ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

見聞録020 コラスマンレイカ&ダント

2008年04月11日 | ケダマン見聞録

 金曜日の夕方、ウフオバーはお出かけ、ゑんちゅ小僧はまだ来ていない。で、ユクレー屋には俺とマナの二人だけ、先週のパーティーの浮かれ気分が抜けてないらしく、マナはまともに俺の相手をせず、時々、『ぽっかぽかだね』を口ずさんでいる。
 「よー、そんなに浮かれていないで、ちったぁシャキっとしたらどうだ?」
 「なによ、浮かれてなんかいないよ。」と言いつつ、「でへっ」と顔が緩んでいる。
 「さっきからビールお代わりって言ってるのが聞こえてないだろ?」
 「えっ、ホント?言ってた?」と、マナがやっと、こっちをまともに見る。
 「おうおう、やっとまともな目玉になったぜ。あっ、そうだ。ビールは止めて日本酒にしようかな。今年は寒い日が少なくて、日本酒を飲む機会も少なかったからな。」
 「そういえば、今年も暖冬だったね。」
 「そうだな、暖冬はでも、いいんじゃないのか人間には。寒い思いをしないで済むじゃないか。これで冷夏となったら、こんな過ごしやすいことは無いと思うぜ。」
 「そうだね、そうかもしれないけど、でも、人間にとっては過ごしやすいかもしれないけど、自然界の他の生命に悪影響があるかもしれないね。」
 「んだな。それにだな、おかしな気候が続くと、そのうち大きな天変地異が起きるかもしれないぜ。大噴火、大地震、大津波なんてのがさ。」
 「大津波なんてのがあったら、この島は一飲みされるね。」
 「おー、そういえば、前に話したことがあったろ?コラスマンという宇宙人の話。」
 「コラスマン?・・・いや、聞いたことないよ。」
 「そうか?・・・あっそうか、お前じゃなく、ユーナに聞かせた話だった。」
 「どんな話なの?」
 「大昔、正義の味方となって活躍してやろうと、ある星からコラスマンという名の宇宙人が地球に降り立った。しかし、彼はとても大きく、なおかつ、とても太っていたので、彼が降りたとたん、その衝撃で地球に大津波が起き、生命のほとんどが死に絶えたという話だ。・・・あー、そういえば、そのコラスマンの仲間にな、ジラースーとお前みたいに遠距離恋愛の恋人同士がいたな。1年間も会えなくて、結局駄目になったが。」
 ということで、ケダマン見聞録その20『コラスマンレイカ&ダント』の始まり。

 恋人同士の女の方はコラスマンレイカ、男の方はコラスマンダントと言う。
 コラスマン一族は男女を問わず、一年間他の星に出張し、そこで正義の味方となって、その星を悪の手から守ることができれば一人前と認められる。つまり、それが成人の儀式であり、それができてから男女共に結婚を許されることになっている。で、ダントもレイカも共に、結婚するために他の星に出張することとなった。
 ダントには一つ問題があった。コラスマンほどでは無いが、少々肥満だったのだ。コラスマンの失敗を繰り返さないために、ダントにはダイエットの必要があった。

 正義の味方になる前にダイエットをしなくちゃあいけない。ということで、コラスマンは、修行へ行きたいということを報告するついでに、コラスマン王に相談した。
 コラスマン王はケーキダイエットとビールダイエットを勧めた。
 「ケーキとビールなんて、肥満の元じゃないですか。」と意義を唱えると、
 「そうじゃない。ケーキ以外食わない、ビール以外飲まないと決めるんだ。そしたらそのうち飽きてくる。飽きると摂取する量が減る。減ったら痩せるというわけだ。」
 「おー、なるほど、さすがコラスマン王。今日から早速実践します。」
 その日の内に、ダントはレイカに会い、
 「ダイエットして、すぐに後を追うから、君は先に行っててくれ。」と言った。ダントのその言葉を信じて、レイカは一足先に目的の星へ向かった。

 その星で、レイカは目立たなかったが、大いに活躍した。目立たなかったのは、悪が大きな影響を及ぼす前に、レイカがそれらをことごとく潰したからだ。その星の人々は、レイカのお陰で平和が続いていることも、また、レイカの存在さえも知らずにいた。レイカは容姿端麗というだけでなく、頭脳明晰で、武にも長けていたのである。
  レイカが優れた業績を挙げている頃、ダントはどうしていたかというと、コラスマン王に勧められたダイエット法を実践し続けていた。しかし、半年後には、そのダイエットのせいで糖尿病になってしまい、半年後には療養の身となっていた。といことで、レイカとダントはずっと、連絡も取れない遠距離恋愛となっていた。
 「ケーキやビールにもその内飽きてしまう」というコラスマン王の言葉には間違いがあった。「ケーキやビールにもその内飽きる人がいる」と言うべきであった。ダントは全く飽きることがなかったのだ。それどころか、日増しに食べる量、飲む量が増えていって、体重は増え続け、で、ついに糖尿病になってしまったのである。 

 一年の修行が終わって、地球からレイカが帰ってきた。もちろん、優秀なレイカが、無様なダントに愛想を尽かしたのは言うまでも無い。
     

 語り:ケダマン 2008.4.11


ウフソーな人々

2008年04月11日 | 通信-社会・生活

 ウフソーはウチナーグチ(沖縄口)で、「間抜けとかとんま」のことを言う。ドジした奴に「ウフソーだなぁ」と言ったりする。今でも使われている言葉だ。
 『沖縄大百科事典』によると、「ウフは大きい、ソーは性根、思慮で、思慮が大まかで細かいことに気が回らない人をいう。」とある。「大雑把」とも言えるみたいだ。

 元モー娘の加護ちゃんが自殺未遂を図ったというニュースを見た。彼女は喫煙で会社を首になったらしい。喫煙くらいなら1、2ヶ月の謹慎でいいんじゃないかと私は思うのだが、世間は厳しいようだ。喫煙で自殺なんてバカらしい。頑張ってねって言いたい。
 今やっていることが後でどういう結果になるかということを考えずに失敗してしまう。そういうこともウフソーと言う。加護ちゃんはその時ウフソーだったのだ。
 初めて見た時はCGの美少女かと思った「別に」発言の女優も、「子宮が腐る」発言の女性歌手もちょっとウフソーだっただけだ。私から見れば「何で、そんなことくらいで謹慎するの?」と不思議に思うんだが、世間は厳しいみたいである。

 先週土曜日、昼間、豊見城の知人宅に用があった。夜には愛人3号と密かに呼んでいる人妻Iさんとデートがあった。豊見城の用が終わって、夜のデートまでの間に4時間ほどの余裕があった。デートの場所が近いということもあって桜坂劇場での映画観賞を予定した。桜坂劇場から毎月送られてくるスケジュール表を見る。観たい映画は3本あった。そのうち、最も遅い時間から始まる『いのちの食べ方』に決める。5時20分の上映。
 時間に余裕はあったが、いつものように遅れる。桜坂劇場に着いたのは5時半。まあ、10分くらい遅れても最初は予告編なので構わない。チケットを注文した。すると、
 「もう20分過ぎていますが。」と係員が言う。「えっ!」と思って、壁の上映時間表を見ると、映画は5時10分の開始であった。「チラシには5時20分とあったぞ!」と文句を言ってやろうと思ったが、その前に確認する。バッグからチラシを出し、見る。5時10分と書いてあった。どうやら、私の見間違いだったようだ。
 これは、「ものを大雑把に見る。時間を大雑把に捉える。」という私の性格から来るウフソーである。この場合は、損をするのは本人だけなので、ただのウフソーである。チラシを確認する前に文句を言ったりすると、言われた係員が嫌な思いをするので、本人だけじゃなく他人も迷惑する。この場合はフリムン(狂れ者)となる。

  私の2倍半ほどの年収を得ている友人のMは浪費癖がある。必要の無いことに金を使って後悔するウフソーなのである。ただ、それだけならばただのウフソー。
 彼は去年の3月、日々慎ましい生活をしている私から金を借りて、1年経ってもまだ返していない。こうなると、他人にまで迷惑をかけるフリムンとなる。
 「冬のボーナスが出たら、今度こそ必ず返すから」と言っていたその12月、彼から電話があった。酔って、ろれつの回らない声で、「また、大失敗をしてしまった。来年の夏まで待ってくれ。」と言う。彼の言う大失敗が何なのか、だいたい想像はつくが、まあ、いつものようにウフソーなことをしてしまったのだ。呆れてしまう。
 そんなMから先日メールがあった。「前のを返していないのに申し訳ないが、もう10万円貸してくれ。」との内容。「うっそー!」と私は心の中で叫んでしまった。
          

 記:2008.4.11 島乃ガジ丸