ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

クリスマス

2010年12月31日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 私が子供の頃、沖縄はアメリカの占領下にあった。その頃の他府県がどうだったかは知らないが、沖縄のクリスマスはアメリカ人がいっぱいいるお陰で賑やかであった。
  幼稚園の頃、私は両親、弟と共にコザ(現沖縄市、基地の街として栄えていた)に住んでいた。家の隣にアメリカ人相手のバーがあり、私はそこのお姉さんたちに可愛がられていた。母が忙しい時はそこで時間を過ごすこともたびたびあった。バーに飲みに来る、あるいは、お姉さんたちを抱きに来るアメリカ人たちの姿も記憶に残っている。
 基地の街コザのクリスマスは賑やかであった。アメリカ人の多くは陽気で、三角帽子や鼻眼鏡などで変装し、大きな声で笑っていた。酔っ払いもいた。これはクリスマスの時では無かったと思うが、白人と黒人が殴り合いのケンカをし、血を流しているのを目撃したこともある。それは別にして、まあ、クリスマスは何とも陽気で、キラキラしていて、賑やかで、楽ししいものだということを、私の脳は記憶している。

  あれから40年余りが過ぎて、今は、アメリカ人たちがバカ騒ぎする光景はあまり見られない。占領している側の立場から居候の立場に変わったので、遠慮があるのだろう。軍の規律も厳しくなっているらしい。アメリカ人がチラホラしかいない街では、派手なイルミネーションに彩られ、日本語のクリスマスソングが多く流れている。沖縄のクリスマスも概ね本土並みになったということのようだ。もちろん私は、アメリカ人たちが我が物顔に街を練り歩いていた昔が良かった、なんて言うつもりは無い。ただ、そんな時代もあったんだと、少し懐かしく思っただけである。

 クリスマスのクリス(Christ)はキリストのことだと知っていたが、マス(mas)が祝日の意であることを今回調べて、私は初めて知った。実は、クリスマスに私は興味が無いのである。大人になってからはプレゼントを貰うことも無く、クリスマスデートっていう経験もあまり無く、これからもたぶん無いであろう私は、祭りとしてのクリスマスに、今はほとんど興味が無いのである。キリスト教徒でも無いので、宗教行事としてのクリスマスにもずっと興味が無いのである。私のクリスマスはノスタルジーなのである。
     
     

 記:ガジ丸 2006.12.12 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行