先日のあそうだろう総理の所信表明演説をニュースで見た。所信表明としては特異なものであったとニュースキャスターや評論家は言っていた。自身の考えを述べるのが所信表明だが、民主党に対する問いかけの方が多かったとのことである。
私はしかし、総理の意思である「日本は強くあらねばならない」が気になった。「ねばならない」が気になる。強くない日本は価値が無いという風に聞こえる。さらに言えば、弱い日本人は価値が無いという風にも聞こえる。「日本は勝たねばばらない!」とまでなると、戦争に向かって突き進んで行った戦前の日本のようで、気持ち悪い。
麻生内閣の閣僚の一人にバカな大臣がいて、「単一民族国家日本」などという発言をしたらしい。沖縄人が日本人に含まれるかどうかについてはいろいろ意見もあるが、少なくともアイヌ人は日本民族では無い。他にも日本国籍を持つ韓国人、朝鮮人、中国人、台湾人などが多くいて、小笠原には欧米系の日本人もいるらしい。
アイヌのことについて詳しいことは知らないが、『アイヌ新法』という法律があるということを微かだが、記憶している。確か何年か前にできた法律だ。・・・と、不確かな情報ではいけないので、調べる。広辞苑に記載があった。
アイヌ新法:アイヌ文化の継承・振興を図り、その伝統についての知識を普及・啓発することを目的として1997年に公布・施行された法律。1899年(明治32)公布の北海道旧土人保護法は廃止。
とのこと。1997年だから「何年か前」という私の記憶は間違い。11年前だ。それにしても、11年前まで「旧土人」として保護の対象にされていたのかと驚く。
先週金曜日、インターネットのニュースに「日本人は本土人と琉球人の2つに大別される」というのがあった。DNAを調べたらそういうことが判ったらしい。
よって、日本民族を形成しているのは本土人と琉球人ということになる。南方からの縄文人と北方からの弥生人と、それらの混血が日本民族という考え方は前からあったが、本土人と琉球人が違うということがDNAで証明されたことに私は納得し、満足した。
その時、事務員のM子に、「面白いニュースがあるよ」と言って、上記の話をした。M子の傍でやり取りを聞いていた社長が「M子は全くの琉球人だな」と言うと、「私は本土人の血よ」とM子は応える。M子はどう見たって琉球人なので、「100%そうさあ」と言うのかと私は予想していたので、意外であった。「ふむ、琉球人であるより本土人であった方が良いと思っているんだな。」と理解した。
倭国にはかつて、「琉球人お断り」と貼紙のある店もあったらしい。戦前の話だ。そんな被差別意識が戦後10年ほども経て生まれたM子にも残っているであろう。
こんな人が日本国の大臣になれるのかと驚き、呆れてしまったバカ大臣のような人は稀だと思う。日本民族じゃないなら差別しようなんていうバカな日本人は、今はほとんどいないと思われる。アイヌ人も琉球人も、また、在日の人たちも、日本国を形成している民族の一つであると誇りに思っていいのだ。また、違う血の者が互いに協力して平和を維持している日本国は、多民族国家であることを誇っていいと思う。
記:2008.10.3 島乃ガジ丸