ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ニシキヒロハマキモドキ

2019年02月04日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 判りやすい蛾

 昆虫の中には「よく似ている亜種」があり、「雄雌で姿に違い」があり、同じ種同じ性でも個体変異があったりする。自分の撮った写真と図鑑の写真を見比べて「これはこれである」とスッキリするのもあるが、「これはこれに似ているけど、ちょっと違う」というのもたまにあって、「これだ」とすっきりできないものが多くある。そんな中、
 今回紹介するニシキヒロハマキモドキは、「これはこれである」とスッキリ判断できたものの1つ。私が参考にしている『沖縄昆虫野外観察図鑑』にはこの種に似ている種は他に無かった。スッキリ判断できたのはしかも、私がまだ昆虫素人の12年前だった。
 本種の写真を撮ったのは2006年11月11日、土曜日の午後、浦添大公園で。しかも、写真のものがそれであるというのも程なく判明している。それが何で12年間も放っておかれたのかというと、写真が少しボケていたから。その内、ボケていない写真が撮れるであろうと思っていたから。12年も経って、多少はカメラの腕前も上がって、今ならボケない写真も撮れるはず。なのだが、12年経ってもそれ以降本種に出会っていない。あるいは、気付いていない。私の頭がボケて注意力が弱っているのかもしれない。

 ちなみに、「まだ昆虫素人の12年前」と上述したが、「今は玄人なの?」と問われると、周りの友人たちに比べれば昆虫に対する知識は多いかもしれないが、昆虫を学問として学んでいるわけではないので、「はい、玄人です」とは言い難い。でも、「まだ素人です」というのも悔しいので、「毛が2、3本生えた程度です」と言うことによう。
 
 ニシキヒロハマキモドキ(錦ひろ葉巻擬き):鱗翅目の昆虫
 ヒロハマキモドキガ科 屋久島、沖縄島、石垣島に分布 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「個々の鱗粉の先端部には白色点があり、横線の輝きとあいまって美しい」とあり、そこからニシキ(錦)だと思われる。ちなみに錦は「金糸・銀糸など種々の色糸を用いて華やかな文様を織り出した絹織物」(明鏡国語辞典)のこと。ハマキムシ(葉捲虫)が広辞苑にあり、「植物の葉を巻いてその中にすみ、これを食害する昆虫、特にチョウ目ハマキガ科の蛾の幼虫の総称」とのこと。ハマキモドキガ科はそのハマキガ科に似ているのでモドキ(擬き)がついているのであろう。ヒロについては想像が及ばず漢字も思いつかない。本種はごく小さく(前翅長6~7ミリ)、体は細い。広という字は充てられない。他に思い付く漢字もない。
 「八重山のいくつかの島にはヤエヤマヒロハマキモドキという近似種がある」(沖縄昆虫野外観察図鑑)とのことだが、文献に写真が無く両者の違いは不明。私の写真は沖縄島浦添市で撮ったもの。
 前翅長6~7ミリ、成虫の出現は4~10月。食樹はガジュマル。

 記:ガジ丸 2019.2.2 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『原色昆虫大図鑑』井上寛・岡野磨瑳郎・白木隆他著、株式会社北隆館発行