ガジ丸が想う沖縄

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少量消費生活

2011年04月15日 | 通信-政治・経済

 被災者のことを思うと、花見で酒飲んで浮かれるなんてなかなかできるものでは無い。そんな中、「いやいや、自粛ばかりしていては日本経済が沈んでしまう。できるだけ普段通りに消費活動をしたらいい。」と仰る政治家もいる。確かに、経済のことを考えると、全国的に自粛ムードになれば経済も沈滞してしまうかもしれない。
 政治家だけでなく、経済評論家とかいう方々も同様のことを言う。私だって、「普通に生活し消費活動した方がお金が回って、被災者のためにもなる」という考え方は理解できる。国全体に力が無ければ、困っている人を助けることができないだろう。

 病気や怪我をしたなど、いざという時に貯金があれば安心だ。すぐに病院へ駆け込むことができるし、仕事ができなくて収入が無くても生きていける。国全体の力は、被災地で頑張っている消防隊員や警察、自衛隊などの「人の力」だけで無く、財政的な力も必要とされる。「四の五の言わず、とりあえず被災者には一律100万円を支給して当座をしのいでもらえ」と、震災の数日後には総理がきっぱり言うことのできる力だ。
 「世界中からプレハブをかき集め、すぐに必要な分の仮設住宅を準備しろ」なんてことも国の財政がしっかりしていればできるはず。あいにく、日本国は貯金どころか、巨額の借金を抱えている。なので、国が金銭面で国民を助けることに躊躇がある。「一義的には東京電力の責任」なんて言い訳して、時間稼ぎしているようにしか見えない。

 国全体が、収入以上の生活をして、借金を増やし続けてきた結果、いざという時にあまり役に立たない国の財政なのだが、なんでまた長い間、日本国は収入以上の生活を続けて来たんだろうと、今さらながら不思議に思う。
 貧乏人の私が、高級マンションに住み、高級な服を着、高級レストランで食事をし、高級な人たちと付合う、なんて、叶姉妹のような生活をすれば、そりゃあ借金は、一年も経たずに一生働いても返せないような額になるに違いない。まあ、そこまではいかないにしても、日本国は国全体で、それに近いようなことをやってきたのだろうか?

 貧乏人の私は、安いボロアパートに住み、安い服を着、ほとんど毎食自炊し、お付き合い(高級な人は元々少ない)もなるべく遠慮している。それでも、毎月の家計は赤字で、ここ数年は、年間の家計も赤字が続いている。お陰さまで、10年前からコツコツと貯めてきた車買い替え用の貯金も、もうすぐ底をつく状態だ。
  それでも私にはまだ借金が無い。借金をしないよう少量消費生活を続けているからだ。畑で芋(甘藷)を生産しているので、食い物の心配はほぼ無い。少量消費生活に慣れているので、贅沢できないということがストレスになることも無い。食い物は有り、ストレスは無い、というわけで、私にはこれからも楽しく生きて行く自信(慢心かもしれないが)がある。もしも、お金が余分にあれば、贅沢という楽しみが一つ増えるだけのこと。
 少量消費生活の人が増えたら、経済は低いレベルで推移し、世の中から「贅沢」が少なくなるかもしれない。しかし、国や地方も少量消費となり、借金は無い。財政に余裕があれば、いざという時は困った人を助けることができる。そうすると、国民も心安らかに過ごせる・・・かもしれない。それに、少量消費は地球にも優しいと思う。
          

 記:2011.4.15 島乃ガジ丸