ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ビーチ全般

2011年01月06日 | 沖縄05観光・飲み食い遊び

 学生の頃、東京に5年間住んでいた。大学入学の年から卒業の年までである。一年余分なのは、大学当局に「もう一年勉強しないと卒業できない」と言われたからだ。
 その5年の間に1回だけ、沖縄以外の海へ海水浴に行ったことがある。沖縄以外の海へ海水浴に行ったのは、これまでの人生でそれ1回きりである。東京在住の叔父さん一家に誘われて湘南海岸へ出かけた。
 私の慣れ親しんでいる海とは違う海がそこにあった。白いはずの砂浜の砂が黒い。砂浜が黒いのは汚れているから、としか判断しないウチナーンチュの青年は、「えっ、こんな汚れた海で泳ぐのか?」と思ったのだが、従姉弟たちは喜んで海に入り、周りにはたくさんの海水浴客が黒い砂に寝そべり、黒い海で泳いでいた。

 「沖縄の砂浜は白い」と書いたが、確かに、夏の太陽がガンガン照り付けていると眩しくて、全く白に近い。であるが、実際には淡く黄色い。その淡く黄色い砂を下にした海の色は、青と淡い黄色が混ざって明るい緑色(エメラルドグリーンとも言う)となる。
 明るい緑色は優しい色で、安心できる色で、いかにも清潔に見える。湘南の海を初めて見た時に、「大丈夫か、こんなところで泳いで。」とウチナーンチュの純朴な青年が感じたのは、明るい緑色の海に長く慣れ親しんでいたからであった。

 沖縄の海水浴場と倭国の海水浴場には呼び名にも違いがある。倭国では○○浜、○○海岸、○○海水浴場という呼び名が多いと思われるが、沖縄では○○ビーチとなる。それはもちろん、沖縄が長い間アメリカの施政下に置かれた影響であろう。海水浴場よりもビーチが言い易い。面倒臭がり屋の多いウチナーンチュ向きでもあったのだろう。ビーチは英語で、beachと書き、「浜辺。砂浜。」(広辞苑)のこと。

 私が物心付いた頃から沖縄の海水浴場はビーチという名前であった。恩納村のムーンビーチ、タイガービーチ、冨着ビーチ、インブビーチ、本島南部の名城ビーチ、新原ビーチなどは1972年の本土復帰前からある有名なビーチである。
 復帰後に誕生したビーチもある。海洋博公園内にあるエメラルドビーチは砂を他所から持ってきて作った人工ビーチである。人工ビーチは他に宜野湾トロピカルビーチ、北谷サンセットビーチ、安座間サンサンビーチなどがある。余談だが、ユクレー島のチャントセントビーチは、北谷(ちゃたん)サンセットビーチから思いついた。
  米軍施設内にある奥間ビーチも有名で、そこはウチナーンチュでも利用できたが、那覇から車で3時間ほどの距離があって、私も過去2度ほどしか行っていない。米軍関係では他にホワイトビーチ、ブルービーチなんてのもあるが、そこらは海水浴場では無く、前者は軍用の港湾施設であり、後者は海兵隊の演習場である。

 ビーチにはトイレ、更衣室、シャワー室、飲食店などの施設があり、そういったところは概ね有料である。ホテルの管理するビーチは高い。いろいろ施設は付いていても、地方自治体の管理する宜野湾トロピカルビーチ、北谷サンセットビーチなどは無料となっている。無料のビーチのシャワーは水しかでないことが多い。
 個々のビーチについては、今後ボチボチ紹介していきたいと思っている。写真は南城市にある安座間サンサンビーチ、斎場御嶽(せーふぁうたき)からの眺め。
     

 記:ガジ丸 2008.1.6 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行