建築家ならば、建物は文化だと自負するだろう。しかし、このように凛としたたたずまいで、文化財のまま市民に講習会など様々な会合で自由に使ってもらっている幸せな建物は、日本では少なくなりつつある。ちなみに、この会館は国指定重要文化財だそうだ。
かつて、夏目漱石は建築家希望だったが、米山保三郎なる友人から、「日本でどんなに腕を揮(ふる)ったって、セント・ポールズの大寺院のような建築を天下後世に残すことは出来ない」と断言され、将来は大建築家との夢も立ち消えになったという話は余りに有名だ。地震というハンディキャップがあるものの、容積率だとか効率性重視で巨大な建物ばかり建てたがる昨今の施主や建設業界。小さくて、切なくなるほど美しい建物をなぜ建てようとしない。漱石をいさめた友人の言葉は、今も、それほど修正する必要はないようだ。
かつて、夏目漱石は建築家希望だったが、米山保三郎なる友人から、「日本でどんなに腕を揮(ふる)ったって、セント・ポールズの大寺院のような建築を天下後世に残すことは出来ない」と断言され、将来は大建築家との夢も立ち消えになったという話は余りに有名だ。地震というハンディキャップがあるものの、容積率だとか効率性重視で巨大な建物ばかり建てたがる昨今の施主や建設業界。小さくて、切なくなるほど美しい建物をなぜ建てようとしない。漱石をいさめた友人の言葉は、今も、それほど修正する必要はないようだ。