<RCA RED SEAL>
88697338352(SACD-Hybrid) \1680
ベートーヴェン:交響曲第5&1番
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
ドイツ・カンマーフィル
全世界で絶賛!快進撃を続けるパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィル
のベートーヴェン第3弾!
2006年5月の来日公演におけるベートーヴェンの交響曲全曲演奏会で、「刺激
に満ちながらも調和の取れたベートーヴェン」「奇跡としか言いようがない
演奏」「知情意すべてが最高水準、比類なき世界最高峰のベートーヴェン」
「ベートーヴェン交響曲全9曲から未知の世界を引き出した」「ベートーヴェ
ン芸術の真髄にふれることができた感動と驚きの3日間」と、最高の賛辞を得、
さらに2007年7月のオール・ベートーヴェン・プロも「さらに進化を遂げた演
奏精度と果敢な表現意欲」と評価され、2007年度の「音楽の友」誌コンサート
・ベスト10では5位にランクインしたパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマー
フィル。日本のみならず、ヨーロッパやアメリカにおいても、このコンビの
ベートーヴェン演奏は高い評価を受け続けており、2009年にはベートーヴェン
の街ボンで毎夏開催されるベートーヴェン・フェストでの交響曲全曲演奏が決
まっている。その充実ぶりを緻密なスタジオワークによって刻印し続けている
充実のチクルス録音第3弾として、「運命」のニックネームを持つ有名曲第5番
と第1番のカップリングが登場。ハ短調とハ長調という作品のコントラストを
際立たせた組み合わせである。
前2作同様、弦は6-6-6-4-3という小編成でヴァイオリンを左右に分ける対向配
置、トランペットとティンパニにはオリジナル楽器を使用、また控えめにヴィ
ブラートを使うオリジナル楽器の奏法を取り入れることによって、ベートー
ヴェンがそれぞれの交響曲に詰め込んだ革命的なまでのドラマがくっきりと描
き出されている。
録音エンジニアは、元フィリップスの録音スタッフが創設したオランダ・ポリ
ヒムニア社の総帥エヴァレット・ポーター。最近の内田光子の録音のプロデュ
ーサーとしても知られるポーターが、音響効果抜群のベルリンのフンクハウス
・ケーペニック(旧名称:スコアリング・ステージ・スタジオ=旧東ドイツの
国営放送局の録音用ホール)に鳴り響くドイツ・カンマーフィルの個性的な響
きを鮮明に捉えたDSD録音である。
【録音】 2006年8月27日-29日(第5番)、8月31日-9月1日(第1番)、
ベルリン、フンクハウス・ケーペニック(旧名称:スコアリング・ステージ)
88697318712 \1680
ヘンデル・オペラ・アリア集
ヴェッセリーナ・カサロヴァ(Ms)
アラン・カーティス(指揮)
イル・コンプレッソ・バロッコ
「オットーネ」より、
「Dove sei, dolce mia vita!」「Un disprezzato affetto」
「クレタのアリアンナ」より、
「O patria! O citadini!」「Sol ristoro di mortali」
「Bella sorge la speranza」
「テレプシコーレ」より、
「Sento brillar nel sen」「Caro amor, sol per momenti」
「アリオダンテ」より、
「Overture, Ballet」「O felice mio core」「Con l'ali di costanza」
「E vivo ancora?」「Scherza infida in grembo al drudo」
「Numi! Lasciami vivere」
「アルチーナ」、より
「「Mi lusinga il dolce affetto」「Verdi prati, selve amene」
モーツァルト、ロッシーニとともにフランス・オペラのレパートリーの斯界
の第一人者カサロヴァ。もちろん、今や、ヘンデルのオペラでも欠かせない
存在でもあります。バロック・アリアの女王の面目躍如。この素晴らしい歌
声は言葉では形容できません。あまり聴く機会のないアリアから、おなじみ
の「アリオダンテ」や「アルチーナ」のアリアまで、悲しみに満ちているか
と思えば挑戦的になる若者の心を柔軟に、かつ自由自在に歌います。一瞬
「カウンターテナー?」と思えるような深い歌声、思い切りのよい表現。し
かし、声自体に漲る女性らしい妖艶さ。これらが相俟って背中がぞくぞくす
るような快感を与えてくれるのです。女王というより「男前」な歌声を堪能
してください。今回は、様々なヘンデル・オペラの復活上演を行っているス
ペシャリスト、アラン・カーティス(指揮) イル・コンプレッソ・バロッコ
をバックにして、歌われます。
【録音】 2008年3月 Haydn-Auditorium, Bolzena
88697323172 2枚組 \2500
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番、13番、26番「戴冠式」
(モーツァルト自身による弦楽器のみによる伴奏編曲版)
幻想曲 ニ短調K.397、ピアノ・ソナタ第8番、アダージョ ロ短調K.540
ロンド イ短調K.511、幻想曲 ハ短調K.475、ピアノ・ソナタ第14番
オリヴァー・シュナイダー(P)
エーリヒ・ヘーバルト(指揮&Vn) カメラータ・ベルン
オリヴァー・スナイダー(P)
このアルバム、まずバックのオーケストラの音が素晴らしいの一言です。モ
ダン楽器にガット弦を張った「オリジナル楽器風の響き」(弓もバロック弓を
使用)を存分に堪能いただけます。曲へのアプローチも古楽系の颯爽としたも
ので、ムダなぜい肉をそぎ落とした「脱メタボ」なモーツァルトには本当に
ほれぼれすることでしょう。そのオケに支えられて縦横無尽に走り回るピアノ
にも脱帽です。モーツァルトが自分自身の演奏旅行のために書いた「協奏曲
第12番」は、いかなる状態の伴奏でも対応できるように管楽器軍はオプショ
ンとして書かれていますが、この録音では弦楽合奏のみの伴奏で演奏されて
います。現在カメラータ・ベルンの音楽監督&コンマスに迎えられているの
は、アーノンクールのオケ「ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス」のコ
ンマス、及びモザイクSQのトップでもある、エーリヒ・ヘーバルト。アーノ
ンクールに仕込まれた、アーノンクール語法をここでも発揮しています。ピ
アノと弦楽四重奏という室内楽編成版による録音はありますが、弦楽合奏版
というのは、珍しい録音となります。 ソナタ集は、「短調」のみを集めた
もの。人懐こい表情の「ニ短調幻想曲」に始まり、「小さな悲しみが疾走す
るような」イ短調。そして大規模な「ハ短調」ソナタが収録されています。
一味違うモーツァルトを聴きたい方にぜひお薦めいたします。
【オリヴァー・スナイダー】
スイス生まれ。10歳に満たない若さでパリのツェムリンスキー弦楽四重奏団
とのデビューを果たし、チューリヒ音楽院にてオメロ・フランセッシュに師
事して最高位で卒業。その後、ウィーン国立音楽院大学、マンハッタン音楽
院でも学位を取得し、ピーバディー音楽院にてレオン・フライシャーに師事、
2001年卒業。ヨーロッパ、アメリカ、日本の各地で演奏活動を積極的に行い、
ヴェルヴィエ音楽祭、チューリヒ祝祭週間など主要音楽祭にも参加。トーン
ハレ管弦楽団をはじめモスクワ・フィルハーモニー、オスロ・カメラ-タ、
ケルン室内管弦楽団との共演も果たす。2004年と2006年にユリア・フィッ
シャーとの共演で来日している。
【録音】 2008年1-2月 チューリヒ放送スタジオ
88697249212(CD+ボーナスDVD) \1780
サラサーテへのオマージュ
「序曲とタランテラ Op.43」「ツィゴイネルワイゼン Op.20」
「マラゲーニャ Op.21-1」「ハバネラ Op.21-2」
「アンダルシアのロマンス Op.22-3」「祈り Op.23-1」
「サパテアード Op.23-2」「バスク奇想曲 Op.24」
「カルメン幻想曲 Op.25」
イリヤ・マリンコビッチ(Vn)
サラ・マリアノビッチ(p)
サラサーテといえば自らもヴァイオリニストとして超絶技巧を披露しながら
ヨーロッパから中近東まで、演奏旅行をして回った人です。当然、曲の聴か
せどころは心得ていて、どの曲にも華やかな見せ場が用意されているのはも
ちろんの事、泣かせる旋律もたっぷりと盛り込まれています。ここでヴァイ
オリンを弾いているのは7歳でベルグラード・フィルと共演、9歳でウィーン
に移住、着々とキャリアを積み重ねているヴァイオリニスト、マリンコビッ
チです。この演奏、例えば「ツィゴイネルワイゼン」などの泥臭い曲は多少
物足りないかもしれません。何しろスマートなのが特徴です。音程の揺れも
全くありません。まるで細密画を見るかのようです。しかし、その奥底に流
れる熱き血潮の滾り。これが素晴らしく魅力的なのです。一瞬ためらうかの
ようなポルタメント、後をひく粘っこい音色。もし、PAL方式再生可能なDVD
プレーヤーやパソコンをお持ちでしたら、ボーナスDVDを観ながら聴いてみる
と、悪戯っぽい笑顔がいつまでも脳裡に焼き付くこと請け合いです。これだ
けサラサーテの曲だけを集めたCDも少ないようです。
ボーナスDVD(PAL方式)では、CDと全く同じ曲の演奏の映像を、全曲視聴でき
ます。
ボーナスDVD付
注★【PAL方式で収録のため、通常の日本製DVDプレーヤーでは再生できませ
ん。PAL方式再生支援機能付DVDプレーヤー、またはDVD再生可能なパソコン
でのみ、視聴可能です】
【録音】 2005年10月 ベルグラード、 セルビア・モンテネグロ
<OEHMS CLASSICS>
★OEHMS CLASSICSは今月新譜より価格が値上がりになります。旧譜も8月より
価格変更になりますので、よろしくお願いいたします。
OC631(SACD-Hybrid) \1780
リヒャルト・シュトラウス
交響詩「ドン・ファン」Op.20
交響的幻想曲ト長調Op.16「イタリアより」
ベルトラン・ド・ビリー(指揮)
ウィーン放送交響楽団
絶好調のベルトラン・ド・ビリー&ウィーン放送響のR.シュトラウス登場!
このディスクはそのド・ビリーと手兵ウィーン放送交響楽団との最新レコー
ディング。モーツァルト:ダ・ポンテ3大オペラに始まり、出身地フランスの
近代音楽、オーケストラの本拠地ウィーンのシューベルト、声楽つき大作ベ
ルリオーズ:レクイエム、ベートーヴェンの交響曲ツィクルス、フランスの
名ピアニスト、パスカル・ロジェとのラヴェル&ガーシュウィン、そして今
年初来日するパリ・オペラ座の公演曲デュカス「アリアーヌと青ひげ」やポ
ラスキとのワーグナー「トリスタン」など、立て続けに注目すべき録音を行
ってきたが、このR.シュトラウスで、さらに大きな注目と評価を得るべき充
実の出来映えの録音。豊かな色彩感と性格描写に優れた傑作「ドン・ファン」
とイタリア旅行での印象を元に書き上げた南欧的なものへの憧れを表現した
「イタリアより」という、ともに22-24歳の青年期に作曲された作品を、ウィ
ーンのR.シュトラウス演奏の伝統を踏まえながら、引き締まったアンサンブ
ル、磨き上げたディテールと音の透明性で見事に表現、ウィーンの音楽シー
ンに新風を吹き込んでいるド・ビリーのフレッシュで感動に満ちたものに仕
上がっています。
【録音】2007年6月、2008年2月、ウィーン、
ORFオーストリア放送局ラディアクルトゥーアハウス
【ハイブリッドSACD仕様:CD 2.0ch./ SACD 2.0ch./ SACD 5.0 ch】
OC717 \1680
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 [ノーヴァク版]
アイヴォー・ボルトン(指揮)
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
アイヴォー・ボルトンはイギリスのランカシャー生まれ。ケンブリッジ大学、
ロンドンの王立音楽院とナショナル・オペラ・スタジオで学ぶ。1984年セント
・ジェームズ・バロック・プレイヤーズを創設し、イングリッシュ・ツーリン
グ・オペラの音楽監督(1991-92)、グランドボーン・ツーリング・オペラの音
楽監督(1992-97)、スコットランド室内管弦楽団の首席指揮者(1994-96)など
のポストを歴任。バイエルン州立歌劇場(1994)、コヴェント・ガーデン王立
歌劇場(1995)などの主要なオペラ・ハウスにもデビューし、ブエノス・アア
イレス、ボローニャ、フィレンツェ、パリ、ブリュッセルのオペラ・ハウス
やグラインドボーンやザルツブルクなどの音楽祭に客演してきた。バイエル
ン州立歌劇場には頻繁に客演して絶賛を博している。2004/05年のシーズンか
らスダーンの後を継いでザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指
揮者に就任した。2005年9月にはバイエルン州立歌劇場の日本公演にメータと
ともに同行して初来日を果たして、ヘンデルの「アリオダンテ」(デイヴィッ
ド・オールデン演出)を振り、高い評価を得た。
このCDは伝統を誇るザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団と2004年から
その首席指揮者に就任したアイヴォー・ボルトンによるブルックナー・ツィ
クルスの第3弾となるアルバムで、ブルックナーの第9!これは新首席指揮者
に就任したボルトンが意欲的(野心的?)に定期公演で始めたツィクルスで、
ザルツブルク祝祭大劇場でのライヴ・レコーディング。バロック演奏の経験
(フライブルク・バロック・オーケストラなどにも客演指揮している)を生か
してピリオド楽器演奏の成果を採り入れ、非常に清澄明晰で引き締まった現
代的な演奏で高く評価されているボルトンが、モーツァルテウム管の機能性
と編成を生かし新しい視点で捉え解釈したブルックナー演奏とその成果であ
る。
【録音】2005年11月10&11日、
ザルツブルク、祝祭大劇場でのライヴ・レコーディング
OC718 2枚組 \2700
J・S・バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲)
セバスティアン・クリンガー(Vc、Vcピッコロ)
バイエルン放送交響楽団の若きトップ・チェリスト、セバスティアン・クリ
ンガー。本格ソロデビューは、こだわりのバッハの無伴奏!
無伴奏の解釈も時代によって変遷を遂げています。カザルスやリヒターのよ
うに、自身の祈りを込めて奏する時代からできるだけ人間的な感情を排し、
ひたすら楽譜と向き合い音に語らせる求道的な演奏、そして楽器自体に語ら
せ、バッハの時代に懐古するかのような演奏・・・。などが入り乱れた昨今、
このクリンガーの演奏は少しだけ時代が戻ったかのようなノスタルジックな
驚きを与えてくれることでしょう。さらに完全モダン楽器(金属弦&モダン
弓)を使用していながら、バロック語法と音色を再現していく美しさがそのま
ま感動に繋がること。これを改めて認識させてくれるはずです。
『私がバッハの無伴奏を聴いたのは、モーリス・ジャンドロンとパブロ・カ
ザルスの盤でした。しかし音楽の解釈は、時とともに変わっており、この私
の演奏もその瞬間でしかありません。子供の時からこの曲を20年間演奏して
きましたが、当時の通常演奏解釈はロマンティックなものでした。しかし私
に大きな影響を与えたのは、アンナー・ビルスマによるバロック・チェロで
の演奏でした。当時としては珍品として解釈されたビルスマの演奏ですが、
現代においては既に通常の解釈でしょう。更に、私は師であるハンリヒ・シ
フとペルガメンシコフの解釈も取り入れました。バッハの無伴奏は、全て舞
曲によって形成されています。倍音とリズミカルなダンスのテンポと修辞学、
連続した対位法の芸術的なアルペジオによって書かれています。この部分を
強調したいと思います。第5番のバッハの指示による調弦法は演奏を楽にする
ためのものではなく、弦の倍音によって暗い表情の曲調を豊かにさせるもの
です。第6番は、5弦のチェロを使用して録音しました。通常より高い音の弦
を1本追加することにより、この弦を弾かないときでも、いつも共鳴し独特
な倍音を発しています。バッハのこれらの曲には多くの倍音を含み、教会の
ような大きな空間でのビブラートは倍音を濁す原因なので、ビブラートは使
用しません。私が子供のときにチェロを練習していた場所は家の洗濯場で、
そこはまるで教会の響きのようでしたので、ビブラートの使用方法は十分に
身についていると思います。もちろんロマンティックな曲を演奏するときは
多用しますが。私の楽器がこの曲に適した倍音を発するのは、A=420Hzなの
でこのピッチを使用し、最も音響学的にも効果的で美しい響きの、ミュンヘ
ン昇天教会で録音しました。』(S・クリンガーのインタビューより)
【セバスティアン・クリンガー】
1977年ミュンヘン生まれ。ザルツブルクとウィーンで、ハンリヒ・シフとペ
ルガメンシコフに学ぶ。1988年のバッハ国際コンクールをはじめ、毎年のよ
うに様々なコンクールで優勝。ヨーロッパの主要オーケストラと競演し絶賛
をあびた。彼の演奏を大絶賛しているマリス・ヤンソンスは、彼をバイエル
ン放送SOに迎え入れ、2004年からバイエルン放送SOの主席チェリストを務め
ている。ストラディヴァリとグァルネリに指示したといわれるマントヴァ派
の弦楽器製作者、カミッロ・カミッリの1736年製のチェロを使用。
【録音】2007年6、7、9月 ミュンヘン昇天教会
88697338352(SACD-Hybrid) \1680
ベートーヴェン:交響曲第5&1番
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
ドイツ・カンマーフィル
全世界で絶賛!快進撃を続けるパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィル
のベートーヴェン第3弾!
2006年5月の来日公演におけるベートーヴェンの交響曲全曲演奏会で、「刺激
に満ちながらも調和の取れたベートーヴェン」「奇跡としか言いようがない
演奏」「知情意すべてが最高水準、比類なき世界最高峰のベートーヴェン」
「ベートーヴェン交響曲全9曲から未知の世界を引き出した」「ベートーヴェ
ン芸術の真髄にふれることができた感動と驚きの3日間」と、最高の賛辞を得、
さらに2007年7月のオール・ベートーヴェン・プロも「さらに進化を遂げた演
奏精度と果敢な表現意欲」と評価され、2007年度の「音楽の友」誌コンサート
・ベスト10では5位にランクインしたパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマー
フィル。日本のみならず、ヨーロッパやアメリカにおいても、このコンビの
ベートーヴェン演奏は高い評価を受け続けており、2009年にはベートーヴェン
の街ボンで毎夏開催されるベートーヴェン・フェストでの交響曲全曲演奏が決
まっている。その充実ぶりを緻密なスタジオワークによって刻印し続けている
充実のチクルス録音第3弾として、「運命」のニックネームを持つ有名曲第5番
と第1番のカップリングが登場。ハ短調とハ長調という作品のコントラストを
際立たせた組み合わせである。
前2作同様、弦は6-6-6-4-3という小編成でヴァイオリンを左右に分ける対向配
置、トランペットとティンパニにはオリジナル楽器を使用、また控えめにヴィ
ブラートを使うオリジナル楽器の奏法を取り入れることによって、ベートー
ヴェンがそれぞれの交響曲に詰め込んだ革命的なまでのドラマがくっきりと描
き出されている。
録音エンジニアは、元フィリップスの録音スタッフが創設したオランダ・ポリ
ヒムニア社の総帥エヴァレット・ポーター。最近の内田光子の録音のプロデュ
ーサーとしても知られるポーターが、音響効果抜群のベルリンのフンクハウス
・ケーペニック(旧名称:スコアリング・ステージ・スタジオ=旧東ドイツの
国営放送局の録音用ホール)に鳴り響くドイツ・カンマーフィルの個性的な響
きを鮮明に捉えたDSD録音である。
【録音】 2006年8月27日-29日(第5番)、8月31日-9月1日(第1番)、
ベルリン、フンクハウス・ケーペニック(旧名称:スコアリング・ステージ)
88697318712 \1680
ヘンデル・オペラ・アリア集
ヴェッセリーナ・カサロヴァ(Ms)
アラン・カーティス(指揮)
イル・コンプレッソ・バロッコ
「オットーネ」より、
「Dove sei, dolce mia vita!」「Un disprezzato affetto」
「クレタのアリアンナ」より、
「O patria! O citadini!」「Sol ristoro di mortali」
「Bella sorge la speranza」
「テレプシコーレ」より、
「Sento brillar nel sen」「Caro amor, sol per momenti」
「アリオダンテ」より、
「Overture, Ballet」「O felice mio core」「Con l'ali di costanza」
「E vivo ancora?」「Scherza infida in grembo al drudo」
「Numi! Lasciami vivere」
「アルチーナ」、より
「「Mi lusinga il dolce affetto」「Verdi prati, selve amene」
モーツァルト、ロッシーニとともにフランス・オペラのレパートリーの斯界
の第一人者カサロヴァ。もちろん、今や、ヘンデルのオペラでも欠かせない
存在でもあります。バロック・アリアの女王の面目躍如。この素晴らしい歌
声は言葉では形容できません。あまり聴く機会のないアリアから、おなじみ
の「アリオダンテ」や「アルチーナ」のアリアまで、悲しみに満ちているか
と思えば挑戦的になる若者の心を柔軟に、かつ自由自在に歌います。一瞬
「カウンターテナー?」と思えるような深い歌声、思い切りのよい表現。し
かし、声自体に漲る女性らしい妖艶さ。これらが相俟って背中がぞくぞくす
るような快感を与えてくれるのです。女王というより「男前」な歌声を堪能
してください。今回は、様々なヘンデル・オペラの復活上演を行っているス
ペシャリスト、アラン・カーティス(指揮) イル・コンプレッソ・バロッコ
をバックにして、歌われます。
【録音】 2008年3月 Haydn-Auditorium, Bolzena
88697323172 2枚組 \2500
モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番、13番、26番「戴冠式」
(モーツァルト自身による弦楽器のみによる伴奏編曲版)
幻想曲 ニ短調K.397、ピアノ・ソナタ第8番、アダージョ ロ短調K.540
ロンド イ短調K.511、幻想曲 ハ短調K.475、ピアノ・ソナタ第14番
オリヴァー・シュナイダー(P)
エーリヒ・ヘーバルト(指揮&Vn) カメラータ・ベルン
オリヴァー・スナイダー(P)
このアルバム、まずバックのオーケストラの音が素晴らしいの一言です。モ
ダン楽器にガット弦を張った「オリジナル楽器風の響き」(弓もバロック弓を
使用)を存分に堪能いただけます。曲へのアプローチも古楽系の颯爽としたも
ので、ムダなぜい肉をそぎ落とした「脱メタボ」なモーツァルトには本当に
ほれぼれすることでしょう。そのオケに支えられて縦横無尽に走り回るピアノ
にも脱帽です。モーツァルトが自分自身の演奏旅行のために書いた「協奏曲
第12番」は、いかなる状態の伴奏でも対応できるように管楽器軍はオプショ
ンとして書かれていますが、この録音では弦楽合奏のみの伴奏で演奏されて
います。現在カメラータ・ベルンの音楽監督&コンマスに迎えられているの
は、アーノンクールのオケ「ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス」のコ
ンマス、及びモザイクSQのトップでもある、エーリヒ・ヘーバルト。アーノ
ンクールに仕込まれた、アーノンクール語法をここでも発揮しています。ピ
アノと弦楽四重奏という室内楽編成版による録音はありますが、弦楽合奏版
というのは、珍しい録音となります。 ソナタ集は、「短調」のみを集めた
もの。人懐こい表情の「ニ短調幻想曲」に始まり、「小さな悲しみが疾走す
るような」イ短調。そして大規模な「ハ短調」ソナタが収録されています。
一味違うモーツァルトを聴きたい方にぜひお薦めいたします。
【オリヴァー・スナイダー】
スイス生まれ。10歳に満たない若さでパリのツェムリンスキー弦楽四重奏団
とのデビューを果たし、チューリヒ音楽院にてオメロ・フランセッシュに師
事して最高位で卒業。その後、ウィーン国立音楽院大学、マンハッタン音楽
院でも学位を取得し、ピーバディー音楽院にてレオン・フライシャーに師事、
2001年卒業。ヨーロッパ、アメリカ、日本の各地で演奏活動を積極的に行い、
ヴェルヴィエ音楽祭、チューリヒ祝祭週間など主要音楽祭にも参加。トーン
ハレ管弦楽団をはじめモスクワ・フィルハーモニー、オスロ・カメラ-タ、
ケルン室内管弦楽団との共演も果たす。2004年と2006年にユリア・フィッ
シャーとの共演で来日している。
【録音】 2008年1-2月 チューリヒ放送スタジオ
88697249212(CD+ボーナスDVD) \1780
サラサーテへのオマージュ
「序曲とタランテラ Op.43」「ツィゴイネルワイゼン Op.20」
「マラゲーニャ Op.21-1」「ハバネラ Op.21-2」
「アンダルシアのロマンス Op.22-3」「祈り Op.23-1」
「サパテアード Op.23-2」「バスク奇想曲 Op.24」
「カルメン幻想曲 Op.25」
イリヤ・マリンコビッチ(Vn)
サラ・マリアノビッチ(p)
サラサーテといえば自らもヴァイオリニストとして超絶技巧を披露しながら
ヨーロッパから中近東まで、演奏旅行をして回った人です。当然、曲の聴か
せどころは心得ていて、どの曲にも華やかな見せ場が用意されているのはも
ちろんの事、泣かせる旋律もたっぷりと盛り込まれています。ここでヴァイ
オリンを弾いているのは7歳でベルグラード・フィルと共演、9歳でウィーン
に移住、着々とキャリアを積み重ねているヴァイオリニスト、マリンコビッ
チです。この演奏、例えば「ツィゴイネルワイゼン」などの泥臭い曲は多少
物足りないかもしれません。何しろスマートなのが特徴です。音程の揺れも
全くありません。まるで細密画を見るかのようです。しかし、その奥底に流
れる熱き血潮の滾り。これが素晴らしく魅力的なのです。一瞬ためらうかの
ようなポルタメント、後をひく粘っこい音色。もし、PAL方式再生可能なDVD
プレーヤーやパソコンをお持ちでしたら、ボーナスDVDを観ながら聴いてみる
と、悪戯っぽい笑顔がいつまでも脳裡に焼き付くこと請け合いです。これだ
けサラサーテの曲だけを集めたCDも少ないようです。
ボーナスDVD(PAL方式)では、CDと全く同じ曲の演奏の映像を、全曲視聴でき
ます。
ボーナスDVD付
注★【PAL方式で収録のため、通常の日本製DVDプレーヤーでは再生できませ
ん。PAL方式再生支援機能付DVDプレーヤー、またはDVD再生可能なパソコン
でのみ、視聴可能です】
【録音】 2005年10月 ベルグラード、 セルビア・モンテネグロ
<OEHMS CLASSICS>
★OEHMS CLASSICSは今月新譜より価格が値上がりになります。旧譜も8月より
価格変更になりますので、よろしくお願いいたします。
OC631(SACD-Hybrid) \1780
リヒャルト・シュトラウス
交響詩「ドン・ファン」Op.20
交響的幻想曲ト長調Op.16「イタリアより」
ベルトラン・ド・ビリー(指揮)
ウィーン放送交響楽団
絶好調のベルトラン・ド・ビリー&ウィーン放送響のR.シュトラウス登場!
このディスクはそのド・ビリーと手兵ウィーン放送交響楽団との最新レコー
ディング。モーツァルト:ダ・ポンテ3大オペラに始まり、出身地フランスの
近代音楽、オーケストラの本拠地ウィーンのシューベルト、声楽つき大作ベ
ルリオーズ:レクイエム、ベートーヴェンの交響曲ツィクルス、フランスの
名ピアニスト、パスカル・ロジェとのラヴェル&ガーシュウィン、そして今
年初来日するパリ・オペラ座の公演曲デュカス「アリアーヌと青ひげ」やポ
ラスキとのワーグナー「トリスタン」など、立て続けに注目すべき録音を行
ってきたが、このR.シュトラウスで、さらに大きな注目と評価を得るべき充
実の出来映えの録音。豊かな色彩感と性格描写に優れた傑作「ドン・ファン」
とイタリア旅行での印象を元に書き上げた南欧的なものへの憧れを表現した
「イタリアより」という、ともに22-24歳の青年期に作曲された作品を、ウィ
ーンのR.シュトラウス演奏の伝統を踏まえながら、引き締まったアンサンブ
ル、磨き上げたディテールと音の透明性で見事に表現、ウィーンの音楽シー
ンに新風を吹き込んでいるド・ビリーのフレッシュで感動に満ちたものに仕
上がっています。
【録音】2007年6月、2008年2月、ウィーン、
ORFオーストリア放送局ラディアクルトゥーアハウス
【ハイブリッドSACD仕様:CD 2.0ch./ SACD 2.0ch./ SACD 5.0 ch】
OC717 \1680
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 [ノーヴァク版]
アイヴォー・ボルトン(指揮)
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
アイヴォー・ボルトンはイギリスのランカシャー生まれ。ケンブリッジ大学、
ロンドンの王立音楽院とナショナル・オペラ・スタジオで学ぶ。1984年セント
・ジェームズ・バロック・プレイヤーズを創設し、イングリッシュ・ツーリン
グ・オペラの音楽監督(1991-92)、グランドボーン・ツーリング・オペラの音
楽監督(1992-97)、スコットランド室内管弦楽団の首席指揮者(1994-96)など
のポストを歴任。バイエルン州立歌劇場(1994)、コヴェント・ガーデン王立
歌劇場(1995)などの主要なオペラ・ハウスにもデビューし、ブエノス・アア
イレス、ボローニャ、フィレンツェ、パリ、ブリュッセルのオペラ・ハウス
やグラインドボーンやザルツブルクなどの音楽祭に客演してきた。バイエル
ン州立歌劇場には頻繁に客演して絶賛を博している。2004/05年のシーズンか
らスダーンの後を継いでザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指
揮者に就任した。2005年9月にはバイエルン州立歌劇場の日本公演にメータと
ともに同行して初来日を果たして、ヘンデルの「アリオダンテ」(デイヴィッ
ド・オールデン演出)を振り、高い評価を得た。
このCDは伝統を誇るザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団と2004年から
その首席指揮者に就任したアイヴォー・ボルトンによるブルックナー・ツィ
クルスの第3弾となるアルバムで、ブルックナーの第9!これは新首席指揮者
に就任したボルトンが意欲的(野心的?)に定期公演で始めたツィクルスで、
ザルツブルク祝祭大劇場でのライヴ・レコーディング。バロック演奏の経験
(フライブルク・バロック・オーケストラなどにも客演指揮している)を生か
してピリオド楽器演奏の成果を採り入れ、非常に清澄明晰で引き締まった現
代的な演奏で高く評価されているボルトンが、モーツァルテウム管の機能性
と編成を生かし新しい視点で捉え解釈したブルックナー演奏とその成果であ
る。
【録音】2005年11月10&11日、
ザルツブルク、祝祭大劇場でのライヴ・レコーディング
OC718 2枚組 \2700
J・S・バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲)
セバスティアン・クリンガー(Vc、Vcピッコロ)
バイエルン放送交響楽団の若きトップ・チェリスト、セバスティアン・クリ
ンガー。本格ソロデビューは、こだわりのバッハの無伴奏!
無伴奏の解釈も時代によって変遷を遂げています。カザルスやリヒターのよ
うに、自身の祈りを込めて奏する時代からできるだけ人間的な感情を排し、
ひたすら楽譜と向き合い音に語らせる求道的な演奏、そして楽器自体に語ら
せ、バッハの時代に懐古するかのような演奏・・・。などが入り乱れた昨今、
このクリンガーの演奏は少しだけ時代が戻ったかのようなノスタルジックな
驚きを与えてくれることでしょう。さらに完全モダン楽器(金属弦&モダン
弓)を使用していながら、バロック語法と音色を再現していく美しさがそのま
ま感動に繋がること。これを改めて認識させてくれるはずです。
『私がバッハの無伴奏を聴いたのは、モーリス・ジャンドロンとパブロ・カ
ザルスの盤でした。しかし音楽の解釈は、時とともに変わっており、この私
の演奏もその瞬間でしかありません。子供の時からこの曲を20年間演奏して
きましたが、当時の通常演奏解釈はロマンティックなものでした。しかし私
に大きな影響を与えたのは、アンナー・ビルスマによるバロック・チェロで
の演奏でした。当時としては珍品として解釈されたビルスマの演奏ですが、
現代においては既に通常の解釈でしょう。更に、私は師であるハンリヒ・シ
フとペルガメンシコフの解釈も取り入れました。バッハの無伴奏は、全て舞
曲によって形成されています。倍音とリズミカルなダンスのテンポと修辞学、
連続した対位法の芸術的なアルペジオによって書かれています。この部分を
強調したいと思います。第5番のバッハの指示による調弦法は演奏を楽にする
ためのものではなく、弦の倍音によって暗い表情の曲調を豊かにさせるもの
です。第6番は、5弦のチェロを使用して録音しました。通常より高い音の弦
を1本追加することにより、この弦を弾かないときでも、いつも共鳴し独特
な倍音を発しています。バッハのこれらの曲には多くの倍音を含み、教会の
ような大きな空間でのビブラートは倍音を濁す原因なので、ビブラートは使
用しません。私が子供のときにチェロを練習していた場所は家の洗濯場で、
そこはまるで教会の響きのようでしたので、ビブラートの使用方法は十分に
身についていると思います。もちろんロマンティックな曲を演奏するときは
多用しますが。私の楽器がこの曲に適した倍音を発するのは、A=420Hzなの
でこのピッチを使用し、最も音響学的にも効果的で美しい響きの、ミュンヘ
ン昇天教会で録音しました。』(S・クリンガーのインタビューより)
【セバスティアン・クリンガー】
1977年ミュンヘン生まれ。ザルツブルクとウィーンで、ハンリヒ・シフとペ
ルガメンシコフに学ぶ。1988年のバッハ国際コンクールをはじめ、毎年のよ
うに様々なコンクールで優勝。ヨーロッパの主要オーケストラと競演し絶賛
をあびた。彼の演奏を大絶賛しているマリス・ヤンソンスは、彼をバイエル
ン放送SOに迎え入れ、2004年からバイエルン放送SOの主席チェリストを務め
ている。ストラディヴァリとグァルネリに指示したといわれるマントヴァ派
の弦楽器製作者、カミッロ・カミッリの1736年製のチェロを使用。
【録音】2007年6、7、9月 ミュンヘン昇天教会