ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ダイズ

2019年07月29日 | 草木:野菜

 子供の頃はそうでもなかったが、酒を飲むようになってから私は豆腐が好きになった。日本酒を飲むようになってからはさらに好きになった。以来、何十年も経て、豆腐は私の食生活に無くてはならないものになっている。
 ここ4~5年会っていないが、高校の同級生Tが豆腐屋に勤めていて、彼から「繁多川は昔から豆腐の名産地、島豆腐用の大豆の生産地でもあった」と聞いてはいた。で、今回改めて調べてみると、彼の言う通りであり、ネットのサイトには偶然にも、

 地域で繋がるマルシェ。
 在来大豆オーヒグーと奏でるものがたりを美味しい食べ物といっしょにどうぞ。
 2019年6月30日(日)10時〜16時
 那覇市立繁多川公民館

などという催し物があった。ダイズを紹介しようと思ってこの頁を書き始めたのは6月の半ばだった。「おー、何という偶然、神のお導きだ」と暢気なオジサンは喜んで、その催し物に参加しようと思ったのだが、暢気なオジサンはすっかり忘れてしまっていた。
 
 ダイズ(大豆):果菜
 マメ科の一年草 東アジア原産 方言名:トーフマーミ
 名前の由来は、こんな有名な植物なのに資料が無く不明。同様に有名なアズキと対比して大きい方をダイズ(大豆)、小さい方をアズキ(小豆)としたのだろうか?沖縄名のトーフマーミは判りやすい、豆腐豆という意。豆腐の主原料だから。
 現在は世界の多くで栽培され、五穀の一つであり、最も重要なマメ科の作物となっている。日本でも古くから栽培され、豆は蛋白質豊富で食用となり、味噌・醤油・豆腐・納豆などの原料になり、豆から採れる油は食用になり、工業用としても利用される。
 葉はマメ科に多い三出複葉、マメ科に多い蝶形の花を束状につけ、長さ5センチほどの莢果となる。品種が多くあり、各地で土地に合った品種が栽培されている。

 シマダイズ(島大豆):果菜
 マメ科の一年草 東アジア原産 方言名:トーフマーミ
 名前の由来はダイズと同様で不詳。シマは沖縄産という意。
 古い時代に全国に広がったダイズ、沖縄にも「下大豆」などの在来品種があったようだが、それらは小粒であることが特徴とのこと。島豆腐や味噌作りに利用されたとのこと。昔は盛んに栽培されたようだが、現在ではほとんど作られていないとのこと。
 最近、ラジオからシマダイズ復活といったような内容のニュースが聞こえた。ネットで確認すると、那覇市繁多川(はんたがわ)には昔から湧き水が豊富にあって、豆腐作りが盛んだったとのこと。在来のダイズを用いて豆腐作りをするようである。本土復帰前までの豆腐の材料は、「青ヒグ(オーヒグー)」という在来の大豆、とあった。

 →煮豆

 記:島乃ガジ丸 2019.7.26 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『グリーン・ライブラリー』タイムライフブックス発行
 『ネイチャーガイド 琉球の樹木』大川智史・林将之著、株式会社文一総合出版発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
 『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 『沖縄食材図鑑』田崎聡著、有限会社楽園計画発行
 『自分で採れる薬になる植物図鑑』増田和夫監修、柏書房株式会社発行
 『家庭で使える薬用植物大図鑑』田中孝治著、社団法人家の光協会発行