Discover the 「風雅のブリキ缶」 written by tonkyu

科学と文芸を融合した仮説作品「風雅のブリキ缶」姉妹篇。街で撮った写真と俳句の取り合わせ。やさしい作品サンプルも追加。

三毛従軍記に見る中国人の日本軍人観

2015年02月08日 21時01分38秒 | Journal
 妻の長兄が急死されたので、1週間前に土日をはさんで4泊5日で葬式に北京へ行ってきた。正月に行ったばかりだから、また北京にやってきたかといった感覚だったが、二三書くべきことを見つけて書きとめておこう。

  


 行った夜は、前回泊まった王府井・金魚胡同のアパートメント方式のホテルだったが、長兄の家や火葬場はかなり郊外にあるので、翌日、そちらのホテルに宿をとって2晩泊まった。万里の長城に向かう高速沿いにある5つ星のリゾートホテルであったが、そこのホテルの窓から北京郊外の一戸建てがよく見えた。金持ちの中国人は西洋式の近代住宅に住みたがっていることがよく分かる。買えば間違いなく億の家々である。葬式には、なんとなく不謹慎な気もしたのでiPhoneも持参しなかった。したがって、写真は1枚もない。妻の兄さんたちが棺桶の兄の死顔をカメラを寄せて熱心に撮影している姿には、ちょっと驚かされた。余り死者を忌む感覚が中国人にはないのであろう。北京市街地に戻るタクシーからユニクロの看板を眺める。中国のユニクロは日本よりは少し高級ブランドである。

       

 ホテルで、テレビをつけると、日本関連のニュースも流れている。イスラム国人質の件は、中国でも話題になっているし、相変わらず安倍首相は軍国主義の推進者として有名人である。ただ、そうした政府の軍拡日本を大いに不安がる日本人民の顔を映し出すことも忘れない。


 



 そして、日本人以上に日本の成功と失敗の歴史に興味を持っているのが中国人である。山本五十六大将の作戦はなぜ失敗したのか、そんな日米の攻防をドキュメントする番組も観た。

        


 しかし、今回一番面白かったのは「三毛従軍記」というテレビドラマだった。有名な漫画家が描いた原作は映画化されたらしいが、これはそのテレビ・リメーク版であろう。子供の兵隊さんが日本軍をやつける話だが、自軍(国民党)の上官も日本軍人もともにえばり腐っている軍人として漫画チックに滑稽に描き出しているところが、なかなか良い。つまり、日本兵も相応に馬鹿丸出しな人間味を帯びており、そこに兵隊さんの悲哀があり、中国人が日本人をこうして冷酷非情以外に描いてくれたことに、どこかほっとするのだ。
コメント
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