なにやらパンフレットのように出来すぎた写真だが、吾妻橋から見た水上バスの「ヒミコ」。芭蕉翁がこの隅田川の景色を見たら、見送る人々との別離に際しても「行春や鳥啼(なき)魚の目は泪(なみだ)」とは、ちょっと詠めなかった気もする。隅田川をアニメ風にアレンジしても何もはじまらないよ。
行春やヒミコ見送る翁に泪 頓休
行春やヒミコ見送る翁に泪 頓休
隅田川の堤を駅方向に歩いてくると、賑やかな音楽が聴こえてくる。黒いテントの下でバンドが演奏していた。何とかとバンド名を紹介していたが、すぐに忘れてしまった。モヒカン刈りのトランペッターがなかなか上手かった。
春たけてモヒカン刈りの隅田川 頓休
春たけてモヒカン刈りの隅田川 頓休
浅草寺の境内を右手に浅草神社の前を抜けて隅田川方面へ出る門が二天門。なかなかに古く由緒ある門らしいが、観光コースからは外れている。Wikipediaには、二天門(重文)――本堂の東側に東向きに建つ、切妻造の八脚門である。元和4年(1618年)の建築で、第二次世界大戦にも焼け残った貴重な建造物である。この門は、本来は浅草寺境内にあった東照宮(徳川家康を祀る神社)への門として建てられたものである(東照宮は1642年に焼失後、再建されていない)。現在、門の左右に安置する二天(持国天、増長天)は、上野の寛永寺墓地にある厳有院(徳川家綱)霊廟から移されたものである。
その前で、いなせな人力車のお兄さんが客に愛想を言っている。昔の車夫(しゃふ)は無口と決まっていたが、今のはペラペラとよく喋って価値がない。
人力に今も昔も二天門 頓休
その前で、いなせな人力車のお兄さんが客に愛想を言っている。昔の車夫(しゃふ)は無口と決まっていたが、今のはペラペラとよく喋って価値がない。
人力に今も昔も二天門 頓休
寺の中に神社があるのは、ニッポンでは不思議としない神仏習合の常態。
ここ浅草寺にも向かって右手に浅草神社がある。その狛犬が大きくてなかなか強そうだ。頭のヘアスタイルが少し変わっているな。
狛犬が桜守護する浅草寺 頓休
ここ浅草寺にも向かって右手に浅草神社がある。その狛犬が大きくてなかなか強そうだ。頭のヘアスタイルが少し変わっているな。
狛犬が桜守護する浅草寺 頓休
これは昨日、千鳥が淵で撮った写真。
桜は樹全体を見ても美しいが、一本の枝ぶりの中に桜の美がまた見事に展開されるもの。桜は生け花的な花なのかもしれない。写真は、ちょうど濠を青磁の瓶に見立てた桜の生け花なり。三句工夫する。
漆黒の花白くして見惚(みと)れけり 頓休
濠に挿し桜の花を見つめたり 頓休
濠の瓶花を生けてやボート浮く 頓休
桜は樹全体を見ても美しいが、一本の枝ぶりの中に桜の美がまた見事に展開されるもの。桜は生け花的な花なのかもしれない。写真は、ちょうど濠を青磁の瓶に見立てた桜の生け花なり。三句工夫する。
漆黒の花白くして見惚(みと)れけり 頓休
濠に挿し桜の花を見つめたり 頓休
濠の瓶花を生けてやボート浮く 頓休
市ヶ谷に取材ででかけたついでに靖国神社、千鳥が淵、九段下と桜をざっと見てきた。まだ五分から七分咲きだ。ただ、開花の目安とされる靖国の桜は一部散っていた。
靖国の散りて佇む花のころ 頓休
千鳥が淵もまだまだあの爛漫と重厚な桜一色の景色とはいかない。しかし人出はかなりのもの。濠に沿って九段下まで坂を下る途中、娘二人の花を見る後ろ姿が良かった。
なお、市ヶ谷から靖国にかけての道には、ソメイヨシノの並木に山桜の樹が何本か混ざっているのを今回初めて知った。ピンクの中に緑がかった色合いの葉桜調だからすぐ見分けがつく。幹もソメイヨシノのブラックに比べれば山桜は薄い。
靖国の散りて佇む花のころ 頓休
千鳥が淵もまだまだあの爛漫と重厚な桜一色の景色とはいかない。しかし人出はかなりのもの。濠に沿って九段下まで坂を下る途中、娘二人の花を見る後ろ姿が良かった。
なお、市ヶ谷から靖国にかけての道には、ソメイヨシノの並木に山桜の樹が何本か混ざっているのを今回初めて知った。ピンクの中に緑がかった色合いの葉桜調だからすぐ見分けがつく。幹もソメイヨシノのブラックに比べれば山桜は薄い。