ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

天変地異の予兆その2

2008年07月18日 | 通信-科学・空想

 ブーンという音で目が覚めた。蚊では無い。もっと機械的な音だ。すぐ傍から聞こえている。携帯電話か、ラジオを消し忘れたか、あれこれ触ってみるが、分らない。起きる。時計を見る。草木も眠る丑満つ時を1時間ほど過ぎている。幽霊でもないようだ。
 耳を澄ませて音のありかを探す。サイドテーブルの下から聞こえる。見つけた。血圧計だ。手首で測る愛用の小さな血圧計。それが箱に入ったまま作動している。測る手首が無いのでセンサーが働かない。よって、止まらない。箱の中で太り続けている。
 これまでにいろいろ不思議なことを経験しているが、箱の中に入った血圧計が勝手に動くなんて、これには驚いた。私の不思議ベスト3に入るかもしれない。
 その不思議があったのは先週土曜日の午前3時。先週のコラムに書いているが、木曜日の夜には、ベランダにゴキブリの団体がやってきたという不思議もあった。
  今週月曜日の夕方、簾越しに西日の射す窓の傍で、パソコン開いて文章書きをしている時、ベランダの塀に4羽のシロガシラが止まった。私から斜め前方2mと離れていない。2羽は親鳥、残りの2羽は雛、頭に白い毛があるかないかで判断できる。その親子が私の部屋、寝室となっている所、血圧計の置いてある所を眺めている。「何じゃいこいつら、何を見てるんだ?」と思って、網戸を開けようとしたら逃げた。
 翌日火曜日の夕方、前日と同じく西日の射す窓の傍にいたら、網戸に何者かがしがみついているのに気付いた。バッタだ。じっと動かないので写真を撮る。タイワンハネナガイナゴのようである。1階は庭になっていて草も野菜もいっぱいある。何でわざわざ草1本も無い2階のベランダにやってきたのか不思議。「おめぇ、何しに来た?」である。
          

 何か身辺の異変を予兆して、あるいは天変地異を予兆して胸騒ぎがする、なんて繊細なセンサーを私は持ち合わせていない。なので、ゴキブリや機械やシロガシラやバッタがわざわざ私に何かを知らせようとしても、それは無駄というものである。「言いたいことがあるなら、はっきり言え!」としか思わないのである。
 まあ、しかし、何かの知らせかも知れないので、ちょっと考えてみる。
 天変地異はどうしようも無い。来るなと言っても来るときは来る。来たら諦めるしかない。そこで、身近な人の不幸を考える。が、私に知らせを寄こすほど身近な人には不幸が起きそうな人はいない。ならば、と考えて、ハッとする。・・・私か。私の体に何らかの異変が起きるということか。・・・ちょっと不安になった。

 今年の2月、高校三年のクラスメイトKが亡くなった。Kは、特に容姿端麗というわけではなかったが、いわば心の美人で、クラスのリーダーであり、人気者であった。そんなKが、若くして死んだ。美人薄命だなあーと感じた。
 先週、高校二年のクラスメイトだったRが亡くなった。Rは容姿端麗であり、女性としての魅力に溢れており、私の友人の何人かは彼女に惚れていた。彼女はまた秀才でもあった。理数に強く、文才もあった。才色兼備も薄命だなーと感じた。
 二人の美人は病死であった。中年になると、体のあちこちにガタがくる。私は美男子では無いのだが、いつ倒れるかしれない。周りで不思議なことが起きても、胸騒ぎのしない私だが、同級生の死は、自分の死というのも身近であることを感じさせた。

 記:2008.7.18 島乃ガジ丸