ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ホソヘリカメムシ

2014年08月08日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 ビール好きの敵

 毎年3月になると5月の幸せのためにエダマメを播く。例年だと市販の種を1袋買い、自分が食べる分だけである1畝(約3坪)分、ちょうど1畝1袋で足りている。
  この春(2014年)はしかし、4畝分を播いた。1畝は私が播いたが、残りの3畝は知人のTが播いたもの。彼は、「畑、ちょっとやってみたい」とエダマメ播きの時期である少し前にやってきた。「自分で作ったエダマメでビールなんていかが?」と訊いたら、大いに乗り気になって、種を3袋も買ってきたのだ。

 エダマメは、首里石嶺の小さな畑付きアパートに住んでいる頃から毎年播いていて、4、5年前から始めた宜野湾の30坪の畑ナツヤでも毎年播いて、ナツヤではたいてい、収穫は上出来で、十分満足できるほどビー ルの肴になった。ところが今年は・・・。
 5月、エダマメの収穫時期になったが、収獲量は、私の畝からは私がビールの肴にする5~6分ほどしかなく、Tの3畝からは、全部足して、私の1畝の2倍くらいしか収穫できなかった。エダマメは私の好物(ビール付きという条件付きで)なのでガッカリ。

 エダマメ不作の原因はよく判らないが、ただ、2種の虫が多く付いているのには早くから気付いていた。1種はコフキゾウムシ、これは去年もいたが、そう多くはいない。もう1種はホソヘリカメムシ、これは、去年は気付かなかった。今年はしかし、夥しくいた。子虫も青年虫も成虫もエダマメに集っていた。彼らがエダマメの果実、あるいは葉を食べているのを観察はしていないが、エダマメ不作の犯人はたぶん彼らだ。

 
 ホソヘリカメムシ(細縁亀虫):半翅目の昆虫
 ホソヘリカメムシ科 本州以南、南西諸島、台湾、朝鮮、他に分布 方言名:不詳
 ヘリカメムシのヘリは、漢字で書くと縁となっている。文献にあるヘリカメムシの仲間の写真を見ると、たいてい胴の横の部分に平たい縁(ふち)がついている。それで、ヘリという名が付いているのかもしれないが、正確なところは不明。ホソという名は、その通り、体が他のヘリカメムシに比べて細いからであろう。
 体が細いのと、後ろ足の大腿の部分が太いのが特徴的。『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「子虫は・・・形や行動がアリにそっくり」とあった。擬態ということであろうが、アリに擬態することで敵に襲われにくくなるのは何故か?・・・素人の私には理解不能。
 体長15ミリ内外。成虫の出現時期は周年。寄主植物はセンナなどのマメ科植物や、イネなどのイネ科植物。私の畑のエダマメにたくさんついていた。
 
 斜めから
 
 子虫1  アリそっくり
 
 子虫2
 子虫1より少し成長した姿、成虫の形になりつつある。

 記:ガジ丸 2006.7.2 →沖縄の動物目次
 訂正追記:2014.8.3

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行