWV 170
(3)「霊と心は驚き惑う」BWV 35
ベルナルダ・フィンク(メゾ・ソプラノ)
ぺトラ・ミュレヤンス(指)フライブルク・バロック・オーケストラ
ヴォーカルコンソート・ベルリン(合唱)
ヴォルフガング・ツェラー(オルガン)
録音:2008年4月
バロック・アンサンブルの雄、フライブルク・バロック・オーケストラによる、
バッハのカンタータ集の登場。1曲目に収められている169番の第1曲シンフォニ
アは、チェンバロ協奏曲ホ長調(BWV 1053の第1楽章)と同じ音楽。ソロ・パート
はオルガンで演奏され、オルガン・ソロ(ヴォルフガング・ツェラー)の巧さが
際立ちます。3本のオーボエも活躍、フライブルク・バロック・オーケストラの
面々の一人ひとりがパワー全開で演奏した実に密度の濃い演奏。35番も第1曲シ
ンフォニアはオルガン協奏曲。ソロを彩り支えるファゴットの響きも実に豊か、
通奏低音旋律の一音一音がふくよかに歌い上げられています。旋律楽器から通
奏低音まで実に生き生きとしており、各パートが実に濃密。実に贅沢なカンタ
ータ集となっています。これらのカンタータはすべて同時期に作曲された、ア
ルト・ソロのためのもの。当時のライプツィヒには優れたカストラートがいた
と考えられています。ヨーロッパで絶大な人気を誇るベルナルダ・フィンクが
ソロを務めています。
HMC 902001 \2450
「聖母マリアのための夕べの祈り」
ヴィルジーリオ・マッツォッキ(1597-1646):
主は言われた/幸いなる御母/ほめたたえよ、しもべ達よ/主が家を建てられ
るのでなければ/イェルサレムよ、主をたたえよ/マニフィカト
カリッシミ(1605-1674):
わが心よ、起きよ/おお、かくも美しき御名マリアよ/サルヴェ・レジーナ
フレスコバルディ(1583-1643):二つのホルンのカンツォーナ
パレストリーナ(1525-1594):マリア、星よ
コンラート・ユングヘーネル(指)
カントゥス・ケルン、コンチェルト・パラティーノ
録音:2008年2月
16~17世紀に書かれたマリアの賛歌を集めたもの。モンテヴェルディの「聖母マ
リアの夕べの祈り」の原型は、17世紀にマッツォッキが書いたものでした。こ
のディスクには、マッツォッキの作品のほか、同時代を生きたカリッシミ、フ
レスコバルディの作品が収録されています。フレスコバルディの「二つのホル
ンのカンツォーナ」は華やかな管楽器によるアンサンブル、そしてコンチェル
ト・パラティーノの名人芸が冴え渡ります。教会の残響を美しくとらえた録音
はさすがハルモニアムンディ。カントゥス・ケルンの美しい歌声、そしてコン
チェルト・パラティーノの名手たちが奏でる、天上から降ってくるような管楽
器の音色に聴き入ってしまいます。
HMU 907500 \2450
ブラームス:
動かぬなまぬるい空気(op.57-8)/憩え、いとしい恋人(op.33-9)/永遠の愛に
ついて(op.43-1)
ヘンデル:
歌劇「ルクレツィア」より(部分)、歌劇「ジューリオ・チェーザレ」より(部分)
ドビュッシー:ビリティスの3つの歌(パンの笛、髪、ナイアスの墓)
モーツァルト:
寂しい森の中でK.308/ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたときK.520/ラウ
ラに寄せる夕べの思いK.523/ドイツ語の小カンタータ「無限なる宇宙の創り主
を崇敬する汝らがK.619
H.T.バーレイ:深い河
ロバート・T・テルソン:
映画「バグダッド・カフェ」より‘コーリング・ユー’
ロレイン・ハント・リーバーソン(メゾ・ソプラノ)
ピーター・ゼルキン(ピアノ)
ドリュー・ミンター((14)、カウンターテナー)
録音:2004年8月 ラヴィニア音楽祭
2006年3月に惜しまれつつなくなった偉大なメゾ・ソプラノ、ロレイン・ハント
・リーバーソンのリサイタルの記録。得意のヘンデルやモーツァルトのほかに
も、ロマンからフランスものまで、そしてアンコールとして「バグダッド・カ
フェ」の‘コーリング・ユー’も披露するなど、魅力的なプログラムで聴かせ
てくれます。ラヴィニアは、米シカゴの郊外の町で、毎年夏ごろ開催されてい
る、シカゴ響のピクニック・コンサートなどが聴けるラヴィニア音楽祭でも有
名です。
<haenssler>
=SWR MUSIC=
93 234 \2250
「ディアギレフとロシア・バレエ団の音楽Vol.4」
(1)チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」Op.20(ハイライト)
(2)同 / ストラヴィンスキー編:バレエ「眠りの森の美女」Op.66より3つの小品
リラの精のヴァリアシオン / 交響的間奏曲 / 青い鳥のパ・ド・ドゥ
(3)ストラヴィンスキー:交響詩「うぐいすの歌」
(2)クリスチャン・オステルターグ(Vn)
SWR南西ドイツ放送交響楽団
(1)ユーリ・アーロノヴィチ(指) (2)若杉 弘(指)
(3)エルネスト・ブール(指)
録音:(1)1996年6月バーデン=バーデン、クアハウス・ベーナツェト・ザール
(2)1999年2月フライブルク、コンツェルトハウス
(3)1972年1月バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ
名興行師ディアギレフ率いるロシア・バレエ団ゆかりの傑作シリーズ第4弾。そ
のディアギレフを語る上で欠かせない作曲家といえばやはりストラヴィンスキ
ーでしょう。3大バレエを書き上げたのちの1921年、ロシア・バレエ団と合流し
たストラヴィンスキーは、ディアギレフがロンドンのアルハンブラ劇場で「眠
りの森の美女」を再演するという連続興行のプランに同意してアレンジを引き
受けました。ディアギレフがストラヴィンスキーに依頼したのはピアノ譜しか
残されていなかった2曲で、オリジナルでは“オーロラ姫の変奏曲”と呼ばれた
「リラの精のヴァリアシオン」と、長いヴァイオリン独奏つきの「交響的間奏
曲」。さらに、この試行を経てストラヴィンスキーは1928年に、チャイコフス
キーのピアノ曲や歌曲を題材に、心から敬愛していた大作曲家へのオマージュ
として「妖精の口づけ」を書き上げています。なお、同様にピアノ譜で発見さ
れた「青い鳥のパ・ド・ドゥ」はディアギレフとは無関係に、1941年になって
ニューヨーク・バレエ・シアターのためにストラヴィンスキーによって室内オ
ケ用に編曲されたものです。これらは過剰な色づけが施されているように思わ
れがちですが、その実、チャイコフスキー本人の手によるものとしか思えぬほ
ど完璧な仕事。わが国を代表する若杉弘の指揮というのも注目です。さらに、
当オケの首席指揮者(1964-1980)を務めたブールの指揮する交響詩「うぐいすの
歌」は、1914年に完成した自作オペラ「うぐいす」からの改作。内容は3大バレ
エの作曲を通じて音楽語法を確固たるものとしたのちに着手された第2幕、第3
幕の音楽を組み合わせたもので、ストラヴィンスキー自身も、交響詩への構想
をあたためていたましたが、1917年の初めに、バレエでの舞台上演を希望する
ディアギレフの申し出を契機に仕上げています。まず、1919年に演奏会形式で
初演、バレエ形式による舞台初演は1920年2月にパリ・オペラ座で、いずれも
指揮はアンセルメが担当しています。
「ぺトルーシュカ」と同じ1911年にロシア・バレエ団としての初演を行った
「白鳥の湖」を指揮するのは、イスラエル亡命以前にロシアでレニングラード
・フィルやボリショイ劇場管を振った経歴を持つ名匠アーロノヴィチ。ダイナ
ミックな音楽運びで傑作バレエの魅力も全開です。
<ORFEO>
ORFEO 759081 \2450
リスト:超絶技巧練習曲集S139(全12曲)
ミロスラフ・クルティシェフ(P)
1985年ロシアのレニングラードに生まれたミロスラフ・クルティシェフは、
2007年の第13回チャイコフスキー国際コンクールでピアノ部門最高位(第1位な
しの第2位)に輝いた逸材。すでに、ウィーンのムジークフェラインザール、ア
ムステルダムのコンセルトヘボウ、ニューヨークのエイブリー・フィッシャー
・ホールに登場するいっぽうで、巨匠ワレリー・ゲルギエフのお気に入りとし
て数々の音楽祭にも出演しています。
現在はペテルブルク音楽院に在学中のクルティシェフが弾くオルフェオ・デビュ
ー盤は、リストの超絶技巧練習曲集。チャイコフスキー・コンクールの予選で
も弾いて聴衆の度肝を抜いた第4、9、12番をはじめ、恐るべきヴィルトゥオー
ゾぶりに磨きをかけています。
<Musica Rediviva>
MRSACD 019(SACD-Hybrid) \2180
(1)デュカス:「ラ・ペリ」へのファンファーレ
(2)グレインジャー:「モールバラ公爵」のファンファーレ
(3)ブルックナー:ロークス・イステ
(4)ブラームス:コラール前奏曲「私はこの世から去らねばならぬ」op.122-11
(5)ヒンデミット:金管のための「朝の音楽」-プレーン音楽祭のために
(8)シベリウス:ティエラ
(9)マーラー:原光
(10)マーラー:交響曲第5番-アダージェット(6’24”)
(11)山本訓久:「日本の子どもの歌による組曲」
あんたがたどこさ、さくらさくら、ずいずいずっころばし、浜辺の歌
(12)J.ランナー:シュタイヤー舞曲集op.165
(13)J.シュトラウスI世:愛すべきアンネンポルカop.137
(14)ヨハンとヨーゼフ・シュトラウス:ピツィカートポルカ
(15)J.シュトラウスII世:ポルカ「ハンガリー万歳!」op.332
(16)マーラー:交響曲第3番-アダージョ‐愛が私に語ること‐(8’28”)
山本訓久(指、編曲(3)(4)(9)(10)(12)(13)(14)(15)(16))
アンサンブル・ペガサス トウキョウ
現在、日本を代表する大編成ブラス・アンサンブルである「アンサンブル・ペ
ガサス トウキョウ ENSEMBLE PEGASUS, TOKYO」(以下EPTと略す)は2002年に結
成以来、年1度の日本国内での演奏会とともにチェコ、ドイツ、オーストリア、
ノルウェー、スウェーデンなどヨーロッパ各国で数多くの公演を行なって来た。
EPTの音楽的コンセプトは、その15名の基本編成[3trp/picctrp/flghn/2hn/4trb
/bsflghn/euph/2tub]に端的に表れている。金管楽器本来の輝かしい音色を持
つトランペット、トロンボーン、ホルンに加えて、より柔和なサウンドのフ
リュ-ゲルホーン、バス・フリューゲルホーン、ユーフォニアム、2本のテュー
バ(FおよびC管)を取り入れて中低音域の充実を図り、リーダー・山本訓久のス
ペシャル・アレンジによってこれまでのブラス・アンサンブルにない独自のレ
パートリーを創り上げている。またルネサンス、バロックなど歴史的なレパー
トリーを取り上げる際には、古楽のアーティキュレーションを用いて作品本来
の姿を再現すべく配慮している。現代楽器によるブラス・アンサンブルにおい
て、古楽奏法を用いて演奏している例は他にほとんどみられない。EPTによる
この試みは世界に先駆けるものとして注目されている。
<TAHRA>
TAH 664 \2300
(1)ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調Op.92
(2)ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98
カール・シューリヒト(指)北ドイツ放送響
((1)1957年4月15日(2)1958年5月7日)
ベートーヴェン「7番」のティンパニの炸裂や金管の咆哮を聴くと端整なシュー
リヒトのイメージが吹っ飛んでしまいます。フルトヴェングラー&ベルリン・
フィル1943年の劇演もびっくりの迫力にのけぞること必至。シューリヒトは端
整なフォルムだけの人ではなく、その中に秘められた情熱や生命力こそが魅力
的なわけで、今回の新発見の録音はシューリヒトのむき出しの情熱の爆発!と
いうほかない激烈なものです。
<Simax>
PSC 1278(SACD-Hybrid) \2680
ヨン・オイヴィン・ネス(1968-):
(1)ヴァイオリン協奏曲(マッド・キャップ・トゥートリング)(2003)
(2)チェロ協奏曲(ウェット・ブラバー・スープ)(2002)
(3)Gus(突風)(2005)(ダブルベースとヴィオラのための)
(4)ロウ・ジャイヴ(2007)(管弦楽のための)
(1)(2)ペーテル・ヘレスタール(Vn) オイスタイン・ビルケラン(Vc)
(3)ダン・ステュッフェ(ダブルベース) カスリーン・ブロック(Va)
(1)(2)(4)オスロ・フィルハーモニック管弦楽団 ペーテル・シルヴァイ(指)
(1)(2)録音:2008年4月28日-30日 オスロ・コンサートホール
(3)録音:2008年6月25日 ノルウェー音楽大学(NMH)リンデマンホール(オスロ)
[PSC1288]
(4)録音:2008年2月6日-7日 オスロ・コンサートホール(ライヴ)
現在50歳以下の作曲家たちはポピュラー音楽と一緒に育ちながら、なぜアート
ミュージックとポピュラーミュージックの対話を試みる人たちがほとんど見あ
たらないのだろうか。 Byヘンリク・ヘルステニウス
そんな疑問に答えるように独自の活動を続けている作曲家ヨン・オイヴィン・
ネスの作品集。彼は、イギリスとアメリカのポピュラーミュージックとの関わ
りを常に持ちつづけてきました。新しい着想のセル(細胞)が次々と現れ、ひと
つの作品を作り上げていきます。《マッド・キャップ・トゥートリング》はヴァ
イオリン協奏曲。タイトルの"無鉄砲者がペラペラ"が示すのは、メディアを前
にイラクへの侵攻をぶち上げた米国合衆国第43代大統領ジョージ・W・ブッシュ
です。チェロ協奏曲の《ウェット・ブラバー・スープ》。"湿ったブラバー(鯨
の脂肪)スープ" のタイトルは、イギリスのバンド10ccのメンバーだったケヴィ
ン・ゴドリーとロル・クレームが脱退後に結成したポップ・デュオ、ゴドリー
&クリームの歌の題名のもじりです。ダブルベースとヴィオラのデュエット曲
のタイトル《Gust》は自然と文化の交わす対話を示唆します。《ロウ・ジャイ
ヴ》のタイトルは、カルト的人気を誇ったイギリスのパンク、ニュー・ウェイ
ヴのバンド、スージー・アンド・ザ・バンシーズの歌《スローダイブ》の歌詞
の一部。タイトルが示すとおりオーケストラの低域に響きと音色の中心が置か
れています。この曲にかぎらずネスの音楽には常にストラヴィンスキーの影が
つきまとっているようです。
PSC 1279(SACD-Hybrid) 2枚組 \4680
グリーグ:ピアノ三重奏曲 ハ短調
スメタナ:ピアノ三重奏曲 ト短調 作品15
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 作品50
グリーグ三重奏団
【ヴェービョルン・アンヴィーク(P) ソルヴェ・シーゲルラン(Vn)
エレン・マルグレーテ・フレショー(Vc)】
録音:2007年3月13日-16日、19日-20日
オストシーデン教会(フレドリクスター、ノルウェー)
グリーグ三重奏団は1987年の結成以来、変わらないメンバーで着実に評価を重
ねてきました。フレドリクスターのオストシーデン教会で録音の行われた最新
アルバムではロマンティックな3つの作品が演奏されています。グリーグが三重
奏曲の緩徐楽章として作曲しながら、彼の死後出版された《アンダンテ・コン
・モート》、病死した娘の追悼のためにスメタナが書いたト短調の三重奏曲。
チャイコフスキーのイ短調三重奏曲は、ニコライ・ルビンシテインの死をきっ
かけに作曲されたロマンティックな大作。グリーグ三重奏団が1993年・1994年
度ノルウェー批評家賞を受賞することになったコンサートで演奏されたのが、
この作品でした。
PSC 1029 \2280
ブラームス:チェロ作品集
チェロ・ソナタ第1番&第2番、6つのリート Op.3-第1番 愛のまこと、
5つのリート Op.49-第4番 子守歌、5つのリート Op.71-第5番 恋の歌、
6つのリート Op.86-第2番 野の寂しさ、5つのリート Op.94-第4番 サッフォー
風頌歌、5つのリート Op.105 第1&2番
トゥルルス・モルク(Vc) ラーゲルスペッツ(P)