先週、仙台へ行って、宮城県庁を取材したついでに最上階の展示室に寄ると、幾つか珍しいものを発見した。その最大のものは、「坤輿万国全図(こんよばんこくぜんず)」(マテオ・リッチ作、北京、1602年)をもとにした地球儀。折りしも月を周回する衛生「かぐや」から地球の出と入りの鮮明な映像が送られてきて、両者を比較することに。もちろん、美しいとかの尺度で言えば、月から高感度カメラで撮った映像の地球は実物の美しさがあるが、へそ曲がりな小生は、宮城県庁で非高感度カメラで撮った我が「坤輿万国全図」の方が具体的な美しさに充ちていると感じた。大体、地名入りだ。太平洋が「小東洋」と見下してあるのも中華での作らしい。こうした価値観の凹凸(でこぼこ)から眺めた茶にくすんだ地球は、月面のクレーターがある凹凸とした地平から眺めた青い地球に劣るものではない!
安くもないが、スクムビットの立地を考えると、良いホテルだ。2泊しかしなかったが、長期滞在には勝手もあって料理もできるようだし、向いている。日本人や韓国人の利用客が多いようだ。早朝、飛行場に行くので、料金に入っている朝食を弁当にしてもらう約束だったが、失念して貰い損ねた。それとホテルの道路に面した、売り子にインド風のおねえちゃんがいるコンビニは高い。歩いて数分の表通りに立派なスーパーもあることだから、ここで買っちゃいけないよ。
これがその世界一安くてうまいラーメンの作り手。名人には見えないかもしれないが、慥かに、手際(てぎわ)は名人芸。この名人には母親らしいおばさんが付いていて、この母親が肝っ玉かあちゃん風で、おもしろい。雨の日は、スーパーのビニール袋を頭に被って愛想がいい。ラーメンもうまいが、お母さんを見にバンコクへ行きたくなる。
ニッポンはラーメン王国だから、ラーメンの雑誌特集や番組にもこと欠かない。されど、「安くてあっさりうまいラーメン」という王道からは、昨今のラーメンは逸脱している。高くてくどいラーメンが主流になっている。タイのスクムビットの駅前にて、今も王道をゆく屋台のラーメンを食すことができた。
アムステルダムには著名な娼婦街があるそうだから、その知名度を模したのであろう。タイのマッサージには、本来の伝統的なものから、ニッポンのソープランドのシステムをそっくり輸入したようなものまで多様である。「アムステルダム」はそのニッポンシステムの高級店。これだけの威容は、吉原にもあるまい。
バンコクの地下鉄で一番驚かされたのは、このコインの切符。磁気になっていて、入るときは写真のようにかざす、出るときは穴に入れる。リサイクルにいいし、どこからどこまで行くか表示もなく、そんなことはコインの記憶まかせているところが超現代的だ。未来社会の切符はこうなるに違いない。
北京でも地下鉄に自動券売機があって、新システムだと驚いた。ここバンコクの券売機もニッポンより進んでいて、分かりやすい。今はまだ指導格のニッポンはどんどん抜かれている。そのうち後進国だ。パスモやスイカで先を行ったと喜んではいられない。
地下鉄に乗って、一駅目で止まってしまった。いっこうに発車しない。こういうことが珍しいのかよくあることなのか知らないが、他のタイ人はおとなしく乗ったまま動じない。小生は、10分近く待って嫌になって外へ出た。そのときホームから撮った一枚。ニッポン人が気が短いのかタイ人が気が長いのか、少し恥じ入りながら反省した。