クリスマスに華やかなツリーとケーキ、アベックはつきものであるが、この救世軍の社会鍋も忘れてはならない。しかし、なぜ軍服姿なのか、いまだに分からない。この上野御徒町の松坂屋前で見かけた「軍人さん」のトランペットは本当に上手で、心を打つ音色でしたよ。ツリーにもケーキにもアベックにもいまさら感心することはないが、この喇叭(らっぱ)の音色だけは師走の心にしみこんで本当にじーんときました。
美しい紅葉・黄葉の森を抜けて噴水広場に出ると、いきなりこれである。はじめピラミッドかなにかと思った。
美も価値観によるということであるが、クリスマスと商業主義が連動し、そこに興行心が入ると、こうした「奇麗の押し売り」、薄っぺらなイベントになる。ちなみに、このクリスマスツリーは、高さ42㍍の自立式膜構造で、大阪の太陽工業が製作、東京のTSP太陽がデザインと施工を担当した。イルミネーションはLED。せっかく紅葉につつまれながら散策がてらに公園の真ん中を突き抜けていこうかと思ったのに、関係者以外立ち入り禁止とかで脇道へ迂回。天下の公園へ来て、関係者以外とは何事だ!しかし夜のイベントだから、まあ、暗い森に人工的に輝く人為的ファンタジーの準備として昼間の不都合は許すとしようか。小生の究極の論理からすれば、こうした浅はかな人為もまた自然の範疇なのである。
美も価値観によるということであるが、クリスマスと商業主義が連動し、そこに興行心が入ると、こうした「奇麗の押し売り」、薄っぺらなイベントになる。ちなみに、このクリスマスツリーは、高さ42㍍の自立式膜構造で、大阪の太陽工業が製作、東京のTSP太陽がデザインと施工を担当した。イルミネーションはLED。せっかく紅葉につつまれながら散策がてらに公園の真ん中を突き抜けていこうかと思ったのに、関係者以外立ち入り禁止とかで脇道へ迂回。天下の公園へ来て、関係者以外とは何事だ!しかし夜のイベントだから、まあ、暗い森に人工的に輝く人為的ファンタジーの準備として昼間の不都合は許すとしようか。小生の究極の論理からすれば、こうした浅はかな人為もまた自然の範疇なのである。
入ると、もう演奏が始まっていた。場内には演奏者を映すテレビまで設置されている。場内の後方に置かれたパイプオルガンは、1970年、仏教伝道教会から寄贈された、ドイツ・ヴァルカー社製で、2000本の管で構成されているのだとか。演者は早島万紀子さん。演目は、F.コレア・デ・アラウホの「第6旋法によるティエント」、J.アランの「架空庭園」、柿沼唯の「蓮花(Lotus)」、J.S.Bachの「幻想曲ト長調 BWV572」。自分的には大バッハの曲よりはアランの「架空庭園」がこの会場の中では楽しめた。演奏が終って三々五々帰るとき、寺の階段をおりる娘二人が「ほんとうに癒されたわね」とつくづく話し合っているのが、おかしかった。
それにしても、この築地本願寺(本願寺築地別院)、パイプオルガンの音色がよく似合う。教会みたいなところがある。仏前結婚式もこのパイプオルガンを鳴らして行うらしいが、そこらのインチキチャペルの挙式なんかよりも余ほど良いかもしれない。親鸞の浄土真宗はキリスト教と共通するところがあるらしいが、築地本願寺もそうした類似性を実感させる。設計の伊東忠太はそこまで計算したのだろうか。
それにしても、この築地本願寺(本願寺築地別院)、パイプオルガンの音色がよく似合う。教会みたいなところがある。仏前結婚式もこのパイプオルガンを鳴らして行うらしいが、そこらのインチキチャペルの挙式なんかよりも余ほど良いかもしれない。親鸞の浄土真宗はキリスト教と共通するところがあるらしいが、築地本願寺もそうした類似性を実感させる。設計の伊東忠太はそこまで計算したのだろうか。
日比谷線の昇降口に向かう途中、築地本願寺の前を通りかかると、チラシを配っている。パイプオルガンのコンサートらしい。お寺でパイプオルガン演奏、珍しいのと無料らしいので、のこのこと入ることに。30分ぐらいは手持ちの時間があった。
これから日比谷に出て取材もあることとて寄ることはなかったが、通りがかりに築地場外市場の路地を一枚撮る。師走だから、人出もかなり。もうすぐ移転によって、この市場も消滅するのだろうか。昔は、この辺りが築地本願寺の門前町だった。
昨日、住金があるトリトンスクエアーから勝どき橋へ歩いてくると、都鳥(ユリカモメ)が数羽、欄干に止まっていた。
はるかユーラシア大陸北部やイギリス、アイスランドなどで繁殖し、冬は南へ渡りをする途中、ニッポンにも立ち寄った外国からの冬の旅行客だ。見ると、なかなか可愛らしい顔つきだ。
有名な『伊勢物語』の「九段 東下り」に、――ミヤコドリなほゆきゆきて、武蔵の国と下つ総の国との中に、いと大きなる河あり。それをすみだ河といふ。(中略)さるをりしも、白き鳥の嘴と脚と赤き、しぎの大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。渡しもりに問ひければ、「これなむ都鳥。」と言ふを聞きて、『名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと』とよめりければ、舟こぞりて泣きにけり。――とある。
はるかユーラシア大陸北部やイギリス、アイスランドなどで繁殖し、冬は南へ渡りをする途中、ニッポンにも立ち寄った外国からの冬の旅行客だ。見ると、なかなか可愛らしい顔つきだ。
有名な『伊勢物語』の「九段 東下り」に、――ミヤコドリなほゆきゆきて、武蔵の国と下つ総の国との中に、いと大きなる河あり。それをすみだ河といふ。(中略)さるをりしも、白き鳥の嘴と脚と赤き、しぎの大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。渡しもりに問ひければ、「これなむ都鳥。」と言ふを聞きて、『名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと』とよめりければ、舟こぞりて泣きにけり。――とある。
仙台に出張し、夜、飲み屋街に連れて行かれ、「光のページェント」を眺める。奇麗だが、やや一色で単調。赤や青が欲しいと感想を洩らすと、東北大学の先生が「そうですな、青は徳島で困るが、赤は大いに入れるべきだな」と。その心は、青ならば青色発光ダイオード(LED)を使い、その発明対価に200億円という額を主張した徳島の元・日亜化学工業(株)研究員、現在はカリフォルニア大学教授の中村修二氏は有名。一方、赤色は判じかねたが、調べると、元・東北大学の西澤潤一教授が発明にかかわった赤色の発光材料を指すらしい。
そんなことで、どんな建物に建て替えになるのか、インド大使館の工事看板でも確かめようと桃花流水像の裏にまわり、このときはじめて像を下から見上げた。秋というよりは冬枯れのなかなか素晴らしいお尻を発見した。まさに桃尻なり。
靖国神社の参道を大村益次郎像から右に曲がって、靖国通りを渡り、いつものように千鳥が淵に出た。ここには桃花流水の像(熊谷喜美子作)がある。小生、第一のお気に入りなり。驚いたことに、その裏手に狭い道を挟んであったインド大使館がない。建て替え工事が始まって更地(さらち)になっているのだ。