香港１９ 焼き栗のオバアサン

　人間社会は同情だけでは成り立たない。
　夜歩きも限界を感じてホテルの前まで来ると、最前も見かけた焼き栗を売るオバアサン二人がまだいた。こんな夜更けまで大変だなと思い、安いものだからと一袋頼む。ホテルの部屋に戻って食べると、とてもじゃないが喰えない。２個ばかり食べてあとは袋ごと屑箱に捨てた。正露丸を持参しなかったが腹を壊さないかとの心配、それにもったいないような感じと、自分に対して同情が裏目に出た感じが入りまざって、少し腹立たしく、がっかりした。

香港１８ 中小企業向けローンの広告

　ニッポンの東京では、銀行の貸し渋りにあう中小企業に融資する石原都知事の新銀行東京が４００億円の追加融資で大いにもめた。ここ香港では、金策に悩める（Headscratching for cash）中小企業経営者に対し、多分もう少しスマートな公的融資システムが確立されているのであろう。

香港１７ 痩せる広告

　地下鉄の構内にはさまざまな広告があって、ニッポンで見ると大して眼を惹かないのだろうが、外国だと新鮮だ。特に、こうして元気はつらつな香港レディーが登場していると、撮らずにはいられない。中国にそう大デブはいないが、それでも少しでも細身になりたいのが女性の気持ちかな。

香港１６ 佐敦の雑居アパート

　香港では前回と同じく九龍島は尖沙咀の次、佐敦（Jordan）駅上にあるPrudential Hotelに泊まった。どうも１度泊まると何度も来てしまう。フロントで「あなたは前にも泊まっていますね」とニコリとされた。データが残っているのであろう。まだ寝るには早かったので夜歩きに出た。試みに、そばのいかにも九龍らしい、上はアパートのビルに入ってみた。唸るようなぼろエレベーターで上階まで上って、上から撮った写真。このアパートには普通の住人と客がピンポンとベルを鳴らして出迎えられる娼婦の部屋が同居している。この雑居性も香港らしさだ。

香港１５ 元気寿司

　香港のフェリーターミナルに着いて、さて今度は迷わないようにと思っていると、「元気寿司」というすし屋がある。入る気もなくなんとなく入る。香港人が築地の高価なマグロを買ったニュースが脳裏を流れたのかもしれない。回転すしはニッポンでもほとんど入らない。二三度入った印象から、ここはニッポンと同じだ。調べると、この元気寿司、ニッポンからの出店らしい。１部上場しているから最大手だろう。元気寿司を知らないニッポン人が香港の波止場ではじめて元気寿司を食べた。味は期待したほどでもなく大した幻滅もない程度。少々、脂っこいから数皿食べて出た。

澳門４８ さらばマカオ！

　夕刻、マカオを後にした。
　思い出のサンフランシスコは名残惜しい街として有名だが、マカオにもそうした魅力がある。別に、特別に美しいとか、大観光名所、大遺跡があるとかではないのだが、人の生活と街の雰囲気が明るくほんわかとしている。香港とえらい違いだ。

澳門４７ 新時代美食

　マカオに来て焼きそばやカレーうどんもどきだけでは情けないので、ホテルへ戻る途中、新時代美食なるモダンなレストランで、店のメニュー看板にもお薦め風に載っていた鳥の肝と魚の腸をまぜて焼いてどうにかした写真の料理を食べた。高くてまずかった。どこが美食か分からない。半分のこして店を出た。やはり小生にはラーメンみたいな簡単なものがいい。

澳門４６ リスボアの回遊魚

　今回、写真とは違う建物だったが、向かいのリスボアホテルの方へ行って、マカオ名物の娼婦「回遊魚」を見学した。彼女らが出没する場所がなかなか分からないでホテルの中をしばらくうろうろしたが、フロントのエスカレーターを降りたところにそれらしき女性がいた。スーツ姿にハイヒールを履いたスラリとした若い中国女性たちが、回廊となっている地下の商店街をすごい勢いで左回りに歩いてくる。そんなに驚くほどの美人はいないが、まあ、ブスはいない。右回りする小生を見つめて歩いてくるので、ぶつかるかと思うほどだ。数メートルまで接近すると「チーマ？」とか「シーマ？」と声をかけてくる。行くか、承知かといった意味らしい。ノンと断固首をふると、ときにはチェッといまいましげな発音が飛んでくる。慥か、マグロは恐ろしい勢いで泳がないと死んでしまうそうだが、彼女たち小姐も恐ろしい勢いで回遊しないと生きていけないのであろう。そう考えると、哀れがある。

澳門４５ 雨のリスボア娯楽場

　カジノには関心がない。しかし、このリスボア娯楽場のパッと華やいだ雰囲気は好きだ。ニッポンのパチンコ屋とは違うな。同じような賭け事なのにどうしてこう明暗異なるのか。多分、パチンコ屋には、カジノになろうとしてなれない後ろめたさがあるのだ。

澳門４４ 雨のセナド広場

　今回の旅はけっこう傘をさす場面があった。この季節は雨が降ることが多いらしい。夕闇迫る、雨のセナド広場。なかなか良い写真でしょう。たまたま雨が降ってこないとこういう写真は撮れない。当たり前ですが。