ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

黒ニンニク

2016年04月15日 | 飲食:飲物・嗜好品

 私は流行りものにあまり興味が無い。ファッションにも音楽にも興味が無い。ファッションはTシャツにジーンズで可、音楽はクラシックとジャズと沖縄民謡があれば可、なので、家にテレビが無くても、テレビ番組を観なくてもちっとも困らない。
 流行っているからという理由でそのものに興味を持つことは無いが、「好きかも」という理由では興味を持つ。畑仕事をしているのでそれに関わるもの、作物としての野菜や果物に興味を持ち、酒の類、酒の肴の類には私の根本がそれらに興味を持っている。
 流行り物と言えば、ラジオから聞こえてくる言葉に知らないモノが多くある。例えば、スムージーとかジュレとか。会話の流れから「食い物」だと判るが、映像は出てこない。私がテレビを見ていた数年前まで無かったモノであろう。その後、スーパーの冷蔵庫に並んでいるそれらを見ているが、買ったことはなく、口にしたこともない。

 もう1つ、クロニンニク、これは去年のちょうど今頃(4月)、初めて口にした。近所の先輩農夫Nさんから自作のクロニンニクを頂いた。ニンニクの収穫時期は3月~4月。Nさんは自分の畑で収穫したニンニクを加工したとのこと。クロニンニクという名前を初めて聞き、実物を初めて見た私は「クロニンニクって何?」なのだが、
 「最近流行っているんだ、健康にいいらしい」とのこと。ニンニクの燻製みたいなものだろうか、火を長く通して黒く焼き上がっている。食べるとまあまあ美味しい。
 私も作ってみようと思ったのだが、Nさんによると時間がかかるらしい。Nさんは炊飯器を使って1週間ほど蒸し焼きを続けたとのこと。1週間も炊飯器を点けっ放しは電気代が勿体無い。ダッチオーブンを使って、数時間でできないかと私は考えた。
 そして今年春、私の畑からもニンニクが採れている。ニンニクは1片ずつ皮を剥いて、オーブントースターで7~8分焼けば、美味しい焼ニンニクができる。このところほぼ毎日それが酒の肴の1つになっている。お陰で、屁をすると、屁もニンニク臭い。
 ニンニク臭い屁をこきながらも「ダッチオーブンを使ってクロニンニク」はずっと忘れ続けていた。つい先日、八百屋で売られているクロニンニクを見て、思い出した。
     

 2016年4月6日、「ダッチオーブンを使ってクロニンニク」作りに挑戦。炉に火を熾して朝9時半からダッチオーブンによるローストを始め、2時間ほどは薪を足して、その後は灰の上にダッチオーブンを置き、余熱によるローストを4時間。
 午後3時半、蓋を開けてみる。良い香りがした。生のニンニクよりずっと甘い匂い。6時間のローストで当然、火は通っているのだが、黒になっているかどうかは怪しい。
 ローストしたニンニクを家に持ち帰って、少し皮を剥いてみる。皮が黒っぽくなっているのもあったので少しは期待していたが、結果は「残念でした」となった。
 それでも、半分をその日の酒の肴にしようと皮を剥くと、中に1個だけ茶色に色付いたものがあった。他のものも生のニンニクに比べると茶色がかっている。「これならもしかしたら」と思って、残りの半分はさらにローストしてみようと計画。
     
     
     

 4月7日、しかし、うっかり者の私はその計画を忘れ、残りの半分を家に忘れてしまった。「どーする?うっかり者」と自問し、「そうだ!」と閃く。新たに5株のニンニクを収穫し、ダッチオーブンで6時間ローストした。これを翌日さらにローストすれば良いのだ。6時間ローストニンニクとダッチオーブンは小屋のテーブルに置いておく。そうすれば、いかにうっかり者の私でも、またも忘れることはあるまい。
 4月8日、金曜日だったので、ガジ丸ブログのアップをして、畑に着いたのは午前11時、さっそく、小屋のテーブルの上に置いていたダッチオーブンに前日の6時間ローストニンニクと、今回はうっかり忘れることなく一昨日の6時間ローストニンニクを入れ、火にかける。時刻が遅れたので、ダッチオーブンによるロースト追加は4時間となる。
     

 ローストしたニンニクはムチャムチャして皮が剥きにくい、というのを一昨日経験しているので、1晩、冷蔵庫に寝かせ、乾燥させ、9日の朝、皮を剥いてみた。
 1晩冷蔵庫に寝かせてもムチャムチャに変わりはなく、皮が剥きにくいも変わらなかった。でも、頑張って剥いた。中はさすがに、前より黒い、玉の外側の片には真黒になっているのもある。「やった、成功だ!」と一瞬思ったのだが、真黒のニンニクの1片を口に入れると、それはクロニンニクでは無く、コゲ(焦げ)ニンニクであった。不味い。
     

 というわけで、私のダッチオーブンによるクロニンニク作りは失敗となる。ダラダラと長い文章を書いたのに、何の役にも立たなくて申し訳ないという気分です。

 記:2016.4.9 ガジ丸 →沖縄の飲食目次