Discover the 「風雅のブリキ缶」 written by tonkyu

科学と文芸を融合した仮説作品「風雅のブリキ缶」姉妹篇。街で撮った写真と俳句の取り合わせ。やさしい作品サンプルも追加。

補稿・北京の牡丹

2007年05月27日 11時17分04秒 | 北京俳諧行2日目(故宮・鐘楼/鼓楼)
 これは故宮の御花園で撮った写真だったか。小型のカメラで撮った。牡丹だろう。Wikipediaに――原産地は中国。元は薬用に栽培されていたが、則天武后も牡丹を愛でたという唐代以降、牡丹の花が「花の王」として他のどの花よりも愛好され、様々に詠まれ、描かれてきた。 清代以降、1929年までは中国の国花でもあった。1929年、当時の中華民国政府は国花を梅と定めた。中華民国政府が台湾に去った後、公式の国花は定められていなかった。中華人民共和国政府は現在「牡丹、蓮、菊、梅、蘭」の中から新しく国花を制定する作業中と伝えられる――とある。
 中国史上唯一の女帝となり武周を立てた則天武后については――王氏(前皇后)と蕭氏(前淑妃)は武后により罪に問われ、四肢切断の上酒樽に漬けられ、また遺族の姓を侮蔑的な意味を込めた字である「蟒」(ウワバミ、蛇の一種)と「梟」に改称された。この際武后は「骨まで酔わせてやる。」と言ったと伝えられ、彼女の残虐さを強調するために好んで言及されるが、この刑は彼女の独創ではないようだ。蕭氏は「武照よ、お前は鼠に生まれ変われ。私は猫に生まれ変わって食い殺してやろう」と呪いながら死んだとされ、このため後年の武則天は宮中から猫を排除したとされる――と、すごい逸話が残る。

 閻王(えんおう)の口や牡丹を吐かんとす  蕪村

 則天武后の猫隠す緋牡丹かな  頓休
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中国版カーネル・サンダースの李先生(写真)

2007年05月27日 10時56分27秒 | 北京俳諧行2日目(故宮・鐘楼/鼓楼)
 ケンタッキーフライドチキンの創業者カーネル・サンダースの中国版(海賊版?)が、この李先生(Mr.Lee)であろう。故人らしい。サンダース氏は90歳まで長命だったが、大体、この手の創業者というのは、事業が成功するまで苦節の歳月が長期間あり、したがって長生きだ。李先生も長生きの人だったに違いない。

 李先生の蕎麦を食べながら長寿の功  頓休
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李先生の店(北京駅前)

2007年05月27日 10時44分52秒 | 北京俳諧行2日目(故宮・鐘楼/鼓楼)
 北京駅へ戻って、地上に上ると、駅前の「李先生(Mr.Lee)の店」に入った。隣の吉野家は敬遠した。温かい麺類を食べたかったからだ。中国の旅で、温かい麺を頼むのはけっこうやっかいだ。こうしたファーストフード風ならば、写真で注文できる。このときは、日本で言う「とりそば」風のあっさりしたのを食べた。あっさりしていた。

 あっさりと蕎麦で晩餐すます駅前  頓休
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鼓楼大街駅前の排便小僧(北京)

2007年05月27日 10時37分54秒 | 北京俳諧行2日目(故宮・鐘楼/鼓楼)
 中国では、前衛芸術家の活躍が目立っているとか。嵐の気配に足早に地下に降りる前に、鼓楼大街駅前の芸術を撮った。小便小僧ならぬ北京の排便小僧だ。どこだったか忘れたが、北京の幼子は、こうしたバックが大きく穴のあいたパンツを穿(は)いていて、排便の都合を極めているシーンを目撃した。

 排便小僧に乗っ取られる北京の未来  頓休
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胡同の風景5 らしさ(北京)

2007年05月27日 10時12分48秒 | 北京俳諧行2日目(故宮・鐘楼/鼓楼)
 「らしさ」とは、もちろん、胡同らしさの意味だ。写真の風景が、まさに日本人が北京の空の下に夢想する胡同であろう。元気そうな固太りの女性が家路につく元気そうな歩きっぷりも、なかなかいい。

 夕刻を元気に帰る胡同かな  頓休
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胡同の風景4 自家用車の所有(北京)

2007年05月27日 10時08分58秒 | 北京俳諧行2日目(故宮・鐘楼/鼓楼)
 自家用車を所有するぐらいから、この表通りに面した胡同は比較的裕福なのであろう。ところで、北京で車を運転するのは外国人には難しい。車線変更の指示もなく、鼻の先ですごい割り込み方をする。阿吽(あうん)の呼吸でやるから慣れるには多少時間がかかりそうだ。

 車持ち持てる胡同に大吉の春  頓休
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胡同の風景3 徳を積みまさに金を遺す門(北京)

2007年05月27日 10時01分34秒 | 北京俳諧行2日目(故宮・鐘楼/鼓楼)
 「積徳勝遺金」とは、徳を積むことがまさに金を遺すの意だろうか。こうしたモットーを門に記しながら、北京の人は平然とボロ屋に住んでいる。風雅はこうでなくてはならない。

 遺金門ボロ屋を閉じて北京かな  頓休
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胡同の風景2 老婆と門(北京)

2007年05月27日 09時55分47秒 | 北京俳諧行2日目(故宮・鐘楼/鼓楼)
 カメラに気がついて座りかけた椅子から立ち上がって逃げる老婆。足が悪く、気の毒なことをした。カメラを持てば一応、カメラマン。被写体に容赦(ようしゃ)がなくなる。風雅のモットーを書き入れた胡同の門が、いい。

 カメラに老婆立ち退く胡同の門  頓休
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胡同の風景1 タクシーと鐘楼(北京)

2007年05月27日 09時50分36秒 | 北京俳諧行2日目(故宮・鐘楼/鼓楼)
 空模様が不穏になってきた。小雨をまじえて風が舞い、稲光がどこかで走っている。家路を急ぎながら、鼓楼大街の胡同の風景を撮る。

 天空に稲光鐘楼風の中  頓休
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泳ぐ老人(北京)

2007年05月27日 09時27分05秒 | 北京俳諧行2日目(故宮・鐘楼/鼓楼)
 毛沢東は高齢で重体説が流れると裸になって長江を遠泳するデモンストレーションをした。その世界に配信された映像を今もよく覚えている。水泳の老人、毛イズムの世代であろう。中国の革命史もこの世代がいなくなると幕を閉じて「歴史」となる。

 毛主席の歴史を泳ぐ老人かな  頓休
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