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科学と文芸を融合した仮説作品「風雅のブリキ缶」姉妹篇。街で撮った写真と俳句の取り合わせ。やさしい作品サンプルも追加。

「耐震強度偽装事件」雑感、RC造マンションはどの程度危ないのか?

2005年12月11日 10時15分24秒 | Journal
 姉歯1級建築士による構造計算書偽造事件は、総合経営研究所(内河健所長)なるコンサルタント会社の詐欺グループ的リーダーシップが徐々に明らかになっている。藤沢市では震度5弱でも倒壊の恐れがあるマンション物件が見つかった。
 ただ、構造設計者の話では、藤沢の物件はどうだか分からないが、震度5強程度で倒壊するとされたRC造建物も、「倒壊」という言葉がひとり歩きして、まるで、ニューヨークのワールドトレードセンターの全崩壊シーンや、ビルが横倒しになるシーンをまざまざと思い浮かべて、恐怖がつのっているが、実は、地震力が集中するある階で、天上が半分ぐらい落ちてくる、しかし、床までペチャンコに崩落するわけではないから、屈んだ姿勢で生存が可能な程度だという。だから頭にタンコブをつくっても死者は出にくい。むしろ、阪神淡路大震災で見られた欠陥鉄骨造の方が、鉄骨柱が座屈して危険なのだそうだ。取材などで知る範囲では、鉄骨建築の方でも施工の品質確保、検査に関して、かなりの手抜きが蔓延しているのが実態だ。
 まあ、これだけの大騒ぎになると、そんな悠長な比較論や危険の程度論は、相手にされない。そして、数カ月後には、そんな事件あったかなとすべて忘れ去られてしまう。10年前の阪神淡路の惨事(中には明らかな大手ゼネコンの過失も認められた)が建設業界に大した基本的変革をもたらさなかったように、時とともに恐怖の波紋はお金の力(経済)に段々と封じ込まれていくのだろう。
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