家のことに時間と精力を奪われて最近は映画を観ることも少なかったが、テレビでアメリカ映画『スリー・ビルボード(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)』(マーティン・マクドナー監督、2017)を観た。アメリカの田舎町を舞台にした映画には必ずと言っていいほど出てくる世界の小さい人種・性差別主義的な警察官が登場するのだが、この警官の偏見をぶっとばすフランシス・マクドーマンド(Frances McDormand、1957‐)の演技がすごかった。娘をレイプ殺人された母親が動かない地元警察を動かすために打って出た強硬手段が描かれ、ここまでやるかというほど凄まじい。この演技でアカデミー主演女優賞を獲得。アメリカの批評家の評価が高かったのは、彼女の演技に母親とか女性としての強さだけでなく、その男っぽい姿のままに人間としての気持ちの強靭さ不屈さがにじみ出ていて見事だったからだと思う。フェミニズムとか #MeToo の動きともちょっと違った感じを受けた。
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