ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

リュウキュウヒメハンミョウ

2014年07月04日 | 動物:昆虫-甲虫目

 恋人は離さない

 異論は大いにあると思うが、敢えて私の歪んだ(もしかしたら真っ直ぐかも)眼鏡から見た意見を言わせて貰うと、SEXは、男にとって肉体的にはそうイイ気持ちのものでは無い。男が気持イイのは最後の2~3秒だけのこと。その前は概ね女性に対する奉仕だ。男はたとえ舌を吸われても、歯ぐきや乳首、耳の穴や腋の下を舐められてもちっとも気持ち良く無い。女性がよがっているのを見てのしてやったり感、俺はできる感で男は自分に価値があることを自覚し、精神的に大いに満足し、幸せを得ているのだと思う。
 ではあっても、加山雄三が昔歌った「いつまでも君を離さないよ」という気持ちは私にも解る。「人生における無上の喜びは、愛されていることを知ることである」(正確ではないかも)と言ったのは西郷隆盛だが、それも私はよーく理解できる。ただ、付け加えさせて貰えれば、「愛していることを知ることも同じ位の喜び}としたい。
 若い頃はともかく、オジサンになると精神的な充足感をより求める。キスなんかなくてもいいのだ、もちろん、それ以上のことも求めない。ちょっとした言葉や行動で「この女は俺のことを好いてくれている」と感じること が大いなる喜びとなる。逆に、「俺はこの女を大事な人だと思っている」と感じることも大きな喜びとなる。

 恋人をしっかりと掴んで離さない虫がいた。その瞬間の写真を私は撮っていて、マジマジと見た。確かにしっかりと掴んでいた。ではあるが、「ほう、そんなに相手が好きなのか?」と私は思わない。「SEXが好きなんだな、お主、まだ若いな」と思った。

 
 リュウキュウヒメハンミョウ(琉球姫斑猫)
 ハンミョウ科 本州~沖縄島、台湾、東南アジアに分布 方言名:ミチソージサー
 名前の由来についての資料が無く詳細は不明だが、ハンミョウは広辞苑にあり、「コウチュウ目ハンミョウ科の甲虫の総称。また、その一種。」とのことで、斑猫という字が充てられている。中国名の斑猫の日本語読みでハンミョウとなったのかもしれない。
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』にハンミョウの英語名はtiger beetleとあった。tigerはトラのことだが、tiger lilyでオニユリとなることから「鬼のような、凶暴な」といった意味もある。beetleは甲虫のことなので、tiger beetleは凶暴な甲虫となる。斑猫もそれと似たようなことかもしれない。斑はその体の模様から、猫は「ネコ科の哺乳類のうち小形のものの総称」(広辞苑)だが、もしかしたら中国語では獰猛な肉食動物を指すのかもしれない。同書に「昆虫を襲って食べる獰猛さから名づけられたのだろう」とあった。
 本種も小昆虫などを捕食する肉食性。体長9~11ミリ。出現は5~8月。「交尾中の雄は、雌の前胸を強く大あごではさみ、離さない」と『沖縄昆虫野外観察図鑑』にあったので、私の撮った交尾中の写真をマジマジと見た。その通りであった。
 
 交尾

 記:2014.6.28 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行